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アメリカのお父さんは大変

Japanバブルの最終期、言い換えればバブル崩壊直前に社会人となった私ですが、当時は日本人の超ハードワークと異常なまでの勤勉さが日本経済の原動力などと言われ、それとは対極に、欧米、特にアメリカの人達はあまり働かないと言われていました。

2000年代の半ばにアメリカに転勤となりました。幼稚園の年長さんの上の子、来年幼稚園デビュー予定だった下の子を連れて妻とともにアメリカでの生活をスタートさせました。

上の子は現地の公立小学校(Elementary School)へ転校生として入学しました。子も親も初めてのことだらけで大変な日々を過ごしました。当たり前のことでありますが、日本とは随分勝手が違うことがあり、親としても本当に多くのことを学びました。特にElementaryでは日本とは比べ物にならないほど親の学校教育への参画が求められます。子供たちの宿題も家族の人達と一緒にやりましょう、というものが結構ありました。今思えば、学校の運営も多くの親のボランティアを前提に成り立っていたように思います。私の妻も週2日ほど学校でボランティア活動をしていました。テストの採点やプリント作りなど先生の補助をやっていました。一方、直接教室まで入れるので、幼い我が子が慣れない環境の中でどのように過ごしているのか心配で仕方がなかった妻にとっては直に我が子の様子が見れるので本当に助かったと言っています。我々にとってはwin-winとなりました。

私は当時アメリカの会社に勤めていましたので、アメリカの本社での勤務をスタートさせました。先ず面食らったのは朝が早いことでした。朝7時から会議が召集されることは珍しくなく、時には朝5時、6時からということもありました。出勤時は夜明け前の真っ暗な状態ということが日常となりました。
一方、帰宅は遅くとも夕方5時ぐらいで、早い人は午後3時ごろになるとGood Night!と言って帰宅します。いずれにしてもアメリカ人は早く帰る人が多いけど、トータルの労働時間が日本より短いということは全くないですし、総じてアメリカ人の労働意欲が低いというのはとんでもない見当違いだなと強く感じました。

放課後にスポーツのコーチをするお父さん

特に、本当に良く働くなあと思ったのは同世代のアメリカ人お父さんです。彼らは学校ボランティアにも積極的に参加します。子供たちに野球を教えたり、ボーイスカウトの面倒をみたり。家族揃って夕食をとることは当たり前ですし、食後子供たちを近所で遊ばせるなどもお父さんの役割です。会社を早めに出ても彼らは同僚たちと一杯やるのではなく、このように家族、学校、あるいは地域への貢献のために時間を使っていました。金曜日の夕方、奥さんが女子会に行くので、家族の面倒を見るため会議を中座して帰る、なんてことも時にはありました。

私には、仕事が出来る人ほど家族や学校、地域にも時間を使っている印象で、それがまさに彼らのエリート意識の源泉になり、自分達を鼓舞している感じでした。出木杉くんのようなパパ達でした。

そんな彼らから夜の10時ごろe-mailが来ることがよくありました。
子供たちが寝てひと段落してから彼らはまた働き始めるのです。アジア地域の朝の時間でもありますし。そして、多分翌朝は朝5時には車に乗り込み出勤です。

アメリカのお父さんつまり、父として、夫として、地域の一員としてそして職業人として頑張る彼らは大変だなと、それに比べて我々日本人お父さんは、ほぼ職業人の役割をこなすのみ。随分楽をしているのだなあと考えさせられました。

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