persona non grata

1970年代生まれ・男・表現は、絵でも言葉でも話でも、なんでも苦手だし下手クソだが、せ…

persona non grata

1970年代生まれ・男・表現は、絵でも言葉でも話でも、なんでも苦手だし下手クソだが、せずにいられない

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  • 202号室で過ごす日々

    団地の202号室ですごす、男女。その部屋で解放される、牡と牝、子供と母について。(未完成)

記事一覧

うつ病について(6)

心の病気になると色々と調べる機会が増える。最初はそんな気力はないのだけれど、世間には心理学に関する本がたくさんあるし、病気にかかわらず「コミュニケーション」「仕…

persona non grata
2か月前
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うつ病について(5)

記憶の話を少し書いたけれど、やはり生育環境は無視できないと思う。どんな環境で育ったのかというのは、「三つ子の魂、百まで」の通り、影響がなくなることはない。カウン…

persona non grata
4か月前
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うつ病について(4)

毎日、何かを見て、何かを聞いて、五感をフル回転して生活している。酒を飲んでも、車を運転しても、買い物をしても、電車に乗っても、記憶が自分を見過ごすこともなければ…

persona non grata
5か月前
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うつ病について(3)

うつ病になって思い知ったことの一つに過去の体験が自分に与えている影響だった。所謂、「生育歴」のことで、私は自分の成育歴にそれほど疑問を持っていなかった。「何もお…

persona non grata
6か月前
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うつ病について(2)

うつ病について書いてみよう・・・なんて思って書き始めたが、なにから書き始めたらいいのか頭がゴチャゴチャしてきた。当然、何か複雑だったり、手軽でないものを表現しよ…

persona non grata
6か月前
2

うつ病について(1)

うつ病については、そこら中に色んな体験談や、こまかな病状や診断、日々の活動、福祉や行政のサポートなどが書かれている。自分ではどこかでブログとかに書いたような気も…

persona non grata
6か月前
2

射精と生殖とジェンダーレス

自分の体のどの位置に「膀胱」があるか、触りもせずにわかるだろうか。殆どわからないだろうと思うが、なんとなく「ここだ」と感じられることがある。放尿する時だろうか。…

persona non grata
8か月前
4

鼻の孔と一日

鼻の穴の奥がジワジワとむずがゆくなる。くしゃみが出てもイマイチすっきりしない。鼻の穴から出る空気が思っているほどでないからだろう。くしゃみの声はデカいのに、全く…

persona non grata
8か月前

咥え方

薄暗い洗面台に両手を突くと、顔を上げて鏡で自分の顔をみた。上半身は裸で、顔はいつもの通り。髪の毛は乱れていて、左側だけ毛が上がっている。呼吸は荒かった。身の回り…

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変わらぬ欲求、果てない刺激

陰核は大きく腫れ、陰核の包皮から飛び出していて、大陰唇は非常に肉厚。まるで、鍾乳洞のような雰囲気だった。そして、太って垂れた腹の肉は、手を伸ばして、触ると乳房か…

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202号室で過ごす日々(4)

「俺を踏み台にしやがって・・・あの女。でもまぁいいか・・・」 彼はラブホテルのベッドに横になりながら、彼女の事を思い出してそう言った。自分の股間に顔を突っ込んで…

5

202号室で過ごす日々(3)

彼女はウトウトしながらも、目を開けてまたビールを一口飲んだ。二人は半裸でお互いの体に寄り掛かって、前の壁を見つめて息を整え、ビールを飲み余韻に浸っていた。このシ…

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202号室で過ごす日々(2)

母性がどんどんと、熱を帯びて女性の性を解放し始めているのを感じた。ゆっくりと、小陰唇を撫で続け、愛液の粘度を確かめた。陰部の毛は剃らないでほしい、と頼んでいる。…

6

202号室で過ごす日々(1)

都内で気温が10度以下だと、やはり寒い。コンクリート造りの古い団地はリフォームされていても、彼方此方、古さを感じる。階段の狭さ、天井の低さ、リフォームされていても…

3

「前向きに生きる」が、まるで分らない

多くの人生哲学的な文書、成功哲学に関する書類、成功者の体験談において、共通している言葉は、 人間は前向きであるべき という事の様な気がする。正直、鬱陶しい言葉だ…

3

「生」「死」

生きる希望、生きる理由、そういう話は人間が文字を持つようになり、文字が覇者の功績を記録したり、偉大さを後世にも轟かせたい思いから、壁画に刻まれ始めて、その後、段…

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うつ病について(6)

心の病気になると色々と調べる機会が増える。最初はそんな気力はないのだけれど、世間には心理学に関する本がたくさんあるし、病気にかかわらず「コミュニケーション」「仕事」「スピリチュアル」「自己啓発」「占い」「などなどあらゆる分野で心理学を使ったネタが溢れてる。何気に日々そうした情報にさらされているんだなぁと思ったりする。 きっと心の病が気になると、みんな心理学の入門書的なものとか色々と手にとったり、ウィキペディアの「防衛機制」を見たりもするんだろうと思う。私も未だにチラチラと見

うつ病について(5)

記憶の話を少し書いたけれど、やはり生育環境は無視できないと思う。どんな環境で育ったのかというのは、「三つ子の魂、百まで」の通り、影響がなくなることはない。カウンセリングの話も書いたけれど、カウンセリングの中で見えてくるもののほとんどが過去の自分、幼い頃の自分の記憶に関連していた。考えてみれば、過去の自分の体験に紐づかない感覚というものはナカナカないのだから、過去にどのような経験をしていたのか、もっというと「過去の自分を自分がどう捉えているのか」「過去の自分をどう説明しているの

うつ病について(4)

毎日、何かを見て、何かを聞いて、五感をフル回転して生活している。酒を飲んでも、車を運転しても、買い物をしても、電車に乗っても、記憶が自分を見過ごすこともなければ、私が自分の記憶を死ぬまで無視し続けることもできない。過去から逃げ切るのは生きている限り出来ない。 うつ病と記憶に関する話はあまり見ない。自分もカウンセリングを受けるようになるまでは、真剣に自分の過去を主観的・客観的の両面で積極的に理解しようとはしていなかったかもしれない。誰かに話しながら記憶を整理するのは、すごく大

うつ病について(3)

うつ病になって思い知ったことの一つに過去の体験が自分に与えている影響だった。所謂、「生育歴」のことで、私は自分の成育歴にそれほど疑問を持っていなかった。「何もおかしな育ち方はしていない、いわゆる普通に育ってきた、普通の両親の普通の家庭に育った普通のこどもだ」・・・と思っていた。「普通」が何を指すかはともかく、「人と少し違うところもあるけど、なんとかやっている」という感覚があった。結婚して子供ができて家を買って、大卒で新卒入社でサラリーマンになって仕事をして・・・自分では、周り

うつ病について(2)

うつ病について書いてみよう・・・なんて思って書き始めたが、なにから書き始めたらいいのか頭がゴチャゴチャしてきた。当然、何か複雑だったり、手軽でないものを表現しようとすれば、頭はゴチャゴチャするし、まとまらない。纏まっていないものをまとめようとすれば、「まとまっていない状態」をまずは受け容れなくちゃいけない。テーブルに巻き散らかった紙屑を選り分けて、グループに分け、綺麗なもの、汚いもの、綺麗だけれど必要ないもの、汚いけれど必要なもの・・・それにラベルを貼ったり、それをつなげて見

うつ病について(1)

うつ病については、そこら中に色んな体験談や、こまかな病状や診断、日々の活動、福祉や行政のサポートなどが書かれている。自分ではどこかでブログとかに書いたような気もするし、ここでも過去に触れていたりもすると思うけど、今一度、随筆的に記しておこうと思う。主に私自身の体験と考えが中心になる。 私はうつ病患者である。うつ病と診断されたのは2012年7月だった。いまこれを書いているのは2024年の1月なのでうつ病歴は11年6ヶ月くらいになるだろうか。人生の4分の1をこの病気と一緒に過ご

射精と生殖とジェンダーレス

自分の体のどの位置に「膀胱」があるか、触りもせずにわかるだろうか。殆どわからないだろうと思うが、なんとなく「ここだ」と感じられることがある。放尿する時だろうか。放尿する時は、どちらかというと小水が流れる尿道や、その先の亀頭に意識が行きがちだろうと思う。尿道を通るのは小水だけではなく、精液も流れる。尿を催すのとは少し違う感覚がある、射精前の感覚は、正に「膀胱」の辺りを意識できる。恥骨の奥に例えようのない、極々軽いが、しっかりと根強い痺れを感じる。麻痺した感覚と、覚醒した感覚の両

鼻の孔と一日

鼻の穴の奥がジワジワとむずがゆくなる。くしゃみが出てもイマイチすっきりしない。鼻の穴から出る空気が思っているほどでないからだろう。くしゃみの声はデカいのに、全く満足感がない。くしゃみにしろ脱糞にしろ射精にしろ、身体の外に体内の何かを射出するには変わりない。昔、脱糞の快楽と尿道をなにか通過するという快楽は似ていると聞いたことがある。それだからはハッキリ分からないけれど、尿道カテーテルを出されたとき、燃えるような強烈な痛みの0.001㎜ぐらいの感覚を感じたけれど、感覚的には、被虐

咥え方

薄暗い洗面台に両手を突くと、顔を上げて鏡で自分の顔をみた。上半身は裸で、顔はいつもの通り。髪の毛は乱れていて、左側だけ毛が上がっている。呼吸は荒かった。身の回りを見ると、ドライヤーや使い捨ての歯ブラシ、マウスウォッシュが散らばっていたが、自宅ではないので、全く気にならなかった。鏡をみていると鏡の端のほうにぐったりして全裸の女が映っている。その女も興奮と疲労の後に呼吸を整えていた。下半身にシーツをかけるでもなく、まるで捏ねたひき肉をまな板に叩きつけたように、裸のままそこにぐった

変わらぬ欲求、果てない刺激

陰核は大きく腫れ、陰核の包皮から飛び出していて、大陰唇は非常に肉厚。まるで、鍾乳洞のような雰囲気だった。そして、太って垂れた腹の肉は、手を伸ばして、触ると乳房かと思うほど大きいが、乳房はもっと大きく腰のあたりで両脇にはみ出していた。その先についている大振りな色の濃い使い込まれた乳首を指先で転がすと、女は唸りながら、股間にさらに必死にしゃぶりついてくる。音を立てながらしゃぶり女の唾液が、睾丸の真ん中から会陰を伝うのがわかる。偶に口を陰茎から離すと、睾丸の裏側まで口の中に吸い上げ

202号室で過ごす日々(4)

「俺を踏み台にしやがって・・・あの女。でもまぁいいか・・・」 彼はラブホテルのベッドに横になりながら、彼女の事を思い出してそう言った。自分の股間に顔を突っ込んでる女がいる。 「ちゃんと舐めろよ」と、彼は自分の股で頭を上下させている女に命令した。その熟女は彼の陰茎の根本までしっかり咥えこんで、たくさんの唾液で音を立てながら、しゃぶり上げていた。「・・・はい」と、遅れて返事をする。まさか、この女が自分の陰茎をしゃぶっているとは。彼は、それを感じると、楽しくて仕方なかった。 「よく

202号室で過ごす日々(3)

彼女はウトウトしながらも、目を開けてまたビールを一口飲んだ。二人は半裸でお互いの体に寄り掛かって、前の壁を見つめて息を整え、ビールを飲み余韻に浸っていた。このシンプルな団地の部屋の中で、二人は恋人同士や、夫婦、普通のセックスフレンドとは少し違う関係を結んでいるように感じた。今まで、恋人も、夫や妻、セックスフレンド、行きずりで一度きりの相手、どれもお互いに関係を持ったことがあった。しかし、二人はお互いを初めてのタイプだと、口には出さなかったが、各々が認識できていた。こんな人はい

202号室で過ごす日々(2)

母性がどんどんと、熱を帯びて女性の性を解放し始めているのを感じた。ゆっくりと、小陰唇を撫で続け、愛液の粘度を確かめた。陰部の毛は剃らないでほしい、と頼んでいる。彼女は了解して、陰毛は自由に生えたままだ。「私は楽だからあなたがこれでいいなら、そうするわね。」と言っていた。そして、「水着を着ることも無いしね」と付け加えた。ただ、着させることはあるかも知れないな、と思った。自由に生えている陰毛は、ブラジャーとショーツだけの下着姿だと、はみ出る。彼女は毛深い方だったから、毛量も多く、

202号室で過ごす日々(1)

都内で気温が10度以下だと、やはり寒い。コンクリート造りの古い団地はリフォームされていても、彼方此方、古さを感じる。階段の狭さ、天井の低さ、リフォームされていても、形が古いのだ。昭和の建物である6戸分の集合ポストをちらっとみて、表札の名前を確認する。行こうとしている部屋には、名前がない。「202」と書いてあるのみ。何かを貼ったか、貼ってから、またはがしたか、何度も人が出入りしたことを匂わせる使い込まれたポストの扉をみて、団地らしさ、集合住宅らしさを感じる。あの、ステンレスの集

「前向きに生きる」が、まるで分らない

多くの人生哲学的な文書、成功哲学に関する書類、成功者の体験談において、共通している言葉は、 人間は前向きであるべき という事の様な気がする。正直、鬱陶しい言葉だなと思っている。 では、果たして、この「前向き」っていうのは、何を言うのだろうか。これについて、明確な答えを拾えた事がない。 説明をしようとしているのは、山ほどある。山ほど「前向きについて」書き物がある。「ポジティブでいることです」「人生を楽観的にとらえることです」「心身の健康には前向きであることです」「悲観的で

「生」「死」

生きる希望、生きる理由、そういう話は人間が文字を持つようになり、文字が覇者の功績を記録したり、偉大さを後世にも轟かせたい思いから、壁画に刻まれ始めて、その後、段々と識字率の上昇と、表現の自由と、思想の自由とともに、こうして誰もが語ることができる世の中になってきて、それでもなお、「生きる」という事について文書は尽きる事がないし、人が生きる限り、これは続くのだろうと思う。 いかなる本を読んでいても、バッドエンドであっても、生命はその中心である。いくらみんなが全員、ゾンビに食われ