『あらわれてみたく』

波に洗われている岩

ぷかぷかと浮かんで

流されていく木々

潮風に吹かれて

髪の毛が逆立ち

直しても直しても

収まり切らず

鳥たちはぴーちくと

嘲笑うかのように鳴き

蟹取りと潮干狩り

楽しむ人アジアの人

潮の音は

物心付かない頃に

聞いていたのだろう

小さい頃は

時間と共に自然と

洗われていたのだろう

海藻が付いた岩は

消えては現れ繰り返す

現れたときは

きれいな姿になって

木々のようには

なりたくなく

きれいになった岩を

羨ましく思い

潮風に吹かれた髪は

帰る頃には

きれいになっては

無いけれど

心と共に

少しはあらわれている

に違いない

潮風と共に

暫く時を過ごす

許される限り