休職教師、復職したら生徒と関わるなと言われた。
私が現在勤務している学校は、少し特殊な高校で、生徒の9割は小中学校で不登校経験者だったり、何か問題を抱えていたりする学校です。
私は転勤した時に1年生の担任として勤めていました。
なんとか高校からやり直したい、学校にいきたい。
そんな思いを抱えている子達のために、私は毎日くだらない話も含め、いっぱい生徒と話をしてきました。
ですが、学校の方針は全日制の高校と変わりのない教育を、コミュニケーションを必要とする授業をガンガン行う。算数ができない子や心の病気などで環境にうまく馴染めない子達が多い中で、です。
当然子ども達はドンドンしんどくなって来てしまいます。
そんな子達を守るため、必死で管理職やそれを進める教師に抗いました。
そうなると私は目の上のたんこぶ。
出る杭はとことん打たれるという典型的なことを味わいました。
眠れなくなり、うつ病となり、学校を休むことになってしまいました。
復職まで1年半ほどかかり、ようやくこの春に復職をすることができました。
復職はすごく勇気のいる一歩でした。
私は公立の教師には向いていないとずっと感じていましたし、辞めることも考えました。
それでもこれまで教えてきた子達が支えてくれ、もう一度教師として歩んでいく道に戻ることができました。
今の自分は過去の自分が築き上げてきたものです。
教育の難しさをずっと考え迷いながらも必死にやってきたことが、今の私を救ってくれました。
復職する時に管理職に言われました。
『生徒と関わらないで欲しい』
耳を疑いました。
教師が生徒と関わらないで何をするのでしょうか。
聞くと、『あなたの言うことしか聞かない生徒が出てしまうので、担任が困るから』と言う理由でした。
そんな簡単に子ども達の心を支配できるほど教育って甘くないです。
言い返しはしませんでした。
復帰をしてから担任をしていた学年の子達とは、これでもかと言うほど関わりを持たさないようにいろんなことが進んでいます。
私は別にすごい教師でもなんでもありませんが、仮に私の言うことなら聞くと言うのならばうまく利用すればいいのに。
復職をしても偏見で見られているのだなと思いましたが、まずは復職を成功させることが大切だと割り切りました。
けれど、生徒たちは私を見つけると駆けつけてくれます。わざわざ名前を呼んで大きな声で挨拶をしてくれます。話がしたいからと職員室に来て私を呼んでくれます。私が顧問というだけでかなりの生徒が部活に入部して来ました。
自慢したいと言うことではなくて、子ども達は敏感ですから、遠ざけると余計に近寄ろうとしてしまうものです。
ただ、話をすると言うだけ。私が一貫してきたことはそれだけです。
子ども達はそれだけで喜んでくれます。これまでそう言ったことをしたくてもできなかった子達ですから。
そんな不登校だった子達がほとんど辞めることなく卒業に向けて頑張っています。
私が帰ってくるのをずっと待ってた、だから辞めずに頑張ってきたと言ってくれました。
本当に教師になって良かったと思わせてくれました。
先生はいてくれるだけでいいよ、生徒たちはとてつもなくハードルを下げてくれます。
今はなんとかこの子達の卒業を陰ながらでも見送りたいと言うのを目標に、とりあえず1ヶ月やり抜くことができました。
教師がうつ病になる確率は一般企業に勤める人よりもかなり高いらしいです。今も苦しんでおられる方、休まれている方はかなりの数がいます。
そんな方に少しでも役に立てたらと言う思いを持って文章を書いてみました。
私は順風満帆な復職ではありませんでした。
でも、やはり救ってくれたのは生徒達の存在です。
いつか自分にまた余裕が出てきたら、休職をした先生やそこまで追い詰められている先生を繋いで支え合えるようなことをやってみたいと言う思いも生まれています。
教師にしがみつかなくてもいいと思います。
でも、私たちはやっぱり生徒がいるからこそ教師でいられる、それだけなんだと思います。
休職期間中、生徒に会いたくてたまりませんでした。休むと卒業式にも参加させてもらえませんでした。
今、毎日生徒がいる環境がすごくありがたいです。
でもやっぱり仕事はハードですね、教師でいることはめちゃくちゃ大変です。
あと、学んだことは、負けるが勝ちです。大事な思いは持ったまま相手に勝たせてあげましょう。本当の意味で負けてはいません。
伝わらない人に伝えることは、日本人が外国語で話をするのと同じです。伝わりません。
思いつくままに書いてきましたが、何かお役に立てることがありましたらぜひ繋がらせてください。
何かの参考になれば幸いです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?