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第20回ハロプロ楽曲大賞'21「ハロプロのニューノーマルを作ろう」

さてさて年末である。今年もハロプロ楽曲大賞の季節がやってきた。

去年の楽曲大賞を選ぶ時も思ったが、やはり今年もノミネート数が少ない。更に12月に入ってのリリースも増えているから最新曲が選べなくなってしまっているのも純粋に「今年の」曲をチョイスできないという問題が出てしまっている。

まーちゃんラストのモーニング娘。’21『Teenage Solution/よしよししてほしいの/ビートの惑星』や、かなともラストのJuice=Juice『プラスティック・ラブ/Familia/Future Smile』、佳林ちゃんソロデビューの『どうして僕らにはやる気がないのか(2021)/氷点下/規格外のロマンス』という有力な曲が12月発売で対象外になってしまうのは勿体ない話だ。

逆にモーニング娘。’20『純情エビデンス / ギューされたいだけなのに』、アンジュルム『SHAKA SHAKA TO LOVE』なんかは去年だったら確実に上位だっただろうが、どうしても「今年か?」と思ってしまう。

まあ、すべてはコロナのせい。

あれ?そういえば和田彩花ソロアルバム『私的礼讃』は11月発売だからノミネート対象なんじゃないの? と思ったら、あやちょはアイドル楽曲大賞になってた。鞘師、むろもそっちなんだね。

アイドル楽曲大賞の方はあまり見ないのだけど、ちょっと見てみたらすごい数だった。なんだかんだ言ってもアイドルの分母は多いんだなと思ったが、ふと気になって2018年まで遡ったら今より100組多かった。この3年でメジャーアイドルだけでも100組が解散していた。新たにデビューするグループもあるだろうけど、踏ん張りがきかなくなってるんでしょうね。

では、そんな悲喜こもごものなか、ハロプロ楽曲大賞'21いきましょう。

【楽曲部門】

5位「純情エビデンス」モーニング娘。'20

前段でグダグダと言ってはいたが、やはり選ばざるを得ない良曲。つんく♂サウンドの野暮ったさが平田祥一郎アレンジによって良いバランスで洗練されて角が取れて、とても聴きやすい。音の構成もシンプルな気はするんだけど、それが「安っぽさ」ではなく「ソリッド感」に昇華されているからヒラショーすごい。

そして北川莉央が素晴らしい。

4位「きみの登場」ハロプロ研修生

ハロドリ。とか色んな場面で使われたりもしてて、不意によく聴いた曲な印象。今の研修生のテーマソングのように感じるくらい、中島卓偉による愛に溢れた歌詞とハロプロ王道のファンキーなロックサウンドが見事。

卓偉って意外と(と言うとあれだけど)物凄く歌う子の想いをストレートに歌詞に込めてくれるので、受けても素直に感受性のまま聴ける。それって結構すごいことだと思うのだ。

3位「はっきりしようぜ」アンジュルム

アップフロントの名曲カバー好きは今にはじまった話ではないが、個人的にカバー曲は評価が難しい。最近はJuice=Juiceがシティ・ポップ系のカバーをする機会が増えて、そっち方面にも顔を売ろうとアップフロントが画策してるのは戦略として間違ってるとは思わない。が、如何せんシティ・ポップみたいな特徴的なサウンドはアレンジが難しい上にリスペクトも欠かせないから、大胆な新解釈とかもやり辛い。

その点、この『はっきりしようぜ』は大ベテラン・スターダストレビューのカバーとはいえ本家も去年発表した新曲なので、なのか変な忖度もなく、かなり大胆にハロプロ楽曲にアレンジされている。

本家がシンプルな曲調だったのも良かったのかもしれないのだが、知らずに聴いたらカバーだとは感じないくらい「アンジュルムの曲」になっている。

アレンジは鈴木俊介さん。さすがの仕事。完璧に王道ハロプロファンク(今も赤羽橋ファンクでいいの?今は五反田ファンク?)に昇華されていて聴き心地も最高。

いまだに気分をアゲる時に聴きたくなる。

2位「ガラクタDIAMOND」つばきファクトリー

「新生つばき、キタなぁ」と思わせてくれた曲だ。

作曲は馬飼野康二と鎌田俊哉。といえば80年代歌謡曲、そしてジャニーズの様々な楽曲を生み出している巨匠コンビ。そこに、中森明菜の『TATTOO』から最近のアニソンまで幅広く手掛けている森由里子による作詞とくれば「間違いない」曲になるのは自明の理である。

アップフロントも「80年代歌謡曲っぽくしたい」という直球のオーダーを出したんじゃないかと思わせるくらい、ど真ん中の歌謡曲。しかもそこはかとなくKinKi Kidsの『愛されるより愛したい』とかにも通じる音創りをしてる気がして、そんなん大好きに決まってるんだわ。

新メンバーから歌い出しがはじまるっていうのも、つばきファクトリーの新章を存分に感じさせてくれてワクワクする。

1位「泳げないMermaid」アンジュルム

歌謡曲が好きなのである。なので、2位の『ガラクタDIAMOND』とは甲乙つけがたいくらい悩んだ。僕がアンジュルム好きってだけで最終的にこの曲を1位にした。

とても、とても好きな曲だ。

『ガラクタDIAMOND』が大御所による完璧な王道歌謡曲だとすると、アンジュルムの『泳げないMermaid』は新時代の若手によるニューノーマルな歌謡曲という感じか。

今や「ハロプロ楽曲といえば星部ショウ」くらい確固たる地位を築いた天才作曲家とアンジュルムと相性抜群な井筒日美さんによるしなやかな歌詞がヒラショー大先生によって最強のハロプロ歌謡曲に錬金されている。本当に見事としか言いようがないくらいドストライクな曲だ。

そんな『泳げないMermaid』への想いはnoteへ書き連ねてあるので、そちらも読んで貰えると嬉しいです。

ちなみに好きな歌詞は

幼い頃に夢見た ヒロインは皆強くて
キラキラ キラキラ そんなの無理な相談

です。

セーラームーンやプリキュアに憧れた世代の女子っていうのが良いですよね。20代、30代の女性という現在のハロプロを支える一大勢力をメインターゲットにしているのがよく分かる歌詞ですね。

【MV部門】

3位「フレフレ・エブリデイ」BEYOOOOONDS

去年もビヨのタイアップ曲を入れたのだが、この曲も同じくKAGOMEタイアップということで、MVの金の掛け方が普段のハロプロとは違う。予算も潤沢なんだろう。

そしてそんな潤沢な予算を使って制作したMVは、見事にハロプロ感溢れる狂気に満ちている。野菜生活タイアップでカラフルな野菜の色彩からスウェーデンの夏至祭を連想しているんだろうが、常にニコニコと笑って歌い踊る彼女たちの演劇体質も相まって、もう、どうしても映画『ミッドサマー』の世界観にしか見えない。

「たくさん予算があるからってオシャレなMVができると思ったら大間違いだぞ」とアップフロントが開き直っているようなイカれた怪作。

2位「SHAKA SHAKA #2 LOVE カラフルライフ編」アンジュルム

こちらもタイアップ曲のMVだ。だが、こちらはオーラルビューティケアブランド「オーラツー」の商品コンセプトもあって、とてもカラフルでオシャレに仕上がっている。

素直に作ったらこうなるのだよな、普通。

9期メンバーが加入して新色が追加されてパワーアップしたアンジュルムの勢いそのままの素晴らしいMVになっている。が、やはりここでもただでは引き下がらないアップフロント。

ちょうど夏に発売されたこともあって、久しぶりに「音頭」を楽曲に捻じ込んできている。アップフロントは昔から「音頭」好きよね。隙あらば「音頭」を入れようとしてくるのも最近は自重していたようだが、我慢できなくなってしまったようだ。

要るか?音頭。

転調とか生温いもんじゃなく完全に曲を分断してまで「音頭」を入れたいという歪んだ情熱。タイアップだからって自分を捨てないアップフロントの矜持がヒシヒシと感じられて怖くなる。

ちなみに去年のタイアップ時に書いたnoteは「SHAKA SHAKA」と「釈迦」をかけて考察してみてる。

3位「愛されルート A or B?」アンジュルム

アンジュルムの出したシングル曲で楽曲大賞にはこちらの曲だけ入れなかった。決して嫌いなわけではないし、所謂オシャレなアンジュルム感は一番この曲が強いとも思う。

実際MVとしても一番クオリティ高いと思うしコンセプトの立て方も素晴らしい。「A or B」という選択肢を「黒と赤」のコントラストで表現するスタイリッシュさはハロプロでは珍しいアート感もある。

一般のヲタ的にも楽曲としての人気はこの曲が一番高く、視聴回数も群を抜いているので、曲としての好みより「MVとしての完成度の高さ」という観点でも1位にしたい。

あとMVの桃奈が輝きに満ち満ちていて「おやおや? どうしたんだろ?」と思わずnoteも書いちゃったのだが、やはりその後に卒業が発表された。本当にハロメンの「卒業を決めるとキラキラ感が増す」現象は何なんだろうね。

【YouTube部門】

5位 低温火傷 / 小片リサ

本人的にもハロヲタ的にも不本意な形でつばきファクトリーを脱退することになってしまった小片リサだが、ソロ活動を無事にスタートさせた。そしてソロ一発目の動画が、この『低温火傷』だった。

まさか脱退したグループの人気曲をソロカバーするとは思ってもみなかったのだが、一発目にこれを出してくるのがアップフロントの優しさなんだろう。『低温火傷』といえば小片リサである。

アップフロント、分かってるなぁ。そして本当に所属アイドルに対して優しい事務所だなぁ。ありがたいなぁ。と思わせてくれる動画だった。

4位 COVERS - One on One - 悲しきヘブン / 段原瑠々 x 山﨑夢羽

これこそがハロプロのニューノーマルなんじゃないかという動画。もはや「次世代」ではなく、彼女たちが現時点のトップだろう。そういえば「宮本佳林の後継者は誰だ?」というnoteを以前に書いた。

当然、段原瑠々と山﨑夢羽は名を連ねている。

言葉は要らない。ただ、ハロプロの現在地を観て欲しいと思わせてくれる。

3位 【鈴木愛理が涼宮ハルヒの憂鬱”God knows…”を初カバー】平野綾が歌った伝説の劇中歌を熱唱!【アニソン神曲カバーでしょdeショー‼️】

厳密にはハロプロ、アップフロントの関わっていない動画ではあるが、ハロプロを卒業した鈴木愛理の新境地開拓を担っている配信がこれだ。

『かぐや様は告らせたい?』の主題歌でアニメ界に鮮烈なデビューを果たした、と書こうと思ったがよく考えたらBuono!で『しゅごキャラ!』の主題歌を歌ってたわ。愛理とアニソンは昔から親和性高かった。そして時を経てソロ歌手としてアニメ界へと舞い戻った歌姫は、ハロプロOGとしても後輩たちに未来への希望を見せてくれている。

しかし『God knows…』をカラオケ音源でこんなにも見事に「自分の歌のように」歌えるのはエグい。

2位 My Days for You / 江端妃咲(Juice=Juice)歌唱動画

前にデビューが決まった新人の子たちに関するnoteでも言及したのだが、江端妃咲ちゃんは是非アンジュルムに欲しい子だった。

それを改めて思わせてくれた『My Days for you』歌唱動画。つばき、Juiceの新メンバー全員がそれぞれに「いま」を見せながら「未来」へと思いを馳せさせてくれる素晴らしい企画でした。誰が1番とかもなく、もう完全に好みの問題なので票数は割れちゃうだろうけど、今後もこういう歌唱動画は続けて欲しいですね。

1位 アンジュルム 川村文乃「1級マグロ解体師」合格の裏側に密着!

今年もアンジュルムは各メンバーが個性を活かして活動の幅を広げていた。なかでもサブリーダーである川村文乃の活躍は目を見張るものがあった。

テレビ番組『アウトデラックス』に出演した時も言っていたが、自分で電話してアポ取って勉強をはじめていくって、いくらコロナ禍で時間があるからとはいえ誰もができるものじゃない。

アンジュルムは分かりやすく上國料萌衣がモデルとしてもエース的な存在としてもメディアに引っ張りだこだが、リーダーたけも書道を武器に我道を進み、最近では橋迫鈴ちゃんが爬虫類系の雑誌とのコラボが話題になり、川名凜ちゃんと青柳総本家とカエル繋がりでコラボをしたり、本当に様々な分野で活躍するようになった。

「ハロプロは歌って踊ってるだけ」ではないというのを少しずつ世間が知りだしてきているキッカケに川村文乃の1級マグロ解体師の資格獲得は確実になったと思うのだ。だって普通こんな資格取らないもん。

【推しメン部門】

竹内朱莉

ここは彼女が卒業するまで変わることはないでしょう。アンジュルムにとってかけがえのないリーダー。来年は将来のことを考えていく年にもなるだろう。まずは書の個展が実現するといいなぁ。それが第一歩になるだろうな。

そして、もう卒業は常に覚悟して過ごしてる。願わくば彼女の卒業コンサートが横浜アリーナで行われて、盛大なコールを浴びる姿を観たい。

いや、急いで卒業する必要はないんだけどね。

もし卒業するなら、でっかい場所で。

ちなみに最新のハロプロソートの結果はこんな。




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