ぽんず

身長160㎝。俳優、脚本家、演出家、MC、一人芝居、演技講師。OVERTONE所属。脚…

ぽんず

身長160㎝。俳優、脚本家、演出家、MC、一人芝居、演技講師。OVERTONE所属。脚本と演出、演技講師は本名の大西貴志名義で活動。noteでは主に芝居の準備方法についての記事を書いていきます。

最近の記事

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演技の良し悪しは準備で決まる。イントロダクション的、自己紹介。

初めまして。大西貴志と申します。 このページを見て頂き、ありがとうございます。 僕は、アカウント名でもある「ぽんず」と言う芸名で俳優をやったり、本名の大西貴志名義で脚本を書いたり、演出をしたりしています。 今から6年ほど前、どういう巡り合わせか、専門学校で演技講師の仕事をさせて頂くことになり、今現在「台本の読み方講座」「演技プランの作り方」という授業を担当しています。 また、芸能プロダクションでレッスンの講師をする機会も頂き、今まで延べ400人程度の学生、俳優の方に向けて、授

    • 役として存在するために

      俳優が、シーンで役を演じる時に、観客に伝えなければならないこと。 ”その時、その役にどんな考えが湧き起こっているか” これを表現するために、そして俳優自身に与えられた役割を全うするために 台本を読み解き、演技プランを作るという準備作業をします。 演技プランを作るための方法論はコチラをご覧ください。 演技プランを作る作業は、粘土を捏ねる作業に似ています。 脚本から、役作りに必要な情報という粘土を取り出して、こねてこねて、そのシーンに相応しい形を作っていく。 その形作りが演技

      • 登場人物の時間を埋める

        今回は、実際に僕が授業でも使用しているテキストを用いて、演技プランを作るための9項目の【役の時間を理解する】の具体的な作業内容について解説していきます。 演技プランを作るための9項目については、コチラの記事を参照してください。 この記事で紹介する準備作業は【登場人物の時間を埋める】という作業です。 組成構造は、登場人物のそれぞれの情報が連動して結びついていくものですが、この作業をすることで、登場人物の状況、状態、相手役との関係性、欲求(目的)、思考、感情の情報をより明確に

        • 芝居はアクションではなく、リアクションで捉える

          前回の記事で、どうすれば効果的に役の思考と感情を観客に伝えることが出来るのか、そのために何をすればいいのか、と言う思考術と方法論について書きました。 作った演技プラン(役作り)が観客に伝わる表現をするためには、役の行動に根拠をつける作業が効果的である。その根拠づけには順番があって、その順番がとても重要であるということ。 その記事はコチラから この記事では、客観的感情表現(役の行動に根拠をつける作業のこと)を用いて、役の行動、つまり自分の演技に根拠をつける際に必要なポイントに

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        演技の良し悪しは準備で決まる。イントロダクション的、自己紹介。

          役の行動に根拠をつける

          前回の記事で、台本を読み、演技プランを作る(役作りをする)際に、組成構造を作ることで役作りの作業がスムーズにできるようになる、という事と、組成構造から演技プランを作る際のポイントについて解説しました。 演技プランを作る際のポイントと組成構造の作り方については、コチラをご覧ください。 組成構造をしっかり作る事で ・シーンで役がどのように描かれているか ・どんな芝居が求められているのか(役割) ・シーンの最初の役の状態はどうなのか ・役の思考と感情がどんなもので、どう変化して

          役の行動に根拠をつける

          脚本の意図にコミットした効果的な演技プランを作る時のポイント

          誰だっていい芝居がしたい。失敗したくない。自分が作った演技プランが間違っていたら嫌だ。脚本の意図、演出のイメージにコミットした芝居をしたい。と言う気持ちを持つのは当然。 だって失敗したくないもん。 でも、最初のうちは失敗いっぱいした方がいいよ。とも思っています。失敗から学べることの方が多いと考えているからです。 さて今回は、台本から収集した役の情報を使って、演技プランを作る時のポイントについて解説していきます。 以前書いた演技プランを作るための9項目を前提に書いていきま

          脚本の意図にコミットした効果的な演技プランを作る時のポイント

          「何やっても〇〇さんだよね」から脱却するための思考術。芝居における「自分の癖」との向き合い方。

          日々、授業やレッスンをしていると、その人特有の癖を目撃することが多くあります。例えば… ・目線の使い方 ・セリフのリズム ・間の使い方 ・体の動きが説明的 ・受け方、聞き方。など それらが役の思考や感情を表現するのに効果的なものであれば問題はないのですが、全ての芝居(つまりどんな役を演じても)に自分の癖が出ていると、少し厄介です。この記事を読んでくださっているアナタが俳優であれば、一度は聞いたことのあるであろう「何をやっても〇〇さんだよね」状態になってしまう可能性があります。

          「何やっても〇〇さんだよね」から脱却するための思考術。芝居における「自分の癖」との向き合い方。

          【掌編小説】過去への手紙

          過去への手紙 作・大西貴志 「明日から期末テストだ。今日は早く帰ってしっかり復習するように」 担任の藤沢は、そう言い残して放課後のチャイムとともに足早に教室を後にした。 高校生活最後の期末テスト。最後くらい頑張んなきゃな。と、森下加奈子は教室の前に貼り出されたテストの時間割を確認した。 げろ。一限目から苦手な数学かよ。げろげろ。 「かーなーこー」 最前列の席からここがオペラの劇場かと勘違いしてしまうほどの声量で、篠原美香がこちらに向かって走ってくる。ドタドタと美

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          芝居が上手く出来ないと思っている人の9割がここでつまづいている。

          「台本読んだんですけど、上手くできなくて…」 「思ったように出来なかったんですけど、どうすればいいですか?」 「台詞覚えてたんですけど、頭が真っ白になっちゃって…」 「やろうと思ってた事はあるんです。けど…」 よく耳にする言葉です。主に授業終わりに。 こう言う類の質問というか、相談に対して僕が言ってあげられる事って意外に少ないんです。もちろん、この言葉をかけてくれる子が抱えている課題は何かとか、個別に次のステップに進むために必要なアドバイスはするんですが、9割以上の

          芝居が上手く出来ないと思っている人の9割がここでつまづいている。

          台本の読み解き方、演技プランを作るための9項目

          前回の記事で、僕の演劇思考術の前提と、俳優が芝居を通じて伝えなければならないことは“その時、その役にどんな考えが湧き起こっているか”であり、それを体現するための準備とは“脚本の意図を読み取り、自分で役作り、構成、選択をする”という作業である。という事を書きました。この記事では、その準備作業の具体的な内容について記述していきます。 1、演技プランを作るための9項目俳優が、台本を貰って現場に行くまでにやらなければならない準備作業は“脚本の意図を読み取り、自分で役作り、構成、選択

          台本の読み解き方、演技プランを作るための9項目

          「芝居の準備方法」を学ぶ。俳優の仕事とは何か?

          俳優目線の台本の読み方、そして演技プランを作るための準備作業の具体的な内容をお伝えする前に、まずは、俳優という仕事とは何か? という大前提を共有しておきたいと思います。自分の仕事は何か、という事をきちんと言語化しておかないと次のステップに進みようがないし、俳優という仕事の定義を共有しておいた方が、台本の読み方や準備の方法論、思考術に対する解像度が上がると考えているからです。ここで書く俳優という仕事の定義は、あくまで僕がそう信じているものなので、何か違うな、しっくりこないなと感

          「芝居の準備方法」を学ぶ。俳優の仕事とは何か?