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高尾歳時記 2024年6月19日

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天気:晴れ
気温:25.0℃(高尾山山頂 10:00)
人出:少なめ
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ツユクサという植物があります。

ツユクサ

高尾ではごくありふれた植物で、梅雨の時期から晩夏にかけて、鮮やかなブルーの花をつけます。

稲垣栄洋静岡大学教授著「面白すぎて時間を忘れる 雑草のふしぎ」(三笠書房)によると、植物がさまざまな昆虫の力を借りて花粉を運んでもらうことは知られているが、このツユクサはアブを利用する。アブは美味しい花粉を食べたいが、黄色い花粉と補色関係にあるのは青色である。ツユクサは青い花をつけることで黄色い雄蕊を目立たせ、アブはそれを目指して飛来する。ところが、この雄蕊はダミーである。この美味しそうな偽物の雄蕊には花粉がない。実は、本物の雄蕊は花の下にぶら下がっていて、色も地味で雄蕊に見えない。獲物が偽物であることに気づいたアブが花の奥の方で花粉を探し始めると、本物の雄蕊にある花粉がちょうどアブのお腹やお尻につく設計になっている、ということなのだそうです。

教えられたことを頭に入れて、改めてツユクサの花を見ると、なるほど極めて機能的な形であることがわかります。ツユクサは古来より日本人に歌に詠まれてきた身近な花。その姿には、奥深い自然の営みが隠れていたのですね。

昨日は日本列島を前線をともなった低気圧が通過し、関東地方は大雨がふる荒天でした。低気圧は夜間に去って、今日は台風一過のごとく快晴の青空。そのかわり気温はあがって、午前10時時点で高尾山山頂の気温はすでに25℃。八王子市街地の最高気温は30℃越えの夏日になりました。湿度も高く、流れる汗をふきながらの山行になりました。

高尾では梅雨時期の花々が咲き始めています。今日も花の多いところをめぐってきました。

早朝の高尾山口駅を出発。空は抜けるような青空です。
小仏川の遊歩道はすっかり夏景色。
大粒の梅の実がごろごろ落ちています。ゴルフボールより大きいものもあります。
昨日大雨がふりましたので、小仏川の水量は豊富です。
メハジキ。日のあたる明るい草むらでみかけます。
イモカタバミ。高尾では人里近くや河原でたくさんみかけます。
ムラサキシキブの花。秋になると可愛い紫色の実をたくさんつけます。
オカトラノオ。高尾では梅雨時期になるとたくさんみかけるようになります。
オカトラノオはこのように群生をつくることもあります。ふもとから山中まで、あちらこちらでみかけます。
ヒメコウゾ。たくさん実をつけていました。
ヘビイチゴの実もこの時期あちこちでみつかります。
ホタルブクロ。高尾では梅雨時期にあちこちでみかけるようになります。このホタルブクロ(Campanula punctata var. punctata)には、ヤマホタルブクロ(Campanula punctata var. hondoensis)という変種があります。ホタルブクロには、萼裂片の間に三角形にそりかえる附属体がありますが、ヤマホタルブクロにはないことで識別します。
こちらがヤマホタルブクロ。萼裂片の間に三角形にそりかえる附属体がありません。
ヤマアジサイが花盛りです。
昨日の雨で沢の水量は豊富。
今日はとても暑いのですが、沢沿いにたたずむとどこからか冷たい風がふいてきてとってもきもちいい。
せせらぎの音も心地いい。夏ですね。
昨日のめぐみの雨で、森がいきいきしています。
アカショウマ。日陰の涼しいところでこの時期見かけます。
マタタビ。猫にマタタビのマタタビです。花の時期になると、このように一部の葉が白く染まります。受粉を助ける昆虫を誘き寄せるためなのだとか。
マタタビの花。マタタビは雌雄異株で、雄花をつける個体と雌花をつける個体があります(両性花をつける個体もある)。こちらは雄花
この時期足元に白い花がたくさん落ちているのをみかけます。これはテイカカズラ。蔓性の植物で、日光をもとめて高い木にからみついていることが多く、あまり人間の目の高さではみかけません。たくさん花をつけ、朽ちる前にちらすので、足元でたくさんみかけます。
マタタビの花もたくさん落ちています。
キツネノボタン。沢沿いの涼しいところで多く見かけます。
ウリノキの花。くるくるっとまるまったフォルムがかわいくて、大好きです。
相模湾の遠景。今日は快晴ですが、空は若干霞んでいますね。
あっ!これはウツボグサです。しばらくみかけなかったので久しぶり。
ナワシロイチゴ。たくさん見かけました。
(小仏)城山に到着。富士山の遠景。ちょっと雲がかかってきました。
同じく城山から都心方面。こちら方向は雲はありませんが、霞がちょっと強めですね。
マメ科の植物は基本秋に花をつけますが、こちらは夏に花を咲かせるナンテンハギ。
タカトウダイが咲いていますね。高尾では夏が深まるとあちこちで見かけるようになります。
ノアザミ。夏の花です。
一丁平の森は夏模様。
一丁平の展望台から富士山方面。空の低いところの雲が増えてきました。
一丁平のヤマボウシは盛りを過ぎつつあります。
あっ!これはクモキリソウです。
梅雨時期に花をつけるランの仲間です。
こちらも梅雨時期に花を咲かせるギンリョウソウ。
この摩訶不思議な姿と特異な生態で、高尾の人気者です。
高尾山山頂に到着。さらに雲が増えてきましたが、富士山のシルエットはかろうじて見えました。
同じく高尾山山頂から、丹沢主脈方面。空の低いところには雲がありますが、眺望は良好でした。


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