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映画 感想

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映画『パラサイト』と愛

昨日、映画『パラサイト』を観ていて「愛こそ格差や差別を乗り越える手段である」ということを直感した。

この物語は超大雑把に言うと、貧乏家族4人が貧民とバレないように4人家族の富豪の召使いとなることに成功するというお話。

貧乏家族は絶えず身元がバレないように振る舞うため、ストーリーは絶えず緊張感を帯びている。そしてついに、富豪家族4人のうち3人は徐々に彼らから漂う貧乏人独特の臭いを感知してしまう。

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小津安二郎の不思議な力

小津安二郎の不思議な力

何だろう、小津安二郎の映画を鑑賞した後ず〜っと数々のシーンが頭から離れない。紀子3部作を観終えた今、折に触れて数々のシーンが何度も繰り返し思い出される。こんな映画は今までにない。

まるで恋人との思い出の如く、甘く強く胸に刻まれ、また寄せては返す波のように、絶えず離れていっては迫ってくる。

『晩春』で男女が湘南の海岸を自転車で駆けるシーンは、僕の胸の内を明かしているようだ。

小津安二郎『麦秋』感想

小津安二郎『麦秋』感想

小津安二郎『麦秋』

はぁ、、素晴らしい。

実り熟した麦が刈り取られてゆくように、育て上げた子どもが成長し、親元を離れてゆく。この家庭の離散というテーマは、同級生との関係、子どもの失踪、空に飛んでゆく風船などなど、形を変えて変奏される。
終盤、家族が集合写真を撮るシーンは喜びに満ちていながらも、どこか切なさが滲む。この集合写真を見るたびに心揺さぶられる。