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刊行前は、まるで体育祭⁉ 本づくり以外の出版社のしごと ~絵本のプロモーションの裏側、お見せします~

5月10日、絵本『パンダのおさじとフライパンダ』が発売となりました。ちいさなパンダの「おさじくん」が謎のパンダ道具を通して、たのしい事件とハッピーをもたらすおはなしです。

フライパンからでてきたのが、おさじくんです。
今回はフライパンダというアイテムと、パンダ料理がでてきます。

この本のラフを私(編集・富山)がいただいたのは今から約1年前。初めて読んだ時から「こ、これはおもしろいぞ…!!」とワクワクを通り越してゾクゾクしたのを思い出します。

この本の作者は柴田ケイコさん。こどもたちから大・大・大人気の「パンどろぼう」シリーズ(KADOKAWA)の作者でもあります。
あわよくば、パンどろぼう先生に少しでも近づきたい!
でも、なにをしたらよいか分からず右往左往していたところ、「一緒にやったるで」といろいろな社員が力を貸してくれました。小さなチームになってわちゃわちゃと、絵本を届けるには何をしたらよいのか話し合って、準備して、様々な施策に挑戦しました。

この記事では、この絵本を読者に届けるために私たちがどんなことをしたかをご紹介したいと思います!

普段はなかなか見られない、出版社の「絵本のプロモーション」の裏側をお楽しみいただければ嬉しいです!
 

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拡材を制する者は売り上げを制する

書店店頭で「POP」や「販売台」を目にした方も多いと思いますが、ポプラ社では書店さんにお渡しする販促のためのアイテムをまとめて「拡材」と読んでいます。その出来栄えによって、店頭のいい場所に置いてもらえるか、お店に来たお客さんに手に取ってもらえるかを左右する、とても大事なアイテムなのです!
『パンダのおさじ』で生み出された拡材の数はなんと16種類!
考えてくれたのは営業の熊坂という社員なのですが、中でも私が「天才かっ!!」と心の中で叫んだ、熊坂さんのアイディアが光る『パンダのおさじ』拡材ベスト3をご紹介します。


第3位 ちいさな旗

食べ物が出てくる絵本ということで、どんな料理もたちまち特別な一皿に変えちゃう、旗を作成しました。しかも、どなたでも無料でダウンロードしてお使いいただけます。キュート!!

無料ダウンロードして印刷OKです! よろしければお使いください~🐼


第2位 リアルフライパンダ

100円ショップで売っていたおままごと用のフライパンに、パネルで蓋を付けたアイディア拡材。しかも絵本を再現するため、割り箸も搭載。

第1位 くるくる販売台

絵本の中でパンダのおさじくんが踊る場面があるのですが、販売台でもくるくるおさじが踊ります。こんなの見たことない!

この部分が回る!

どれもアイディアが面白すぎませんか? これらの拡材たちは、たくさんの書店さんの店頭を賑やかにしてくれています。
お近くの書店さんでも置かれているかもしれません。見かけましたらぜひくるくる回してみてください!

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見た人が面白がってくれるプロモーションを!

拡材の制作と同時に進めていたのが、4月30日に行われたイベントの開催です。作者の柴田ケイコさんによる読み聞かせと、大人気ユニット・ワースレスさんのミニライブを盛り込んだ内容でしたが、その時に合わせて、この本のテーマソングおさじくんのマリオネットまで作っちゃいました‼ 
さらに、さらに、この本にはプロモーションビデオまであるのです!

▼プロモーションビデオ:おさじくんが躍った!

▼イベントアーカイブ:おさじくんも、こどもたちも踊った!

これだけのプロモーション施策を、なんと一軒の絵本専門店さんがすべて生み出してくれました。そのお店の名はニジノ絵本屋さん。
東京・都立大駅にお店を構える絵本専門店さんなのですが、スタッフの皆さんが多才すぎて、最近では書店だけにとどまらず、読み聞かせユニットのマネジメント・動画制作・イベント企画など、絵本にまつわるすべてをボーダレスに手掛けていらっしゃるすごい絵本屋さんなのです!

プロモやイベント映像はSNSで告知していけますし、各地で行われる読み聞かせイベントでマリオネットが大活躍することで、たくさんのこどもたちに絵本をアピールすることが出来ます。宣伝部のエライ人からこの施策を聞いた時、「こんなに作って大丈夫!?」と実は不安になった私ですが、すべてが全部意味のある、ターゲットを見据えての施策だったのです!

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いろんな人の力で挑むチーム戦

ここでは書ききれなかったのですが、このほかにもおさじくんのぬいぐるみであったり、他社さんとのコラボSNSキャンペーンであったり、原画展パネル展であったりと、いろいろな施策を仕込ませていただきました。

偉そうに記事を書いている私ですが、自分一人ではもちろんこんなことできません! いろんな人のアイディアや能力をフルにお借りして、いろいろなことを実現することができました。すべては最大数の読者に届けるため。チームでやると、こんなにもいろいろなことができるのだなと、中学体育祭以来の感動を覚えました。だからこそ、出版社の仕事はおもしろい!と思っています。

柴田ケイコさん(肩におさじが載っている方)と、ニジノ絵本屋さん、ワースレスさん、ポプラ社おさじチーム

まだまだ、パンダのおさじくんを届けるための挑戦は続きます。
次はどんな姿でおさじくんがみなさんの前に現れるか、おたのしみに!🐼

『パンダのおさじとフライパンダ』の情報はこちら↓