高尾歳時記 2024年3月9日
高尾に春の到来を告げる代表的な花のひとつ、ハナネコノメが開花しました。
ユキノシタ科ネコノメソウ属(Saxifragaceae Chrysosplenium)に分類される植物の花は比較的地味なものが多いのですが、ハナネコノメは、清廉な白い衣に鮮やかに映える濃紅色の雄蕊を添えた、その妖精のような可憐な姿で大人気です。毎年、この花を楽しみにしている高尾山ファンの方々が大勢いらっしゃいます。この花びらのようにみえる白い部分は実は花びらではなく萼裂片で、本当の花はこの基部に潜んでおり、そこから雄蕊が伸びているのですが、小さすぎて、肉眼で観察するのは困難です。
高尾山において観察できる、ユキノシタ科ネコノメソウ属に属する植物としてはほかに、ネコノメソウ、ヤマネコノメ(ヤマネコノメソウ)、ツルネコノメ、ヨゴレネコノメなどがあります。これらも、この時期一斉に開花します。
ハナネコノメが開花すると、高尾山では季節を先取りするほかの野草の花々も一気に開花し始めます。高尾の春の花々を巡ってきました。