見出し画像

スヌーズレン

私はスヌーズレンにとても惹かれます。
いつかスヌーズレンルームを作りたいという夢があります。
バブルチューブ欲しいなぁ。

私がスヌーズレンに初めて触れたのは、大学時代、知的障害者支援施設での生活介護事業のアルバイトをしていた時です。
そこで、重度の知的障害の方のグループの活動として、作業などはなかなかできない方が多かったので、スヌーズレンのような時間を設けていました。
置いてあるのはバブルチューブとクッションだけで、窓に布を貼って暗くして、ヒーリング音楽をかける簡易なものでした。
それでも、多動で作業部屋からすぐに出てしまうような方も、始めてすぐはその部屋でもうろうろして出ていってしまったのですが、何回かするとクッションに座って過ごすようになりました。それに合わせて、作業中でも椅子に座ることが増えていき、驚きました。

私にはスヌーズレンの効能がどうというのはよくわかりませんが、凸凹さんゆっくりさんにとって、リラックスをする経験を積むことは大切なのかなと思いました。

凸凹さんゆっくりさんは自分の感覚と違う世界で、落ち着かない日々を送っていることが多いと思います。
その中で、気持ちを落ち着ける体験をすることで、気持ちを落ち着けるということがどういうことかわかり、それを気持ちいいことだとわかると、自分でも気持ちを落ち着けることができるようになるのだと思います。

その気持ちを落ち着けてリラックスするためのツールの1つがスヌーズレンなのだと思っています。

そのため、私はスヌーズレンはリラックスするためのものだと思っていましたが、スヌーズレンは、ただリラックスするためのものだけではありません。

もともとは、重症心身障害の方の生活を豊かにするため、たくさんの感覚を感じられるように、その感覚を自分で感じ取れるように、というところからスヌーズレンは始まっています。

スヌーズレンの詳細は本を読んでみてください。


スヌーズレンは、五感を感じられる体験をできるものであり、利用する人が、させられるのではなく、主体的に楽しく、刺激を選んだり感じ取ったりできるものです。
何かをしなければいけないこともなく、嫌な時は嫌でもいいのです。
感覚を刺激することで、発達を促すこともあります。

スヌーズレンには、リラックスする部屋もありますが、アクティブルームという、動きながら五感を感じられる部屋もあります。
感覚統合の1つで、ボールプールで皮膚の刺激を感じたり、ブランコのようなもので揺れたり、扉を開けておばけが出てきて驚いたりするのもスヌーズレンです。
活動の中で、感覚遊びのゲームもしたりするようです。


そして、私がスヌーズレンで素敵だなぁと思うのが、利用者と支援者が感覚を共有することでコミュニケーションをとる機会にするということです。

利用者が何を見て聞いて感じているのかをよく観察すること。
同じ視点で一緒に感覚を共有すること。
そうすることで、普段は見えていなかったサインなどに気づくことができ、コミュニケーションにつなげていけます。


私は働いているデイで、スヌーズレンではないけれど同じようなことをしています。
ゆっくりさんがおもちゃなどで遊んでいる横で、私は、相手が何をしているのか同じ視点で見て、その子がしていることに合わせて、一緒にしてみたりします。その子の視線や表情、動きを観察します。
そうしていると、顔を合わせて笑い合うこともあったり、手を引っ張ってくれたり、こうしたいんだな、こう感じているんだなということがわかってきて、それがコミュニケーションだったんだなということに気づきました。
コミュニケーションとは、言葉を交わすことだけでも、何かを意図して伝え合うことだけでもなく、ただそこに滲み出るものを感じ取ることもそうなのだと思いました。


何かをしなければいけない、できるようにならなければいけない、では窮屈です。
何もしない時間があってもいいと思うのです。ただただ一緒に楽しんで感覚を共有するだけでいいのです。

自由に、楽しく、リラックスして、自分を感じられる時間は、凸凹さんゆっくりさんはもちろん、支援者も保護者もお世話している人、働いている人、いろいろな人にとって必要だと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?