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女の敵は常に女!?女性研究者について語る前編


こんにちは、海外で現役ポスドク(生命科学系)をしておりますポス山毒太郎と申します。このnoteはあくまで毒太郎の体験を元に、偏見に基づいた感想を語っていく場です。ですのでほとんど統計値などは出てきませんので悪しからず。


まず注意点!!

さて、今記事では女性研究者について語っていきたいと思います。それなりに毒強めなので覚悟してください。以前にも言いましたが、先にビュー数が望める記事を出したせいで、もうアクが強い記事か、薄い記事しかストックがありません!!

なかなか”いいね”しにくい内容が続くと思いますが、ぜひ積極的な”いいね”お願いします!!

また、筆者の名前は明らかに男ですが、性別は伏せています。女性研究者の可能性もあります。出来るだけ女性、男性研究者両方の立場に立って語りたいと思います。

前回の記事で述べた通り、筆者は夫婦でかなり男女平等を実現していると自負しています。勿論専業主婦を持った研究者や単身研究者に比べると、夫婦共々思い切って働けてないと感じているので、お互いの不満の上で成り立っていますが。。。

今記事は前回記事の続きでもありますので、こちらの記事もどうぞ


はじめに

ネット上では、女性PI研究者の意見が取り立たされることがありますが、覗いてみるとそのほとんどは生存バイアスで運が良かっただけの意見が多いと感じます。要は「頑張ったら何とかなりますー」とか無責任なことを言っているのが散見されます。

彼女らは自分の自慢はしますが、日本のシステムの問題点は語りません、というか運が良かっただけ、もしくは本人が超人であったため、システムの問題点をあまり語れない、何なら考えたこともないように受け取れます。

もちろん苦労をあまり知らないままPIになる事自体はいい事だと思っていますが、はっきり言って女性PI(特に若手)の「女性も頑張ったらなんとかなるんですー」には虫唾が走ります。

少なくとも筆者は苦労している女性研究者を沢山見聞きしてきました。

PI女性研究者は、本当に“女性”研究者を語りたいなら、自分は特別(運or能力もしくはその両方)であることをまず自覚して、苦労している女性研究者のことを真面目に考えてあげるべきだと感じます。そしてもっと彼女らの意見を積極的に掬ってあげてください。

“女性”研究者であることを謳うならそれ相応の責任を負うべきです。

後編で述べますが、筆者は女性が頑張る頑張らないとかの問題ではなく、少なくともシステム(産休、育休)に問題があると考えるからです。


男女共同参画における女性枠

近年、色んなところで女性枠、いわゆる男女共同参画が叫ばれていますが、もし筆者が男性研究者だったらと考えるときっと「糞食らえ!!」と叫ぶことでしょう。それは筆者が業績的にボーダーライン研究者だからです(ただのポジショントーク)。

トップオブトップの男性研究者からしたら関係ないのでしょうが、PIになれるかなれないかのギリギリの男性研究者からしたらこんな理由でふるいにかけられる程、馬鹿らしいことはないでしょう。

また女性研究者としても、こんな形で下駄を穿かされるのはプライドを傷つきます。ただしそれは建前で、本音を言うと男性研究者には悪いですが、「ちょっとラッキー」だとも思っています笑。だってボーダーライン研究者だもん。

ただし、正式な研究室のPIならまだしも、学生支援、女性支援のトップみたいな適当なポストに女性を優先的に据えるのは形骸的で「舐めてんのか!?」と感じます(これらの方々を貶める意図はありません) 。

また現状女性が教授、PIになっても「あいつは女であることを利用した」と嫉妬を男性からならともかく、女性からも受ける可能性もあり、本人も継続的にストレス受けると思います。

一方でこれは完全な想像ですが、現状の日本で女性が教授、PIになろうと、男性が教授、PIになろうと日本の科学力はトータルでは別に変わらないと思っています。

なぜならば、日本はPIの枠がそもそも少なすぎるのが問題で、それに対して能力の高い男性、女性が大量に余っており、その枠に女性が入ろうが、男性が入ろうが変わらないと考えるからです。

注意:これは筆者の想像です。実態は知りません。

もっと言ってしまえば、「世の中に代わりの効かない研究者なんていないでしょ」ということです。松本人志がテレビを去っても何も変わらないのと同じです。「皆代わりの効かない研究者なんだ!!オンリーワンだ!!」という意見は分かりますが、ここではもっとマクロに見てるのでご理解ください。


一方で筆者の経験(ミクロ)でいうと、女性研究者(+日本を代表する研究者の弟子)ということで登用されたけど、明らかに実力不足な教授も見たことがあります。その教授は女性研究者系のイベントでは必ず出席していたので、ある意味シンボル的存在だったのかもしれませんが、彼女の主宰する研究室に所属していた学生はもれなく全員『地獄』を見ていました。博士の学位も半分以上の学生が取れていなかったのです。

それでも女性研究者ということでイベントではチヤホヤされて本人もまんざらでも無い感じでした。学生が半分以上学位を取れない地獄の主なのに、なんと面の皮が厚いことかと驚いた記憶があります。もちろんこの様なことは男性教授のもとでも起こり得ます。

実力よりも多様性に重点を持ってPIを選ぶと、回り回って部下や学生が地獄を見る可能性もあるわけです。

そしてあんまりこういう事は言いたくありませんが、女性枠の次は外国人枠や、下手したらLGBT枠、さらには今では全く想像できない枠もできていく可能性も考えられます。こういった枠が増えると、ただでさえ低い筆者のPIになる可能性がまた下がっていくー。


自分より優秀な女性に出会ったことがない男性研究者の存在

もちろん男女平等は大事だと思います。

因みに筆者は自分より優秀な女性研究者を山ほど知っているし、自分より無能な男性研究者も山ほど知っているので、女性が男性より下であるなどとは全く思っていません。ただし「女性ならではの視点」みたいのはあんまり信じてません。

ただ教授クラスになると自分より優秀な女性に出会ったことがない男性教授もいる可能性があります。実際にそうなんだろうなぁと見て取れる教授を数人見てきました。

彼らは飲み会で明らかに女性研究者を賑やかし要因として連れて行きたがります。そして苦笑いしながらそれを受け入れる女性研究者もかわいそうです。

ある女医は言ってました。

「今我慢してれば、自分や自分の家族が病気になったり、事故にあった時に融通してもらえるかもしれないでしょ?」と。

んー悲しいけど強い。

日本のトップの中学高校からトップ大学の学部を卒業して、そのまま同大学内で教授になる男連中はどうしても女性を下に見るのでしょう。


女性研究者を支援する団体

一方で筆者は、学歴ロンダでSラン大学に大学院から入ったわけですが、そこでは男女平等を謳うということで「女性研究者を推進する会」みたいな団体から女性が来て講義をしていました。

そこでは「女性研究者がいかに研究をしにくい環境にあるか」などと高説を宣ったのちに最終的に、女性研究者の育休中は、ラボが代わりに一時的なテクニシャンを雇って、代わりに実験をやらせるべきだと言っていました。

いや、言ってやがりました。

そしてそこで得られたデータを、全て育休をした女性研究者の成果とするべきだと提言していました。それを聞いた時に「こいつはなんと馬鹿なんだろうか」と呆れたことを覚えています。

まずそんな簡単に一年限定とかで一時的なテクニシャンは雇えません。またテクニシャンだって育てるのにそれなりの期間が必要ですので、素人を雇って最初の1年で大したデータは取れません。またテクニシャンが取得したデータを、全て育休をとった女性研究者のものとするというのは、テクニシャンを馬鹿にしすぎです。テクニシャンには人権もないんか笑。


ある教授の勇気ある発言

その授業では、学生以外にも多くの教授が聞きにきていて、そのうちの一人の男性教授が「女性研究者が結婚や出産のタイミングで研究を辞めてしまうのは事実としてあるので、そんなリスクのある女性を雇う研究室にお金を補助するのはどうか?」と勇気ある発言をされていました。

ちょっと賛否両論のありそうな意見ですが、一理あると思います。少なくともこの団体の偉い人は、偉そうに言いますが、女性が育休を取ったら、「ラボのお金」で代わりのテクニシャンを雇えと言っていたのです。それに比べたら、少なくともこの提言された教授は“現実的”に問題を解決しようとしてます。


結婚を機に辞める女性研究者

では次に男女の大きなイベントとして結婚を機に辞める女性研究者について考えてみます。

実際に筆者の知り合いでは、結婚して研究を辞める人はあまり見当たらないのであんまり語ることはありません。

ただし男性研究者が別の地域に行くときに、仕事を辞める方もいるかもしれません。研究者は、ポジションがあれば日本中、ひいては世界中のどこへでも行きざるを得ないので、夫婦で共に同じ地域に転職するには、夫婦共々の能力と何よりも運がかなりないと難しいでしょう。特に後から転職を決める側は難しいです。これは正直言って、夫婦の問題としか言えません。

研究を取って別居も考えるか、仕事をやめて配偶者について行くか、夫婦の問題です。そしてそうなった場合女性が研究を諦めるケースが多いのでしょう。でもそれって夫婦で話し合って決めたなら仕方なくねー?とは思います。んー、我ながら考察が薄い。


出産を機に辞める女性研究者

そして次は男女の大きな差、イベントといえばやはり出産、言い換えれば産休、育休について語っていきます。

現状の日本では、産休として2-3ヶ月、下手したら半年休んで、さらに育休で1年休む、しかも女性だけが休むというのが当たり前になっています。

研究者ならわかると思いますが、我々は国際的に戦っています。大袈裟にいえば1日でも休むのが惜しいです。その差で自分と同じ研究結果が他で発表されてしまうかもしれません(現在では研究も多様化しているので、昔ほどそんなことはないかもしれません)。

教授も一年以上休むリスクがある研究者に、わざわざ自分の虎の子のプロジェクトは与えないでしょう。勿論女性研究者からしたらそれは我慢できませんが、ラボも運営がカツカツで人員的、金銭的、時間的、要は全ての余裕がないことが多いことも事実です。


”女性枠”のズバリ問題点と解決策!?

ですので、巷を騒がせている”女性枠”の問題は、そもそも日本のPI枠が少ないことと、運営がカツカツがギリギリのラボが多すぎることが問題なのではないでしょうか(誰でも分かるわ!!)?

ですので『国』は男女均等を本当に謳うなら、まずPI枠を増やして、研究費をバンバン増やしましょう!!

それもなしで女性だけを優先する空気が増えすぎているのは問題だと思います。女性共同参画に金を使うなら、その金で単純にラボの数を増やしてくれ!!

例えば現状の男性教授が8、女性教授が2だとしたら、単純に6個ラボを増やしてください。いや、それだと男性が可哀想なので、ラボを12個くらい増やして、女性を9、男性を3で雇ってください。トータルで22ラボで11人ずつの男女平等完成です笑!!

上のはバカみたいな極論かもしれませんが、男女研究者で対立して意見を割る前に団結してやれることはあると思います。

問題なのは、今の日本の大学や研究界隈には金も枠も余裕がないのに、男女平等のような理想を掲げるからこんな分断を生んでいると考えられます。

大学や省のトップにいるような生まれながらの坊ちゃん嬢ちゃんには分からないかもしれないけど、理想は余裕がある時にしか実現できないんやで。貧すれば鈍するやで。

女性枠を作りたいなら、少なくとも女性枠2、男性枠1をまとめて作るくらいのスペース的、金銭的余裕が大学には必要かと思います。

今こそ研究者も分断ではなく団結すべきだと思います。ただし男女の分断、文系理系の分断もあり、何よりトップが「日本学術会議」とかいう謎の組織なので、全く期待できませんが。。。

だから皆、喧嘩しないで!!

ということで、かなり現実路線ではないかもしれませんが、男性にも女性にもウィンウィンの中途半端な意見を言ってお茶を濁したいと思います。ええ、後半だからはっきり言いますが、ちょっと日和ました笑。だって炎上したくないもん!!

しかも上の論を根拠とするデータは一切ありません(断言)。ええ、感想です。


ここからは販促

筆者が言った社会が少しだけ実現できているのが、海外(筆者は米国しか知りません)だと感じます。ですので、お困りの女性研究者の皆さん、留学はいかがですか?

ただしもちろん理想郷ではありません。

こちらで苦労して、ストラグルしている女性研究者もたくさんいます。

またはっきり言って、研究がうまくいってなく、本人は家庭を築きたかったものの、機を逸してしまった女性研究者もいます。というか筆者はよく愚痴られます笑。

ですが留学は、単身、共働きに関わらず女性研究者にとって、ひとつのより良い道だと思ってます。というか男女問わず、一回くらい留学しないと人生損してますよ!!

詳しくはこちらの記事をどうぞ

そして奨学金が得られれば、留学もしやすいですよ!!下の記事には筆者の考えるティップスが書いてありますので前半の無料部分だけでもご一読ください!!


さて、次回は米国に留学したことがあれば分かるかもしれませんが、日本の育休制度に物申しつつ、筆者が見てきた女性研究者サバイバルのティップスに関して語りたいと思います。

お楽しみにー。

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この記事に出てきたリンクと関連記事まとめ

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