noteを始めるにあたって、お気に入りの本を読み直した
映画やドラマ、音楽、本。気に入ったものは何回もリピートする。
本書は、”言葉のプロ”であるアナウンサーとなって20年超のベテラン、藤井貴彦さん初の著書。私はこの方が紡ぐ言葉が本当に好きだ。
今から2年前、日本テレビの報道番組「news every.」での藤井キャスターのコメントに心が震えたの今でも覚えている。
コロナ禍で外出が制限されていた時期。
どのチャンネルでも毎日「今日の感染者数」が報道され、自宅でその数字を見ながら外に出ることに怯えていた。
緊急事態宣言が発令された時、テレビでは「人の少ない渋谷のスクランブル交差点」を映し出した。
今思うと異様な光景だが、その時はこれがあるべき光景だと思った。
藤井キャスターはその映像に対してこうコメントした。
「今テレビを見ているみなさんのご協力で、人との接触が防げています」
このコメントはテレビを見ている人にしか届かない。もっと多くの人に伝わる言葉ではなく、今時間を共有している人に向けてのメッセージだった。
見栄えのいい言葉ではなく、誰に届けるかを考えて言葉を選んでいるんだなと。そして、その言葉選びに心が温かくなった。
この一言に感激して以降、私は藤井貴彦さんの大ファンだ。ファンというのも烏滸がましいくらい心の底からリスペクトしている。
この本を出版すると知った時も、涙が出るほど嬉しかった。
伝えることを仕事としている人の言葉は、やっぱり凄い。どうしたらこんな素敵な言葉が選べるんだろうと読み返す度に思う。
そして、noteを初めてみようと思い立った時に、この本の存在を思い出した。自分の思ったことを思ったまま書いてみよう、と軽い気持ちでアカウントを開設したわけだが、これも立派な「伝える」ことだと。
使う言葉が素敵であればあるほど、その人自身も素敵に見える。
私が藤井貴彦さんの選ぶ言葉が好きなように、「この人の書く文章、素敵だな」と誰か一人にでも思ってもらえたら嬉しいと思った。
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