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弱聴の逃亡日記

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東京から故郷の岩手県まで歩いて旅した経験談を少しコミカルに、ときどき真面目に綴ります。
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2018年12月の記事一覧

弱聴の逃亡日記「国道脇のお昼寝と決意」

2017年11月28日 6日目
この日の旅路は今までとは一味違った様相だった。
那須塩原の町を過ぎたあたりから建物は姿を消し、山を分け入って敷かれた道幅の広い道路が続く。

途中、珍しい標識に遭遇した。山の峰の絵が描かれた標識だ。
那須山と山名が示されたその向こうに絵と同じ形をした山々がそびえている。
「おぉ、あれが那須岳かぁ」弱聴は標識の絵と実際の那須岳を見比べながら知った風な声を上げる。
川や

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弱聴の逃亡日記「5日ぶりの手紙」

2017年11月27日 5日目 午前

弱聴が目を覚ますとご老人の井戸端会議の輪の中にいた。
えっ? どゆこと? 弱聴自身もポカン…ある。

深夜2時に宇都宮を出発し、夜通し歩き続け、朝方さくら市に到着した弱聴は、コンビニで朝食をとった後、大きな公園に寝心地の良さそうな東屋を発見し、これ幸いと仮眠をとることにした。

東屋の柱と柱を繋ぎ四角い囲いのように設置されたベンチの一つをお借りして横になった

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