秋初夏生(あきはなつき)

自由気ままに小説やエッセイ(らしきもの)を書いてます。 📗図書館司書、商業ライター …

秋初夏生(あきはなつき)

自由気ままに小説やエッセイ(らしきもの)を書いてます。 📗図書館司書、商業ライター 📘趣味は、幅広いですが基本インドア派。ゲームや漫画、アニメなどサブカル全般も大好きです✨ 📙お気軽にスキやフォローして頂けると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします♪

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  • 小説(オリジナル)

    オリジナル小説置き場です。 長編や連載ものは「カクヨム」「アルファポリス」に掲載しています♪

  • 50音エッセイ

    50音のタイトル(テーマ)で、エッセイを書くことにチャレンジしています。 思いつくまま気の向くまま、うつろう空のように日々の気持ちを言葉に綴っていければと思います。

最近の記事

Moon Crisis

現在、アルファポリスにて「Moon Crisis」を連載中です。 登録作品が色々増えて、どれが同じシリーズかわかりにくくなってきたかなと思ったので、この場をお借りしてご紹介! (近況ノートに画像やリンク貼れるといいんですけどね) まずは本編! 序章ががっつり異世界ファンタジーしてますが、1章から現代日本ぽい世界で、高校生のお兄ちゃんが街中で妖魔とバトルする話になってます。 一応メインの主人公はお兄ちゃんですが、妹命。妹以外のことは本気でどうでもよい人です。ちょい不良の

    • 「既視感の正体」-エッセイ

      「あれ?ここ初めて来たはずなのに、何か見覚えあるような……」 そんな経験をしたことってありませんか? デジャヴや既視感などと呼ばれるこの現象は、実際は一度も体験したことがないにもかかわらず以前にもどこかで体験したように感じます。 多くの人が一度は経験したことがあるこの現象。単なる錯覚では済ませられないほどのリアルな「過去の実体験」としての感覚が伴うので「何か悪いことが起こるのでは?」と不安を感じることもありますよね。 私自身も以前は、既視感を覚える場面に出くわすたびに「

      • M -第3話「MIND GAME」

        休みが明けて、数日が過ぎた。 連休気分から抜け切れていない生徒たちも、ようやく普段のペースを取り戻し始めた。 もうじき中間テストがあるため、戻らざるを得なかったという事情もある。 帰りの電車に揺られながら、和也はぼんやりと過ぎ行く景色を眺めていた。見慣れた景色なのに、しばらく休みだったせいか、少し違って見える。手にしている単語帳の存在はすっかり忘れていた。 ――今日は真理が帰ってくる日だ。 ここ数日、ずっと心が重かった。マリアと話していても、時々不安になる。マリアが優しけ

        • M -第2話「マリア」

          真理は明るくて、活発で、少年のように短く切り揃えた軽いショートカットがよく似合う。 いつも優柔不断で、ぼうっとしていて、気の利いたことの一つも言えない和也とは正反対だった。 ――違うからこそ憧れたのだろうか。 真理が自分のことを本当に好きなのか、和也には自信がなかった。付き合いだしたといっても、今までの関係から大きくかわったことはない。いったい、どこからが友達で、どこからが恋人なのだろう? 「彼女」に対する思いも、和也にとっては説明し難いものだった。相手が現実の人間じゃない

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        • 小説(オリジナル)
          5本
        • 50音エッセイ
          26本

        記事

          M -第1話「真理」

          見上げた空がまぶしくて、和也は思わず目を細めた。夏を思わせる強い日差しに、季節を忘れそうになる。 今はまだ五月。 ――初夏と呼ぶにも少し早い季節だ。 空から少し視線をずらすと、薄紫色の房状の花が視界に飛び込んできた。ちょうど今が見ごろの藤の花だ。今年はいくぶん例年に比べて、咲くのが早いようだ。藤棚からいく筋も垂れ下がった花房が、ほのかな甘い香りを漂わせていた。 「遅いなあ、真理」 そう言って、和也は飲みかけのジュースの缶を握り締めた。乾いた喉を潤そうと、もう一口飲んでみた

          「かしこいことと鈍なこと」-エッセイ

          昔から私はよくドジをする子供でした。 そんな時、祖母は必ず「鈍臭ぁ」や「鈍な奴やなぁ」と突っ込んできました。 京都寄りの関西弁を話す祖母の言葉は、時折キツく聞こえることも。 それでも言われ慣れていたせいか、そこまで落ち込むことはありませんでした。 ……ただ。腑に落ちない点がひとつ。 例えば、お茶を淹れようとしてこぼしたり、何かを運ぼうとして落としたりすると、祖母は自分が同じことをしても「あーあー、かしこいことしてしもたわ」と言うのです。 もしかすると、それはツッコミ待ち

          「かしこいことと鈍なこと」-エッセイ

          「カラスの道しるべ」-エッセイ

          カラスと聞いて、あなたはどんなイメージを思い浮かべますか? 不気味で不吉な鳥、あるいはゴミを漁る迷惑な存在でしょうか。 そういったネガティブな印象を持つ方も多いかもしれません。 あるいは、カラスには人間の7歳程度の知能があると言われていることから、賢い鳥としての印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。 私にもカラスにまつわる忘れられない思い出があります。 子どもの頃、私は方向音痴で、何度か通ったはずの実家の墓地への道もなかなか覚えられませんでした。 ある日、自転車で

          「カラスの道しるべ」-エッセイ

          「午後のひとときに」

          お久しぶりです。 ここ数年、書くことをやめようかと思い悩んでnoteもお休みしていた夏生です。 週末の昼下がり、部屋を片付けていたら古い外付けハードディスクが出てきまして。 中身を確認がてら整理していたところ、もう消えてしまったと思っていた20数年前の文書データがあれこれ見つかりました。ちょっとしたタイムカプセルみたいですね。 当時の日記や原稿の下書き、MSNメッセンジャーのログ、ポストペットで友人とやりとりしていたメール、運営していた掲示板のログ……!(時代……) 全部

          「お茶と情けはこいごいと」-エッセイ-

          日本にはお茶に関することわざ・慣用句、伝承などが色々とありますね。 たとえば「お茶を濁す」「お茶の子さいさい」「へそで茶を沸かす」辺りは知ってる方も多いのではないでしようか? 全て挙げ始めるとキリがないくらい、お茶にまつわる表現は多いです。 そもそもお茶の文化はいつからあるの? お茶の文化が日本に入ってきたのは、遣唐使の制度があった奈良〜平安時代頃。 最澄や空海などの留学僧が、唐の国(中国)からお茶の種子を持ち帰ったのが始まりだと推定されています。 当時の唐では、お茶

          「お茶と情けはこいごいと」-エッセイ-

          「絵の世界を散歩する」-エッセイ-

          今日は何だか少し疲れ気味。 ……という訳で(?)、一緒に絵でも眺めませんか? 「何か難しそう」なんて心配はご無用! 私も別に詳しくはないです。 批評とかじゃないし、ゆるっと思い入れのある絵の話でもしたいと思います。 そもそも、今回ご紹介する絵は……。 デッサンとか遠近法とか分からないけど自己流で描いていたという、極めて珍しいタイプの画家アンリ•ルソーさんの作品ですからね! 彼は、デッサンはめちゃくちゃだし遠近法とか何ソレ?って感じで、絵画の技術や知識はほとんどありません

          「絵の世界を散歩する」-エッセイ-

          「笑顔の向こう側」-エッセイ-

          最近、「感情労働」という言葉を知りました。 社会学者のA・R・ホックシールド氏によって提唱された言葉で「常に自分の精神や感情を抑え、接する相手に不安などを与えないよう、明るくふるまう必要のある労働のこと」を指します。 よく例に挙げられるのが、医療や介護関係のお仕事ですが、サービス業や営業などを含むことも。 そういう業種で働く際には、怒りや悲しみなどのマイナスの感情は表面に出ないように、心のうちで抑える必要があります。 また、周りから見てから見て、明るく前向きになるような

          「笑顔の向こう側」-エッセイ-

          「絵本の楽しみ方」-エッセイ-

          公共図書館で働いていた頃。 児童書や絵本のコーナーを担当した事がありました。 そこで時々聞かれたのが…… 「子どものためになる絵本はないですか?」とか「知育になる絵本のおすすめってありますか?」という質問。 確かに、脳の発達を目的として作られている絵本もあります。年齢や発達段階ごとにおすすめもあるので、そういった案内も出来ます。 でも……個人的に、そういう目的や目安だけで本を選ぶのは、少し勿体無いなと思うんです。 それに。 一人一人のお子さんに合う絵本というのがあるので

          「絵本の楽しみ方」-エッセイ-

          「エッセイって……何だろ?」-エッセイ-

          エッセイをシリーズで書きながら、今更何を言っているのかと思われそうですが……。 せっかく「え」のテーマなので。 初めて書いたエッセイのことや、以前サイト運営をしていた頃に書いた(自分なりの)エッセイの定義について、振り返ってみたいと思います。 はじめてのエッセイとある文芸誌に読切の短編を載せた時のこと。 予定されていた掲載分よりも少し作品が短く、ページが余ってしまいました。 編集担当者から、そういう場合にはエッセイを書いともらう決まりになっていると言われ、私は大いに困惑し

          「エッセイって……何だろ?」-エッセイ-

          「うまく書こうとすると見失う」-エッセイ-

          「うまく書こうと意識し過ぎずに自由に書きたい」という感じのことを、自己紹介でも少し書いていたのですが。 案外、自由って難しいですね。 それに何ていうか……カッコつけすぎたり、型に囚われすぎると、何か空回りしてる感があるというか。 自分でも何だか面白くない感じになってしまう気がするのです。 思い浮かんだ事をそのまま勢いに任せて書くような、そういう文章を書きたいなと思うのですが。 寸前でブレーキを踏む癖があります。 普段の仕事の文章だと、その辺だいぶセーブしちゃってるからで

          「うまく書こうとすると見失う」-エッセイ-

          「運の要素とゲーム」-エッセイ-

          運の要素がないゲームと言えば、例えばボードゲームで誰もが知ってるものだと、将棋、囲碁、オセロ、チェスetc… 厳密に言えば、先攻か後攻かで有利不利があると言われているので、その辺りは運の要素と言えるかもしれませんが……基本的には相手の手を読み合う思考力の勝負。 小説や漫画などでも、これらのゲームは心理戦や推理、普段は思考を読みずらいキャラクターの心理描写などに使われる事が多いです。 ろくにプレイ出来きずにオブジェと化してますが、何かカッコいい!と憧れてチェス盤買ったこと

          「運の要素とゲーム」-エッセイ-

          「後ろ髪を引かれる」-エッセイ-

          「後ろ髪を引かれる」という言葉があります。 通常は心残りや未練があることを意味する表現です。 ところで。ふと語源というか、この言葉の生まれた背景が気になったんです。 いったい「誰」にどういう状況で「後ろ髪を引かれた」んでしょう? 最初は、背中におんぶした子どもに髪の毛を引っ張られる状況かな?と思ったんです。 保育園へ預ける時に「ママー」って泣いてる子どもに髪を引っ張られる(物理)みたいな状況を想像してみると、妙にしっくりきたので。 でも、この表現は男性も使います。 男性

          「後ろ髪を引かれる」-エッセイ-