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リーバイスがEコマースサイトを刷新 顧客満足度を高める新サイトの特徴

米国サンフランシスコで1853年設立以来、日本でも、ここスペインでも人気のある米国のジーンズブランド、Levi's(リーバイス)。
Levi's 501などのヴィンテージジーンズも注目されるブランドですね。

Statistaのレポートによれば、パンデミック真っ只中の2020年のLevi'sの売上高は、44.52億米ドルと一時的な落ち込みを見せたものの、2023年の売上高は約61.8億米ドルに達すると言われています。

出典:Net sales of Levi Strauss worldwide from financial year 2010 to 2023(Statista)

170年の時を経てもなお、世界中から愛されるLevi'sは今回、顧客の声により一層耳を傾け自身のECサイトの改革をおこなったようです。



Levi's がEコマースサイトを一新、顧客フレンドリーなサイトへ

Levi Strauss & Co.は、オンライン顧客体験の変革に取り組んでいる。

過去1年間、同社はEコマースサイトの4つの重要な分野、パフォーマンス、検索、ナビゲーション、商品ストーリーテリングの強化に注力してきた。 それぞれの取り組みのハイライトを紹介しよう。

出典:Levi’s overhauls e-commerce site to make it more customer-friendly(CSA)

パフォーマンス

Levi'sは、画像レンダリングモデルを従来のクライアントサイド中心から、サーバーサイドとクライアントサイドのレンダリングを組み合わせたハイブリッドモデルに移行した。同社によると、これによりページのロード時間と検索エンジン最適化ランキングが大幅に改善され、より多くの消費者が同社のEコマースサイトを訪れるようになったという。

同社は、サイトのローディング・コンポーネントも更新し、必要なコンポーネントのみが常にロードされるようにすることで、ローディング・プロセスをさらに最適化している。さらに、サイトの更新とリリースを従来の3週間に1回から週に2回に増やし、パフォーマンス・テストも並行して実施することで、問題を特定し、修正を迅速に実行できるようにした。

Levi'sは、サイトの速度が昨年中に40%以上向上し、アプリの起動時間が50%改善したことを報告している。同社は、サイト体験をさらに向上させる新たな機会を特定していると述べている。

商品検索 

Levi'sはサードパーティーベンダーと提携し、顧客の検索ワードに基づいてより適切な検索結果を表示するよう設計された新しい検索ソリューションを導入した。同社のデータによると、この新しい検索エンジンの導入により、現在までに商品検索率が10%向上しているという。

ナビゲーション

Levi'sは、自社ECサイトのカスタマージャーニーを分析し、消費者から直接フィードバックを得た。そして、これらの洞察をもとに、消費者の期待により合致するよう、ナビゲーション・オプションを再編成した。

例えば、多くの顧客は、まず性別、次にカテゴリー別に商品が分類されることを期待していると回答し、現在、サイトのナビゲーションはそのように機能している。

Levi'sのUXデザイン・ディレクターであるJason Sack氏は、企業ブログの中で、「私たちは、最初から消費者の声に耳を傾け、そこから学ぶことに全力を注いでいました。「消費者は私たちの北極星であり、私たちは常に消費者の期待やニーズに応えようと考えていました。この消費者のこだわりを維持することで、私たちは消費者により簡単なショッピング体験を提供し、私たちのビジネスに有意義な結果をもたらすことができるのです。」と語っている。

Levi'sによると、商品詳細ページに到達するサイト訪問者数は20%増加したという。

商品のストーリーテリング

消費者からのフィードバックによると、Levi'sの買い物客は、ライズ、生地の伸縮性、レッグオープニングという3つの商品の特徴を最も重視していることがわかった。これに対応するため、同社は2024年の早い時期に、これら3つの特徴について商品のハイライトを展開した。

また、Levi'sは、消費者が商品の見た目やフィット感をより理解できるように、頭からつま先まで写した商品画像や動画を使用し、一部の商品にはダイナミックなウォークオンビデオとウォークオフビデオをサイトに追加した。同社によると、どちらもカートへの追加数を増加させている。

Levi'sの米国Eコマース担当副社長であるPriya Buening氏はブログの中で、「私たちは、ファンの皆様に最高のEコマース体験をお届けするために、常に革新と実験を行っています。私たちは、サイトのスピード、検索、ナビゲーション、商品ストーリーテリングの改善において前進したことを誇りに思っています。当社のEコマース・チャネルは、消費者第一主義を掲げる当社の戦略の重要な柱であり、消費者がどこで買い物をしようとも、またすべてのチャネルにおいて消費者の期待を上回るサービスを提供することに全力を注いでいます。」と述べている。

サンフランシスコに本社を置くLevi Strauss社の製品は、チェーン小売店、百貨店、オンラインサイトを組み合わせて、世界110カ国以上で販売されている。また、約3,200のブランド専門店とショップインショップをグローバルに展開している。

Source:
What It Takes to Grow E-Commerce(Levi Strauss & Co./Unzipped Blog)
Levi’s overhauls e-commerce site to make it more customer-friendly(CSA)

おわりに

Levi Strauss社は昨今、「DTC FIRST」と銘打ちDTCチャネルに一層力を入れているようです。

DTC(もしくはD2Cとも言います)とは、Direct To Consumerの略で消費者への直接販売を意味します。
流通業者や仲介業者を挟まずに、企業が購入者と直接販売取引できるため、経費が削減できる上、購入者からの声もすぐにキャッチすることができます。また、そのため顧客データを収集しやすいというメリットもあり、近年、米国を中心にDTCマーケティングが注目を集めています。

自社ECサイトで製品を販売して行く上で、多くの顧客の声を聞き、Levi Strauss社は今回、より顧客フレンドリーなECサイトに刷新しました。

今年6月下旬、Levi Strauss社は2024年度第2四半期の業績を発表しました。
DTCの売上高は報告ベースで8%増、恒常為替レートベースで11%増となり、米国で12%増、欧州で7%増となっています。Eコマースの売上高は、報告ベースおよび恒常為替レートベースで19%増加し、DTCは第2四半期の純収入の47%を占めました。
(Source:Top Takeaways From Our Second Quarter 2024 Earnings(Levi Strauss & Co./Unzipped Blog))


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