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人間 vs. 人工知能(AI)

2023年2月21日。米国人棋士ケリン・ペルリンが、囲碁AIと対局して勝利した。まさに人間代表 vs. 人工知能代表の頂上決戦。

人間と人工知能(AI)がなぜ囲碁で競うのか。それは囲碁がボードゲームのなかでもっとも複雑なゲームだからだ。

2016年、当時世界トップクラスの棋士だったイ・セドルはAIに敗北している。イ・セドルはその3年後に引退。「勝てない存在がある」とコメントし、引退の理由がAIの台頭であることを明かした。

ケリン・ペルリンが勝利のためにもちいた作戦とはこのようなものだ。ケリン・ペルリンは相手の石を囲みつつ、自分の石で大きな輪っかのかたちをつくった。そしてもっとも重要な戦略、それは盤面の隅で無意味な手を指すこと。AIはまんまと惑わされた。AIは囲いがほとんど完成しても気づかなかったという(囲碁とは相手の石を囲んでできるだけ大きな陣地を確保するゲームである)。ケリン・ペルリンは言い放った。「人間なら簡単に見破ることができるはずだ」

似たような事例が日本の将棋界でも起こった。2月10日の話だ。

将棋の、王将戦第4局で、羽生九段が藤井五冠を負かした。藤井五冠といえば、AIを活用して将棋を指すことで有名だ。AIはつねに最善手を示す。

今回の対局での羽生九段の勝因はそれを逆手にとったものだった。AIが絶対に指さないであろう手順で将棋を進めていって対戦相手(藤井五冠)を撹乱した。


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