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【猫に小判】(新釈ことわざ辞典)記事版

ブームの中、ペット購入に大枚をはたくこと。「命」につけられた値段は千差万別、サバンナキャットは100万円を超えるとか……。

ふと思い立ち、【猫に小判】でnote内検索をかけてみました。
すると、……出てくる出てくる。使いやすいことわざのようで、表題に含まれるものだけでもけっこうな数です。
たまにこうして検索してみると、普段目にする以外のクリエイターさんの記事を読む/見る機会ができて新鮮です。

ただし、この《辞典》にある、

ペットに大金を使う

という正しい使い方をしている記事は皆無で、ほとんどは、

どんな立派なものでも、価値がわからない者にとっては、何の値打ちもない

という、一般に流布した《誤用》の意味で用いています。
困ったことです。

とはいえ、この《新釈ことわざ辞典》も、正しくは、

【仔猫に小判】

と言わなくてはなりません。

ペットショップに行けばわかりますが、目玉が飛び出るような値札がついて売りに出ているのは、仔猫と仔犬ばかりです。
価格は成長にともなって下がり、買い手が現れないまま育ち過ぎたペットに《商品価値》はなく、過酷な運命が待っています。

欧州のいわゆる「ペット先進国(という言い方は好きじゃないけれど)」には、そもそも犬猫を生体展示しているペットショップは存在しないそうです。

異なる文化を比較することには意味がありますが、それに優越を付けるべきではない、と思っています。

ただ、私自身が犬や猫だったなら、食文化のある国には生まれたくないし、日本のペットショップで見世物にされて、
「誰か《小判》出してくれないかなあ」
とキョロキョロするよりは、予約をもとにブリーダーが繁殖を調整する国に生まれたい、と思うことでしょう。

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