【短編小説】鍍金の豚
今もそうなのだが、一番好きな動物が「豚」だ。世の女性たちに「君って豚みたいだね」と言ったら大半は烈火の如く怒り狂うと思うが、かつての私はそう言われると嬉しかった。愛想のいい顔にふくふくとした体。くるんとまるまった尻尾もかわいい。だから小学校に入学したときに私のことを「ぶた」と言ってからかってきた男子が、先生に怒られているのを私は不思議な気持ちで眺めていた。自分の顔は好きだ。私は母親似らしく、父親は眉毛がすごく濃い人だったので「お母さんに似てよかったね」と言われた。私は自分の