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雑記

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2023年11月の記事一覧

読経に宿る美

読経は聞いていて退屈なものだと長らく思っていたが、最近はそれを大変美しい「祈りの音楽」だと確信するようになった。

きっかけは高野山の金剛峯寺での出来事。境内を散策していると微かに読経が聞こえ、近寄って傾聴したところ、一定の音程に絶えず滑り続ける言葉の響きに酔ってしまった。その上、澄んだ空と逞しく生い茂る木々にも囲まれ、やがて悠久への地平線を見るに至った。

これは見方次第で宗教的体験なのかもしれ

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関西は親切な人が多い?

私の生活圏は関東なので、大阪・京都に行くと色々と文化や人々の行動様式の違いに驚く。

中でも一番思うのが、親切な人が多いということ。今回のわずか一週間の旅でも、思い出せるだけで下記のようなエピソードがあった。

親切かどうか怪しいことはあれど、どれも些細なことながら大変嬉しかった。概して人と人との距離感が近いので、見知らぬ人とでもコミュニケーションをよく取るし、それゆえに相手のことを考えるという習

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京都での愉快な思い出

先週から紅葉狩りとオペレッタ鑑賞のために京都にきている。京都は昨年5月から定期的に訪れているが、毎度新たな発見があり本当に楽しい。京都特有の、真冬の突き刺すような寒さを予感させる気候ではあるが、11月中旬現在は比較的過ごしやすい。
さて、まだ旅の最中ではあるが、今回はその中でも特に印象に残っていることを綴っていきたい。

京都市内にある有名な作庭家の旧居があるのだが、観光用に一般公開されており、そ

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大きなショックを受けた話

昨晩は銀座のバーで飲んだ。しかもそのバーは銀座の中でも社会のヒエラルキー的に上層の人たちが集まるお店らしい。

どうして私のようなしがない会社員がそこで飲んだかというと、私のパートナーが、勤務先のコンサル会社の社長(以下「社長」)と仲がよく、飲むことになり私も混ぜてもらった、という経緯である。

私は社長に薦められるままひたすらウイスキーを飲んだが、どれも絶品でこれまでのウイスキーの常識が刷新され

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眠れない

今は深夜1時。久々に全く眠れない夜を過ごしている。色々考え事をしてしまって眠れないのだ。これから自分がなすべきこと、いま身の回りで慌ただしく起きていること、いま苦境に立っている人たちこと、いま世界で起きていること、いろいろ考えてしまう。ない脳みそに鞭打って、答えの出ないことを延々と考えてしまう。

時には自分を消して、いろいろな人に立場に立ってみる。すると稀に自分の想像できる範囲外のものまで見通せ

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音楽家の分類

哲学者バーリンの著書に『ハリネズミと狐』というものがある。文学者や哲学者などをハリネズミと狐の二つに分類し、ざっくりと言えば前者は世界の普遍を追求する者、後者を世界を構成する事物の多様性をありのままに描く者としている。

▼バーリンが挙げている例▼
・ハリネズミ→ダンテ、プラトン、パスカル、ヘーゲル、ドストエフスキー、ニーチェ等
・狐→ゲーテ、バルザック、アリストテレス等

ドストエフスキーはちょ

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