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【Startup Career Pitch】 HRのプロが選ぶ、有望スタートアップはココだ!②株式会社primeNumber

■登壇者プロフィール
株式会社primeNumber 代表取締役CEO 田邊 雄樹

慶應義塾大学経済学部卒業後、日本総合研究所にて製造業向けシステムコンサルティング、それに伴うプロジェクトマネジメントに従事。その後、インターネット広告企業にてビジネス・プロダクト開発に携わる中で、広告プラットフォームの開発・事業運営を担う関連会社役員を経て、株式会社primeNumberを創業。基幹業務からマーケティング領域に至る企業業務全領域を視野に、自社、及び顧客のプロダクト開発、それに伴う事業開発のプロジェクトリードを担う。

あらゆるデータを、ビジネスの力に変える。

西村:続いてのご登壇はprimeNumberの田邊さんになります。どうぞよろしくお願いします。

田邊:よろしくお願いします。当社は10月の時点でフルタイムプロパーのメンバーが46名という規模感なんですが、エンジニアが多い会社だけに働き方もさまざまで、副業やフリーランスも含めると7~80名ほどの陣容で動いているチームになります。

10月決算で11月から8期目を迎えます。これまで2度ファンドレイズさせていただいて直近だと13億円ほど調達しております。

いま目黒駅から徒歩5分ほどの所にオフィスを構えておりますが11月からは目黒駅直結のビルに移転。フロア面積も広くなり、新たなメンバーをお迎えする体制も整備が進んでいる状況です。

事業はデータテクノロジーというキーワードのもとtrocco®というデータ統合のSaaSとSolutionという2つのサービスで成り立っています。

また事業以外にもデータエンジニアリングスタディというコミュニティを2年ほど前より開催しており、延べ1万人が参加いただける規模感になっています。

それ以外にも『01』という商業イベントを展開しています。これはデータをビジネスに使っていこうというテーマで業界のトップランナーにご登壇いただく自社企画です。

また事業というよりも啓蒙の目的で、データ活用の裾野を広げるための産学連携にも取り組んでいます。横浜市立大学と連携協定を結んでPBL実習(インターン)を実施したり、横浜国立大学と共同研究の契約を締結して教育プログラムを共同開発したりと、マーケットや人材の開発に勤しんでおります。この秋からは、弊社メンバーが横浜国立大学での講義をスタートしたんですよ。

事業について


まずコア事業となるtrocco®について。データをビジネスに活用するまでのステップとしては「点在」「統合」「蓄積」「可視化」「分析」「活用」というプロセスがあります。trocco®はこのうちの「統合」に特化したサービスとして提供しています。


ではどういうデータを統合しているのか、ということですが、環境別に話すとオンプレミス環境のデータをはじめ、AWSやGCPといったクラウド環境、SalesforceなどのSaaS環境、いわゆるFacebookやYahoo!、LINEなどの広告プラットフォーム、スプレッドシートなど。事業や企業の成長に使えるデータがあちこちに散らばっているわけです。

これをエンジニアの手を極力かけずに自動的に統合するのがtrocco®で、SaaS形式で提供しております。サービスのリリースから4年経ちましたが、おかげさまでたくさんのお客様にご利用いただいています。

trocco®以外では大手企業様を中心に周辺領域含めて面倒を見てほしいというご依頼を多くいただきます。最近ではデータウェアハウス導入、TableauをはじめとしたBIツール、インテグレーションも面倒見てくれという文脈で、トータルソリューションという形で向き合うことも増えてきました。

この中から生まれたのがデータエンジニアリングワークショップです。大手を中心にデータ活用人材を育成したい、あるいはノウハウの内製化をしたいというご意向が多いんですね。我々はここの領域に特化してやってきましたので、そこをプログラム化して週2時間、ハンズオン含めて2ヶ月程度並走しながらお客様のニーズに応える、というサービスも開始しています。大学との教育プログラム開発も、この取組みがインプットにもなっています。

チームについて

私自身は民間のシンクタンクからキャリアをスタートさせました。その過程で出会った人たちにジョインしてもらって今に至ります。創業時はエンジニアがひとり、ふたりと増えて大きくなっていきました。

ゆえにバリューの根底にはエンジニアリングカルチャーがあります。だからといってエンジニア以外が働けないかというとそんなことはなく、各領域で現場のメンバーたちと知恵を交換しながら価値創出してくれる方なら快適に、楽しく働けるのではないかと思います。実際、現在はエンジニアではないメンバーも多く加わり、活躍しています。

8つの要素、すなわち8 Elementsを整理してバリューとしていますので、こういった考え方を理解した上でエンジニアと仕事するのが楽しいのであれば、コミュニケーションコスト低く、気持ちよく働けるでしょう。

ポジションについてはエンジニアリング領域ではtrocco®を開発する人、運用する人、ソフトウェアエンジニア、SRE、デザイナーなどさまざまです。加えてプロダクト領域ではPdM、テクニカルライターなど。Solution領域ではコンサル、データエンジニア、アナリストなど、周辺領域含めて幅広く募集しているので興味ある方はぜひお声がけください。

加えて会社そのものも急成長しているので、全職種において採用強化していきます。SIerやコンサル会社とパートナーシップを結んでビジネスを拡大するチームもありますし、海外展開もスタートします。数年内にはIPOも狙っているので、幅広く豊富なキャリアの持ち主を仲間としてお迎えしたいと思っています。

エンジニアの組織として価値創出する

西村:ありがとうございました!primeNumberさんは「データ」という、スタートアップの中でも重厚なジャンルといいますか。結構地味なプロダクトと思われるかもしれません。入社者のフィットギャップなどはあったりしますか?

田邊:会社の雰囲気や働き方についてはnoteでも発信していますが、入社後のメンバーに聞くと「ほとんどその通り」という評価ですね。よく見せる、みたいなことはしていないので。19時過ぎたら会社にはほとんど人がいないですし。在宅勤務のメンバーもいますから、柔軟に働きながら効率よく集中して取り組んでもらっています。

特にエンジニア系の職種の場合、入社前に委託や副業という形でプロジェクトに入ってもらい、お互いのフィット感をチェックできる仕組みが自然とできている。有償で参加してもらいますからアウトプットのチェックは当然として、それ以外に肌合いや価値観のすり合わせですね。結果、ジョインいただいた方には心地よく働いていただけているんじゃないかと。

西村:会社のカルチャーはどんな感じなんですか?

田邊:根底にはエンジニアの組織として価値創出する、というものがあります。8 Elementsもトップダウンではなく、当時社員数が5人だったタイミングで、メンバーみんなでどうなりたいか、どういう会社にしたいかを毎月1回数時間ずつ、それを半年間継続してディスカッションして結果生まれた8つのもの。決して強いるものではないのですが、8つのうちいくつか共感してもらえたら。

カルチャーをひと言でいうと?ってよく聞かれるんですが、あえて言うなら「責任ある自由を謳歌する会社」がピッタリではないかなと。高校生が大学生になったとき、大学生が社会人になったときにそれぞれで感じることですが、それの会社版が体現されている組織だと思っています。

市川:創業の背景を教えて頂けませんか?

田邊:せっかく組織を自分で作るのであれば、それまで社会に出てから感じてきた矛盾や疑問を払拭する構造にしたいという思いがありました。それが少しずつ形になって今があるのかなと思います。

市川:クライアントの顔ぶれを見ると「錚々たる」という言葉が当てはまるかと思います。この領域では外資が強いイメージがあるのですが、primeNumberが選ばれている理由はどこにあるとご認識なさっていますか?

 田邊:確かに外資に競合はありますが、我々も相応のマーケティング活動を行なっていますので、何かしらのタイミングで認知いただけているのだと思います。エンジニアの方がSaaSとか外部プロダクトに任せようというとき、検索で調べると思うんですよね。あるいはコミュニティ活動の中での会社のロゴを知っていただいたり。そういう地道な活動が効いているのではないでしょうか。

外資のプロダクトと較べて機能劣後はない認識です。その上、データ統合以降のプロセスに携わる方ができるだけ楽になるようサポートも増やしていますし、CSのクオリティにおいては比較にならないと思います。

アメリカからはじまるグローバル展開

市川:プロダクトのターゲットは広めですね。スタートアップからエンタープライズまでカバーしているようにお見受けします。

田邊:ターゲット企業は規模問わず、全部ですね。基本的にクラウド寄りのプロダクトなので、企業の規模や歴史、業種業態関係なくお付き合いできます。

市川:ユースケースも幅広いと思いました。用途としてはマーケティングデータの分析がメインでしょうか?

田邊:マーケティングデータ、という括りよりもかなり広範囲で活用頂いています。経営とか事業分析っていえばスケール感が伝わるかもしれません。
メインのユースケースとしては、まず色々なところに散らばっているデータをデータウェアハウスに統合します。Google BigQueryとかSnowflake、Amazon Redshiftとかですね。

そういうものが集められてそこで分析する人や営業企画の方、データサイエンティストの方がデータを使える環境にして、時に帳票を出すとか、Tableauをはじめとするダッシュボードに加えてリアルタイムのバッチ更新するとか、色々な構造でデータを活用するのが主なユースケースになります。

これが高度化するとさらに編集されてマシンラーニングのモデルに転送されたりもします。さまざまなデータの連携で活用されているのが現状ですね。

西村:今後の展開はグローバルとのことですが、どの国に勝ち筋があるとお考えですか?

田邊:我々の見立てではグローバルにこの領域のデファクトスタンダードはまだない、と見ているんですよね。その中で入っていこうとしているのはアメリカです。

人口が大きいのか小さいのか、今後増えるのかダウントレンドか、通信インフラはしっかりしているか、IT産業は活発か、クラウド上のサービスなのでAWSやGCPのデータセンターはあるか…その上にビジネスチャンスだったりベンチャーマーケットがあるのか、といったことまで見ていくと、やっぱりアメリカ。アジアとかもいろいろ検討しましたが、結論としてアメリカから入ります。

責任ある自由を謳歌する会社

西村:話は変わりますが、primeNumberは形としてはエンジニアリングの会社に見える一方で、決してクールではなくハートウォーミングな印象を感じているのも事実です。そのあたりはどう捉えてらっしゃいますか?

田邊:うちのエンジニアはビジネスが好きなエンジニアなんですね。顧客の役に立っている、ビジネスにどれだけFBされているか、意識的に考えています。そのために自分はモノを作るし、検証もする、環境も守る。そういった中で役割を分け合いながら、客先やマーケットから持ち帰って来た課題をエンジニアチーム、プロダクトチームのみんなであれこれ議論する。

コミュニケーションが活発なんです。エンジニアだからとか、ビジネスサイドだからといった区分けはない。管理系のメンバーからも働きやすいというコメントをもらっています。そうした空気がホットな雰囲気を醸成しているのかもしれません。

西村:個人的には権限委譲が鮮やかだなと感じます。どの部署も上が詰まっていることがない。そうなるまでの背景や何か特別なお考えってあったりします?

田邊:社員が20人ぐらいの頃までよく社内で言っていたし、みんなも意識していたのが、得意領域がかぶらないメンバーを採用するということ。そうすると会社としてのケイパビリティがどんどん上がっていくんです。

つまり任せている領域はまるごと任せることになるので、それを一般的に裁量というのであれば大きいということになりますよね。自然と任せるところを任せているというか。さきほどもお伝えした「責任ある自由を謳歌する会社」の言葉通り、裁量の大きな会社ではあると思いますよ。

ただ規模感や会社のステージから言うと、組織としてはただケイパビリティをひろげるだけでなく、厚みもつくっていかねばとは考えています。

組織としての弾力性やパワーが必要ですね。そもそもお客様とコミュニケーションを取り切れているか、という目下の課題もあるぐらいですし。

市川:業界内でも特に目利きの厳しいと言われるベンチャーキャピタル、特にSaaSを見る目が一層シビアになる中で資金調達できていますよね。一流のVCから投資を決めてもらえたポイントはどこにあるとお考えですか?

田邊:事業でいえば非常にスティッキネス(ユーザーが熱中する)なビジネスをやっているので、そこは評価を得られるポイントかなと思います。さらに業種・業態・企業規模を問わない点やエンドユーザーがエンジニアやデータサイエンティストであること、そして3年前から海外進出の意向を示していたあたりもポジティブに働いているんじゃないでしょうか。

あとはVCさんと面会した役員や全メンバーが優秀なので、僕がかえって足を引っ張らないようにしないと、という感じでした(笑)。

各職種の採用を強化するのはもちろん、幹部採用も力を入れていますので、各領域で腕をふるってきた方であればぜひお話させていただきたいですね。

西村:貴重なお話をありがとうございました!

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