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『雨の中、自転車を走らせる』

ぽつりぽつり

曇り行く空と共に

黄昏時に自転車を走らせる

行き着く先が決まるまで

残った力を振り絞る

グリップに一層力を込めて

雨が頬をとめどなく叩く

汗や雨や涙が混じりながら

口元を伝う

しょっぱさを感じる余裕もなく

ひた走る

終わりのない旅路に

終止符を打つかのように

雨の中、自転車を走らせる



雨降りの中、自転車を走らせていた

誰かのところへ向かっていた

今ではない過去の記憶

怪我をしたから来るように

伝言が机の上に置かれていた

どんな怪我なのか

会えるか会えないのかも

わからずに、走らせるしかない

心配な気持ち 不安な気持ち

何もかもが不安だった

待ち望んでいるとは限らない

雨の中、抑えきれない気落ちで

自分だけが自分の気持ちだけが

真実なのだと、勝手に思い

言い聞かせるように

旅を終わらせようと

心を奮わせる

己を滲ませる



「言葉たち、ありがとう」


「最後まで読んでいただき、ありがとうございました」


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