「エッセイって……何だろ?」-エッセイ-
エッセイをシリーズで書きながら、今更何を言っているのかと思われそうですが……。
せっかく「え」のテーマなので。
初めて書いたエッセイのことや、以前サイト運営をしていた頃に書いた(自分なりの)エッセイの定義について、振り返ってみたいと思います。
はじめてのエッセイ
とある文芸誌に読切の短編を載せた時のこと。
予定されていた掲載分よりも少し作品が短く、ページが余ってしまいました。
編集担当者から、そういう場合にはエッセイを書いともらう決まりになっていると言われ、私は大いに困惑しました。
「……エッセイって何!?」
その時は、とりあえず「エッセイ…のようなもの」というタイトルで、過去に見た悪夢の話をネタに書きました。
もう、タイトルからして逃げの姿勢が見られますね!
ちなみに。
アロハシャツにサングラスという謎なスタイルの犬(ええ、犬です!たぶんソフトバンクのCMに出てそうな白い犬……。ちなみに夢を見た当時は、ボーダフォン時代でした)の運転するスポーツカーに、ずっと煽られ続けたという悪夢の話でした。
他にもう少しマシなネタ無かったんでしょうか。
エッセイと呼べるのか怪しい謎文章でしたが、それを読んでくれた知人や編集者からは「(小説より)エッセイが面白かった」とのコメントをいただきました。
……色々と複雑は気持ちだったのは、さておき。
とりあえずエッセイと見なされた事にホッとしていました。(そもそもダメなら編集の時点で却下されてますが)
それから数年後。
自サイトに作品とは別に、あれこれ好き勝手に好きなモノについて書き散らしたコンテンツを作りました。
そしてなぜか、当時交流のあった他サイト様からの紹介文には、ほとんどが定型文のようにこう書かれていました。
「管理人さんによる面白トークは必見!他、小説やイラも」と……。
いや、……え?!トーク!?
私のサイトの売りが、まさかのトーク!
というか、そもそも面白おかしく書いた覚えもないのですが?!
私はまたしても、大いに困惑しました。
と同時に、その紹介文を見て来てくれるであろう人達に申し訳ないと思い、『それらしい』語りメインのコンテンツを作ろうと考えました。
でも、やっぱり自らそれを「トーク」と言うのは、ちょっと違和感や抵抗感がある。
私は別に、一人漫談をしたいわけじゃない。
そこで、改めて思ったのです「そうだ、エッセイを書こう」。
エッセイって何だろ
エッセイを書く!
と決意して、その件は片がついたはずでした。
ところが、またしても私の中に疑問が渦巻いたのです。
「……エッセイって何だろ」と。
いえ、日本語に訳すと「随筆」なのは知っています。
その随筆が問題。
図書館や本屋でエッセイ本を手にする機会は多かったですし、結構読んだ方だと思います。
また、ネットで見かけるエッセイのページというのも割と読んでいました。
でも、それらは本当に「随筆」なのでしょうか……?
日本文学を専攻(平安文学)していた私にとって、「随筆」と言うと、まず枕草子が出てくる。清少納言の作品だ、清少納言と言えば、私の憧れの女性!
そもそも彼女のことを研究したかったのに、なぜか枕草子を研究できるゼミがなかった。
(仕方なく源氏物語を専攻したものの、よりによってライバルの作品を研究することになるとは……)
まあ、そんなこんなで。
エッセイ=随筆と言うのが、どうにもピンとこなかった私は、しばらくそのページを放置していました。
そんな折、とある音楽の批評サイトに「批評と中傷は紙一重なので難しい」と書かれているコラムを読んで、ふとコラムとエッセイも少し似ているかもしれないと思いました。
批評と言えば、コラム。新聞等にちょこっと載ってる評論文などもコラムと呼ばれます。
何となく、エッセイの方が何となく気楽な気がするものの、やっぱり今ひとつ違いが分からない……。
どれだけ考えても答えが出ないので、きちんと調べてみることにしました。
と、こんな感じで辞書的な定義を調べてみて、ようやく少しだけ自信を持ってエッセイのコーナーを始めることができたのでした。
仕事が忙しくなり、その後サイトは閉鎖してしまいましたが。
最近少し身辺が落ち着いたこともあり、リハビリがてらnoteで何か書き始めようと思ったときも、最初に浮かんだのは「とりあえずエッセイを書く」という事でした。
エッセイは自由に書いて大丈夫!
エッセイには、特に決まった形式がないのです。
ここまで書いてきた、何とも取り留めのない文章もエッセイと読んでしまっていいのかは、少し迷うところではありますが。
辞書的な定義で考えると、これもありなのでしょう笑
50音エッセイと題してあれこれ書いてきたものの。やはり最初は少し恐る恐る書いてました(の割に、最初のテーマがアレでしたが)。
何にしても。
見聞、経験、感想などを、筆にまかせて書き記していれば、それはちゃんとエッセイと呼ばれるもの!だと、改めて再確認できたので……。
「こう書かなきゃ!」みたいにガチガチに構えすぎず、のびのびと気楽に書いていけたらと思います。