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キツネは善玉か悪玉か? それを超越する《イナリソ》! (街で★深読み)

記事にコメントをいただくと、とてもうれしい。
「共感型」のコメントもうれしいし、「突っ込み型」もうれしい。
「突っ込み型」は、自分が気付いていなかった観点を指摘いただいたり、知らなかったことを教わったりして、新たな《発見》がある。

さて、昨日、トルコの田舎町で、罠にかかったらしい、大型犬ほどのキツネに遭遇したことを書きました。

Noterさんから、コメントをいただきました。
『キツネって……フィクションの話の中でもいつも悪者です。なんか普通に動物として生きてるだけなのに、気の毒です』
うーむ、そう言われてみれば、イソップ寓話に出てくるキツネは、いつも《ずる賢い》役回りです。
「カラスと狐」
「狐と鶴のご馳走」
「ずるい狐」
「ライオンと鹿と狐」
いずれも他の動物をだまそうとする話です。

これはおそらく、トルコの田舎で隣人が警戒していたように、キツネが毎朝卵を産んでくれる鶏を襲ったり、食用のウサギやガチョウを狙ったりするから、つまり人間にとって《悪役》だからでしょうね。

しかし、待てよ。……日本では《お稲荷さん》にキツネが鎮座しており、神様の《使い》として知られている。これは《善玉》ということだ。その違いは何だろうか?

キツネがいっぱい

稲荷神社は、《穀物や農業の神様である稲荷神》を祭っている。日本人にとって米の《天敵》はネズミだ。そのネズミを捕って食べるキツネは《敵の敵は味方》論から正義の味方、つまり、神様の使いになったんじゃなかろうか。
ネットで調べてみると、確かにそういう説があるようです。
しかも、《蛇》というのも《キツネ》と同じく、《霊的な存在》であり、《神の使い》と見なす信仰が多いとのこと。
うーむ。《蛇》もネズミを食べてくれるからだろうか?

稲作が非常に重要だった古代から近代にかけての日本人にとって、ネズミというのは《極悪キャラ》であり、それを退治してくれる動物は、全部《正義の味方》だったのかもしれませんね。
ミッキーマウスは、……日本からは生まれないな。

そういえば、古代エジプト人がネコを崇拝したのも、穀物をネズミの食害から守ってくれるからだ、と聞きます。

結論としては:
《肉食文化》の地域では、《食》を奪うキツネは《悪役》、《穀物食文化》の地域では、間接的に《食》を守ってくれるキツネは《正義の味方》
ということですね。

まさに、Noterさんからいただいたコメントのように、
キツネとしては『普通に動物として生きているだけ』なんですけどね。

最後に、豊川稲荷で知られる豊川市の《ゆるキャラ》を紹介します。

私のイチ押しは、主役のキツネキャラ《いなりん》でも、そのガールフレンドでステレオタイプ女子の《いなりこ》でもなく、全身真っ黒で真っ赤な目をした《イナリソ》です。
見た目から《ダークみきゃん》(↓)のような《ワル》かと思いきや、とんでもない!

《イナリソ》のプロフィールによれば:
天下泰平のため、世の中にあふれている《憎しみ、怨みといった負の感情を吸い取り続ける》ことで 体が黒くなっている。
赤い目は人の心を読むことができるらしい。

これはすごい!
世の中にあふれている憎しみ、怨みといった負の感情を吸い取り続けることで 体が黒くなっている!》
《負の感情》に対する《ブラックホール》というわけです。
特に何の取り柄もなさそうな《いなりん》が豊川市の宣伝部長で、《イナリソ》はその部下で特命課長だそうですが……

納得できん!

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