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ジラウド幻の6弦・J-BASS6を考える。ポングの息抜きトーク(9)

【6弦が欲しい!って何度言った事か】


「ジラウドの6弦があれば・・・」とま~、何度思ったか分からないし、何度聞いたかも分からない。

もう22~23年前?自分が通い出した頃から構想自体はあったみたいだし、晩年には実際に設計図まで出来ていたり、本当に後一歩というところだったのかもしれない。


実現に至らなかった大きな理由。

「福田さんが6弦に興味が無い」

の一言で終わってしまうところでもあるんだけど、設計図まで作っていたのだから、そうとばかり言うのも違う気はする。


大きな壁になっていたのは、

【PUの開発】

そこに途方もないエネルギーが必要になってしまうのが、非常に厳しかったんじゃないかと想像。

設計図を見た限りの構想では、見た目ハムバッカーで中身はPBのようにスプリット構造で2PU仕様、要するにPPでの製造を考えていた様子。

ジラウド的にはなかなか見ない構成だけど、一応、フーリエPPなどの実例もある。アクティブバランサーを利用すれば、インピーダンスの問題も解決できる計算だったはず。


ただ、それでもし完成したとしても、どこまで気に入る楽器になっただろうか、正直、疑問になるところではある。

PPとは言っても、恐らく元になるのはJJ2連のPBタイプ。ややこしい言い方だが、3弦ジャズベのPUを合計で4つ使うみたいな、そんな感じ?

「だったら最初から6弦用でJJ作ればいいんじゃ…..」と思ってしまいそうだが、5弦用を製造する時でも相当な苦労があった事を聞いていたので、そのままJJで行くのは何か抵抗があったのかもしれない。

6弦用でスーパーワイドレンジな特性でパンチもエッジもある物を作る・・・なかなかイメージが湧かないと言えば確かにそう。

ローBからハイCまでキレ良くぶっとく完璧なバランスで鳴ってくれるシングルコイル・・・無い物ねだりと言うか、もはや難癖と言うか。


で、そのPUがあったところで、そもそもの部分が気になってしまう。

【どう考えても弾きやすくない】

ジラウド基準のナット幅、ネックの厚み、ディープジョイント、相当な困難が容易に想像付く。

ハイポジションの演奏性を考慮して、高音弦側のカッタウェイを深く設計してるとは聞いたし、当然、何も考えずにただそのままデカく作るなんて事は無かっただろう。

しかし、だからと言って6弦に求めたい演奏性になっていたのだろうか、どこまで扱える楽器になっていたのだろうか、不安になる点は多い。

途方もなくゴツいネックになっていたら、さすがに慣れや努力の問題では済まされない事になっていた気がする。


とは言えやっぱり、それがあったら真っ先に飛び付き、今でも使ってただろうな~って思ってしまう。

「60万用意しました!PUが無くてもまずは本体だけでも良いです!」なんて実際に言った事もあったし、ひとまずバルトリーニでも何でもいいからとにかくジラウドの6弦が欲しかったし実現したかった、

「もうこうなったらPUなんか何でもいいです!」ってのも無礼千万、失礼にも程がある提案だったのも間違いない。

でもほんと、そうなるぐらいずっと「ジラウドの6弦が欲しい!」って言い続けてきたからねぇ。

10年どころじゃなく待って、ついに設計図まで出来てきたとか、冷静さを失うのも無理なかったよね。

失礼な話だと思う一方、オリジナルPUが登場する以前はジラウドもバルトリーニの9Sとかを使ってたわけで、「まず何としても本体を完成させたい!」って発想と気持ち自体は、そこまでおかしなものではないはず。


そして、良くも悪くもこうして冷静になっちゃった今現在。あの時のJ-BASS6そのものが欲しいかと言われると、たぶんかなり違う。

もっと弾きやすい楽器が欲しいし、24~26フレットあっても面白いと思うし、そんなにスラップサウンドにもこだわらないだろうし、これぞジラウド!ってんじゃなく、自分が一番欲しい自分の為の楽器を求めたくなるかなと。

それが別記事で話した、

【フェンダー+ジラウド+フォデラ】

このよく分からない妄想楽器かなって。

いや作りようがないでしょ!どうまとめんねん!っちゅー話だけど、だからこそ、そういう6弦があったら間違いなく欲しいよね。

誰も欲しくなくても俺が一番納得できるぜこれって感じで。


いや~、J-BASS6。

どんなベースだったんだろうね~?

「くそ….さすがに弾きづらいわ….!」」なんてブツクサ言いながら愛用してたのか、心折れて今のブラッククラウドに戻ってたのか、次の6弦を構想してたのか、それとも4弦に悟りを開いてたか、色々想像できて面白い、

どうやっても誕生しないのが残念だけど、それでも世の中悪い事ばかりじゃないよ、まだまだ楽しい事あるよって、実感と希望を持って生きたいね。

ジラウドあっての自分のベース人生。

でも、それだけで満足するほど謙虚で素直じゃないみたいだねこりゃ。

悟りとも明鏡止水とも程遠く、さらに欲深になりたいかな~。


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