SF名作を読もう!(21)『誓願』
既に傑作とされている作品があるのに、敢えて30年以上経った後でその続編を書く必要があるのだろうか、と思う人もいるだろう。必要はあったのである、というか必要とされる時代が来た(来てしまった)のである。そしてその続編はある意味前作をも凌ぐ大傑作である。齢80近くにしてその仕事を成し遂げたアトウッドは凄い。しかも今作はむしろ若々しいのである。
前作『侍女の物語』はある意味ディストピア社会における女性の耐える物語、耐える強さと辛さの物語であった。1985年発表のこの作品において、ア