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理事長からの発信について

2022年10月、理事長に就任しました。
○○長という書き方があまり好きではないのでもう少し何かしっくりくるような言葉を選びたいところですが、法的にはそういう肩書きになっています。

仕事柄、身近な人が亡くなるという出来事は何回か経験していますが、その度に「人生一回きり」というのを突きつけられます。頭ではわかっているけれど、その人と顔を見て話すことはもう二度とできないんだ、というのを身体が感じると本当にいろいろな感情が交錯します。

ところで、理事長に就任する少し前から始めていたことがあります。
それは【毎週月曜日の朝、スタッフ向けにメール配信】。

なんだ、全然大したことないじゃん、とありきたりなことですが、創立当時と比べてスタッフの数が3倍くらい増えていること、それに比例(反比例とも言える?)するかのように組織が目指していることについてあまり知らない、分からないという声が届くようになりました。

十人十色という言葉があるように、人の考えはいろいろ。でも、いろいろな考えを認めるだけではうまく回らなくなります。組織として、職場として事業をいかに回していくか。何を考え、どう考えて行動していくかは、基本任せています。
ただ、その前提になる知識と情報に大きなバラツキがあってはお互いにあまりメリットがないように感じていました。組織のために工夫していることはいろいろありますが、その一つであるメール配信について一部、ここに公開してみます。


おはようございます。

先日、所用で銀行に訪問したときのことです。


年に4回発行している会報を渡しながら、にいまーるの活動を説明したところ、「九州地方から実習生!?」と驚きの反応がありました。

そんなに驚くことなのかな?と不思議に思ったのですが、
よく考えてみれば他の事業所では県内や市内から実習生を受け入れるのがスタンダードなのですね。

でも、手話の世界では県外を跨るのはごく普通の感覚でもあります。

手話の人口がとても少ないことにも関係してきます。


手話で話ができることが、にいまーるの中ではスタンダードなのですが、

にいまーる以外のコミュニティで快適に手話で話せる場所がとても少ない。

少ないが故に県外に出かけて交流を深めざるを得ない(深めたい?)のです。

さらに、移り変わりゆく社会情勢の後押しがあります。
今の学生スタッフたちが生まれてきた頃にはポケモンならぬポケベルの世界が終わりを告げ、
iPhoneならぬJ-Phoneが爆発的に普及され、
「メル友」がろう者の間でも流行りました。

県外のろう者(手話のできる聴者も含めて)との繋がりが広がっていくのと同時に
mixiをはじめとするSNS、格安航空会社の参入、スマホの誕生などが重なり、
県外に出かけるにあたってのハードルがぐんと低くなりました。

にいまーるの利用者さんたち(特に中堅〜高齢者)にも、県外でのつながりや交流はあると聞いています。
スマホがまだ普及していなかった時代に、どうやって繋がることができたのでしょう。

そして、時々思います。

手楽来家、かめこや、ひるかめ、それぞれのコミュニティの輪からさらに広がっていけば手話のできる人口が今以上に増えます。


県外に出かける必要がなくなり、交通費が浮く分、新潟にお金を回せるので良いこと尽くめかもしれません。
今週もよろしくお願いします。
(にいまーる理事長からのお便りvol.2より一部再編集)

ろう者にとっては身体的な感覚で知ってて当たり前、手話通訳の活動をしている聴者にとっても知ってて当たり前。そんな内容だからこそ、メール配信を続けているところです。いつまで続けられるか分かりませんが、ルーティンワークの一つで現在もチャレンジ中ということで長い目で見てもらえたら。

今後も、にいまーるの応援よろしくお願いします。


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