マガジンのカバー画像

エッセイはとつぜんに

212
つれづれなるままに、ひぐらし、ではないが、ときたまPCにむかひて。役には立ちませんが、何の変哲もない日常を楽しめるようにはなるかもね。
運営しているクリエイター

2015年12月の記事一覧

日記:小林賢太郎演劇作品『うるう』観劇記録

小林賢太郎演劇作品『うるう』公演に行ってきた。きっと今回も裏切らないだろう、とそもそもの期待を高く観に行ったけれど、それをもはるかに超える作品だった。本当におかしくて文字通り涙が出るほどに笑う場面があるかと思えば、最後には感動で泣いていた。

演劇だけでも、コメディだけでも、音楽だけでも美術だけでもなくて、またストーリーも感動だけでも笑いだけでも悲しみだけでもない。

ひとつの舞台において、これほ

もっとみる
気候と思考の深度はやっぱり関係している気がする【南の島で暮らして感じたこと】

気候と思考の深度はやっぱり関係している気がする【南の島で暮らして感じたこと】

ここのところ12月にしてはずいぶんと暖かい、というかむしろ日向では暑いくらいの日々が続いていた。今日は久しぶりに気温が下がり、冬らしい空気になったと感じる。

夜になってさらに冷え込んだ空気のなか、帰路につく。しん、と冷たく澄んだ静かな空気の中を歩いていると、自然と脳内にいろんな考えごとが生まれて、ぱらぱらと言葉たちがあらわれては、余韻をもって消えてゆく。

私の場合、たいていそうやって思考が深ま

もっとみる

年を重ねてもにこにこしていたいなと思ったのでちょっと備忘録

年を重ねるとはどういうことか。というのを、ある小説を読んでいて唐突に思った。

小説の中では、嫁と義母が遺産相続の云々でなんやかんやとモメていた。昼ドラでも小説でも現実にもよく聞くような、ありふれたテーマなのだけれど。なぜだか私はそこへ登場する70歳近い女性にいつのまにかほんの少しだけ、憑依というか、いやそこまではいかないまでも、自分の視点をその老婦人に置いてみるような感覚に陥ったのだった。

もっとみる