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遠距離介護日記

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唐突にはじまった父の介護の日々の記録
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遠距離介護~思い込んだら試練の道を

遠距離介護~思い込んだら試練の道を

実家で弟と暮らす父に異変が起きました。

朝の4時にスーパーに行く気満々で外出して転んで負傷した父は、さすがに凹んでいた。時間の感覚がおかしいという事実にも認識が追い付いたようで、「なんでこんな状態になってしまったのか。」と繰り返し問う。
気持ちは大変よくわかるんだが、
「それは、わたしが訊きたいよ?」

わたしが新型コロナウイルスに感染してしまったため、弟は仕事を休んだり時短にしてもらったりして

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遠距離介護は突然に

遠距離介護は突然に

実家で弟と暮らしている父に異変が起こりました。

翌週再度通院の付き添い。内科で心電図再検査して、やはり不整脈が要治療と診断される。精神科も受診して精神安定剤、睡眠剤を処方してもらった。
「年齢も年齢だから少しは認知に問題もあるだろうけど、基本は体調不良による一時的なせん妄ということかな。そうだといいな・・・。」
という気持ちで自宅に戻った。
この間、父はかなり不安が強かったようで、連日夜中に弟を

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遠距離介護がはじまる

遠距離介護がはじまる

それは朝の一本の電話からはじまった。

『大五郎がメシ食わんのや。』

関西に住む実家の父の心配そうな声。
一見なんの変哲も無さそうな一文だ。
が、この"大五郎"は関東在住のうちの息子であり、この電話がかかってくる10分ほど前に、まさに関東のこの自宅からバイトに出掛けたばかり。

心配げな声はまだ続く。
『冷奴出してやっても、バナナもヨーグルトも食べへんのや。』

混乱しつつ必死で落ち着いた声を作

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