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最近読んだ本|ミステリー・SF編

こんにちは、ぼぼこです。

昨日投稿した最近読んだ本の記事が長くなりすぎたので、分割しました。

今回はミステリー・SF小説編です。


ハサミ男 / 殊能将之

ミステリー小説好きの方なら読んだことがある方も多いのではないでしょうか。私も前から気になっていて、やっと読むことができました。

美少女ばかりを殺害する猟奇殺人犯の「ハサミ男」は、自分が次に殺そうと計画していた少女が、自分の手口と同じやり方で殺されているところを発見します。犯人はどうして自分の手口を真似て彼女を殺害する必要があったのか、犯人は誰なのか、ハサミ男が調査をしていくという物語です。

殺人犯が殺人犯を見つけ出すために調査するという奇妙な物語ですが、最後の最後で明らかになる真相はまさに「どんでん返し」な展開で、とてもドキドキしながら読み進めました。

「どんでん返し」な結末のミステリーはたくさんありますが、本作がその中でも代表作と呼ばれているのがとても納得できます。

途中「これはもしかして伏線・・・?」と思うところは何箇所もあるのですが、それがどういう結末につながるのかは全く予想できませんでした。

どんでん返しミステリーが好きで未読の方はぜひ読んでみてください。


さよなら神様 / 麻耶雄嵩

この小説は6章の連作短編小説になっていて、各章で殺人事件が起こるのですが、なんとそれぞれの章の冒頭一行目から「犯人は○○だよ」と宣言してしまっています。

犯人を言い当てているのは、主人公の小学校に転校してきた鈴木太郎くんという男の子で、「自分は全知全能の神様だ」と宣言し、主人公に事件の犯人を教えてくれるのです。だけど教えてくれるのは犯人の名前のみ。

その残酷な真実を覆すべく、主人公とその仲間たちで事件を捜査していく、というお話です。

この作品は「神様ゲーム」とういう作品の続編ですが、そっちを読まなくても理解できる内容だと思います。

麻耶雄嵩さんの作品は「隻眼の少女」を初めて読んだ時から、その世界観がクセになってしまいました。

「自称神様と宣う小学生」という信じ難い存在なのに、「神様の言葉は絶対」という信じざるを得ない現実に打ちのめされる主人公たちがとても不憫です。何より登場人物は小学生なのに、言動や語り口調が変に大人びているところが不気味で、麻耶さんらしい世界観だと思いました。


屍者の帝国 / 伊藤計劃 × 円城塔

死者を蘇らせて操る「屍者蘇生技術」が発展した19世紀末という設定の物語で、主人公である医学生のワトソンが諜報員として、屍者の帝国を作ろうとした人物やその秘密を探し出すために世界各地を駆け巡るSF小説・・・と簡単にあらすじを書いてみたものの、こんな短いあらすじでは説明しきれないくらいの壮大で衝撃的なSF超大作です。

この作品はアニメ映画にもなっていて、故伊藤計劃さんの3本の長編小説を劇場アニメ化する「Project Ito」の中の1作となっています。

私は何年か前にアニメを見て、すぐに原作小説も購入したのですが、積読したまま何年か経過していたものを最近発見してやっと読み始めた感じです。結構ページ数が多いし、内容も重厚なのでなかなか手をつけれなかったのですが、読んでみるとその世界観にすぐに引き込まれました。

この小説は舞台設定がとても面白くて、実在する・または架空の有名キャラクターが次々に登場します。

主人公はあの有名な助手と同じ名前だし、ドストエフスキーの小説に出てくるあのカラマーゾフも登場します。いわゆる歴史改変小説です。

それぞれのキャラクターが出てくる原作を読むと、さらにこの作品の見方が変わったりして面白いかもしれません。

アニメは原作の設定と少し違い、主人公ワトソンと一緒に旅をする「フライデー」という屍者化している人物が、ワトソンの親友という設定になっています。

死んでしまったフライデーを屍者化したワトソン、でも屍者は自分自身の言葉を発することはできなくて、「ただ君にもう一度会いたかった、聞かせて欲しかった、君の言葉の続きを」というワトソンの叫びに、心が揺さぶられました。

原作小説の世界観は難解でわかりにくい部分もあるので、アニメを先に見とくと原作が少し読みやすくなると思います。

とは言っても内容はとても重厚で理解しきれない部分もありますが、理解できないながらもページを捲りたくなってしまうハラハラする展開や、心打たれる言葉がたくさんあるので、とてもおすすめしたい作品です



というわけで最近読んだミステリー・SF小説の紹介でした。

最後に紹介した屍者の帝国のアニメの主題歌は、EGOISTのDoorで、作品の雰囲気にすごく合っていました。

伊藤計劃さんの作品であと2作アニメ映画化されていますが、その二つもEGOISTの曲が主題歌になっています。

映画・原作・主題歌と、一つの作品で色々楽しめるのがすごくいいです。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。


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