浦本立樹

学生。雑記帳として使います。 試作、習作の置き場としても使います。勉強中。 ブクログ…

浦本立樹

学生。雑記帳として使います。 試作、習作の置き場としても使います。勉強中。 ブクログ→ https://booklog.jp/users/tatsuki00 ツイッター→https://twitter.com/taz_ura

最近の記事

【詩集】俗なる生活

「罪深き」 私は罰を欲する 清らかな手による熱い罰が いまもっともほしいもの 私の罪と恥とは充分に見つめてくれたはず こんな私をどうか 許さないでほしい 「人間とは何か」 人間とは何か ただ欲望するもの これまでを見てきたきみには 理解に難くないはずだ 僕がきみと出会ったのも 欲望の合致なのか みんな病いからの回復を欲望するが どうも達成は見込まれない ここにある全てがひとつの”今日”だとしたら どうしようか 人間とは何か 欲望を欲望されたもの 「冷たい幸福」 この

    • 【詩集】サンデー・ピープル

      「Dog」 おれは犬である 家でじとーっとしては 黄色くなった壁紙を眺めている 夢を見る 蝶々がおれに話しかける 人間になりたいか、と 否。と答える おれは人間の苦悩を見過ぎたのだ 「神経症」 このところのおれは 沼に棲む生き物になっている 頭が常にうるさい感じなんだ 君はおれに話しかけてくれた それでなんとか笑顔になれた この亡霊がいなくなってくれたら 君と一緒に行けるのにな 「四月三十日」 四月のにわか雨はプールの消毒剤の匂いがする そば屋でかかっている変な音楽

      • 【詩集】空間の隅から

        「打ち捨てられた人」 殴られて蹴られた人が種子になる 野に打ち捨てられた人 四月の雨が彼らを祝福する かつて叫んだ声が 風に乗って虹と合流する 天使はなにごとも言わず ただ微笑むばかり 電柱や樹木に染み込んだ私の声は 「ああ」とだけ言って 宇宙に還る 打ち捨てられた人は目を開く 忙しい街の音が聞こえる 「居酒屋」  途端に音が遠くなる さっきまでいた世界から僕がいなくなる どいつもこいつも楽しそうだ 僕はそっと木の棒を握る ドアが開く 誰もいない 生きていたくはないが、

        • 石原吉郎に学ぶ”敗者”の思想

          フランクル『夜と霧』は、巨大な力に抑圧された者の再生と人生の再発見を克明に描いて世界を感動させた。 詩人、石原吉郎はそんな『夜と霧』に影響を受けた人の1人だった。だが彼のそれへの熱意は一般人とは一線を画していただろう。彼は実際にシベリア抑留の地獄を経験して日本に生還した者だったのだから。 今度は彼がシベリア抑留を経てたどり着いた「敗者の思想」に注目していきたい。 この「敗者の思想」は、ある人にとっては生きる指針ともなるだろう。 自殺すらもできなかった者の生 石原吉郎は戦

        【詩集】俗なる生活

          ジェフ・バックリィの本棚

          アシッド・フォークの天才であったティム・バックリィの一人息子であるジェフ・バックリィ。 父親のティムやエリオット・スミス、ニック・ドレイク、カート・コバーンらと同じくして夭折してしまったジェフ。 ジェフはその容貌や美声、音楽的才能や詩など、素晴らしい魅力に溢れた人間だったが、その詩の源泉には大量の読書があったらしい。 調べてみると、ジェフの大量の蔵書のリスト(英語)があった。 そこには、哲学・思想書から小説、詩、伝記、評論、エッセイまで多様な本がある。日本語での紹介はまださ

          ジェフ・バックリィの本棚

          「死」を堪能できるスピッツの曲5選(個人的まとめ)

          ポップ、かわいい、癒し系、女性人気… 日本のバンド、スピッツの一般的なイメージは、だいたいこんなものだろうか? 確かにスピッツはかわいい。ヴォーカルの草野マサムネの声や歌詞、バンド全体のヴィジュアルやMVもかわいさ満点だと思う。 だが、スピッツがその楽曲のテーマとしてきたものは、性や死、宇宙である。フロントマンの草野マサムネは、詞を書く時の名義は「草野正宗」と本名をクレジットしている。大衆の前で歌う草野と歌詞をつくる草野は区別されているようだ。 スピッツの楽曲には「死」がテ

          「死」を堪能できるスピッツの曲5選(個人的まとめ)

          夏の青い日

          夏の蒸し暑さにやられて、6時前に起きる。 祖母は墓参りに行っているようだ。 西瓜は嫌いだ。もう子供じゃないから、アイスクリームも食べようと思わない。 黄色い花に見つめられながら、熱した石の道をサンダルでふらふらと行く。 これが日常だったはずなのだ。 いつからか… 濡れるのは好きじゃないのだが、いつのまにか市営プールの前にいた。 青い水の底に沈む。 昔は水も空気も空も全てが青かった。 今はどうだろう? ぼーっとしているのが正しかったはずだ。 スーツを着たおじさんたち。あなた

          夏の青い日

          日本映画を愛好する海外の音楽家たち(個人的まとめ10選)

          外国人に大人気の日本文化。日本庭園に日本文学、ラーメンに空手…と数多列挙できるのだが、今回は「日本映画」に焦点を当ててみようと思う。 日本映画の影響力は海外では絶大である。ウディ・アレンは「ハリウッドでは全ての監督は例外なく黒澤明を敬愛している」と語っているし、小津安二郎、今村昌平、宮崎駿、大友克洋、押井守、是枝裕和…とたくさんの映画クリエイターが海外で尊敬の念を集めている。 それで今回は日本映画を愛好する海外ミュージシャンたちを調べた。日本映画ファンは数多くいるが、自分が

          日本映画を愛好する海外の音楽家たち(個人的まとめ10選)

          三島由紀夫の本を愛好する海外の音楽家たち

          三島由紀夫は世界的に人気のある作家であると言われています。そこで今回は音楽家に焦点を絞って、海外のミシマ・ファンについてまとめました。 1.デヴィッド・ボウイ 世界的なロックスター、デヴィッド・ボウイ(デイヴィッド・ボウイ)は大の読書家でもあり、彼の作品へのインスピレーションの源には読書があるというほど。 そんなボウイの愛読書リストには、三島由紀夫の本も含まれている。ボウイのお気に入りは、『午後の曳航』や『豊饒の海』の第一巻の『春の雪』だという。 このようにボウイは三島

          三島由紀夫の本を愛好する海外の音楽家たち