普段声に出さない女性としての心の叫び『Milk and Honey』
詩集『ミルクとはちみつ』ルピ・クーア(著). Milk and Honey by Rupi Kaur
インド出身カナダ人女性が自費出版した話題作
4歳の時にインドからカナダに移住。英語が全く話せなかった彼女は友達もなかなかできず、本が唯一の友達。5歳から絵や詩を書き始めたと言う。それからオープンマイク(カフェやバーでのパフォーマンスショー)で詩を披露するようになって今に至る、と語っている。ライブショーに出るようになってから、観客から、「どこであなたの本を入れられるの?」と複数の声があって、それが本を出版するきっかけになったとか。
まだ大学生だった頃、出版社なんてまるで相手にしてくれなくて、ちょうどイラストレーションを大学で学んでいてから内容もデザインも全部自分でできる!と思って2014年に『Milk and Honey』を自己出版。インスタやSNSで話題になり、はたまた書店で大きく取り上げられ、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー殿堂入り。今では30ヶ国語に翻訳されているよう(詩を翻訳すると印象がすっかり変わってしまうので、個人的には原書をおお勧めします)。
▶︎フェミニスト的視点から、エマ・ワトソンによる著者インタビュー
繊細な感情を大胆に巧妙に、衝撃と共鳴と
『Milk and Honey』は以下の4つの章で構成されています。
・the hurting (苦)
・the loving (愛)
・the breaking (傷)
・the healing (癒)
普段声にださないセクシュルなこと、女性のこと、からだのこと。
200ページ及ぶ本書のなかで、痛み苦しさがこみ上げてきたり、胸がいっぱいになったり。散文のリズムと視覚的表現が生み出す独特な雰囲気に引き込まれます。
彼女自身Instagramで詩を一部公開しています。
一人部屋にこもって感情の渦にどっぷりと浸かるのもたまには必要。
第一章 "the hurting (苦)" を読んでいて『The Perks of Being a Wallflower』を思い起こしたので、こちらも再読したいと思っています。
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