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野又穣さんが描く不思議な空想建築物

こんにちは。

まだまだ暑いですが、そろそろ芸術の秋です。
先日、「野又穣」さんというアーティストの個展を東京オペラシティアートギャラリーに行って観てきました。

「野又穣」、ご存知ない方も多いと思いますが、まずこの作品を見てください。


この作品は「バベル」という、聖書に出てくるバベルの塔をモチーフにした空想上の建築物の作品と思いますが、非常にユニークですよね。
実際に見ると、結構大きな作品で、近くに寄ると、細部まで描かれているのがよくわかります。また遠目に見ると、結構な大きさで圧倒されます。

「野又穣」さんの作品に出てくる建築物は、どれも実際にはありえないようなユニークな建築物が描かれています。
そして、人の姿が描かれていないため、大昔の文明の廃墟のようにも見えます。
中には建築物のドームの中に大きな植物や水槽のようなものが描かれている、未来の自然と共生した人工物の場合もあります。



先程のバベルに代表される塔もモチーフに多いですが、同時によく出てくるモチーフとして、風車や気球があります。青空にそびえたつ建築物と、そこを流れる風を風車や気球で表現している作品もあります。


さらに展覧会の会場の奥には、これも不思議な光を放つ建築物や夜景の作品もありました。これらの夜光作品はひとつの部屋に展示されているため、そこだけ別世界のようです。


「野又穣」という方はどのような方なのでしょう。
経歴を見ると、いわゆる画家としてのキャリアとも違うようです。

1955年生まれ
東京芸術大学で形成デザインを専攻
マッキャンエリクソン博報堂でアートディレクター就任
1995年 文化庁の芸術選奨新人賞美術芸術部門を受賞
2007年 タカシマヤ文化基金のタカシマヤ美術賞受賞
2014年 女子美術大学芸術学部デザイン・工芸学科ヴィジュアルデザイン専攻教授就任
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とあり、企業でアートディレクターを暫く務めながら、独立してアーティストとなり、現在は大学の教授職につきながら、今回のような作品を制作しているようです。

企業にいたというところに親近感を持ちますが、何より廃墟好きの私の感性を魅了する空想建築物の作品群に心を打たれました。
過去や現実というよりは、未来の建築物、または我々とは違う世界線に存在する建築物、そんな対象を細部まで克明に描ける想像力に感服します。

展覧会は9月24日までですので、もしご興味があれば、初台まで足を運んでみてください!!

それでは。

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