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日々の生活は恐いほどに文章に反映される


くたくたになった体を引きずりながら居酒屋を出た。

朝日は出ていない。頭上には曇天が拡がっていた。日暮里の朝は曇天が似合う。逆に雲一つなかったら馬鹿にされているような気さえしてしまう。

明日からの僕には当面予定がないので、ずっと部屋に籠って寝ていようかと思った。

新宿方面へ進む山手線に乗ると、皆がカラオケに行こうと言った。僕はカラオケが得意でない。唄うことも、盛り上がることも、盛り上げることも、不向きだから極力行きたくないのだ。

「僕は遠慮しておきます。今日は昭和記念公園にネモフィラを見に行かなければいけないので帰ります」

と言って、失礼した。皆はノリの悪い男だと、心底僕に失望したと思うけれど、しょうがない。今日ネモフィラを見逃してしまえば、開花時期が過ぎてしまう。野原一面に咲くネモフィラを見ることができるのは来年になってしまう。

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900字
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