『真っ白なタオル』

タオルのにおいを嗅ぐ

太陽のにおい

風のにおい

真っ白なタオルに付いている

太陽が昇って沈んでいく

風は通り過ぎていく

においを付けて姿を隠す二人

季節を感じるにおい

真っ白なタオルににおいを付ける

スーと消えていく二人

季節を感じるタオル

やわらかく、しなやかな姿が

どことなく、あの人に似ている

あの人のにおいが、懐かしい

太陽と風のように、においを付けて

去っていった

真っ白なタオル

真っ白なタオルが、風にヒラヒラと舞っている

飄々とした表情で舞っている

朝の挨拶、さりげなくかわし

慌ただしく去っていく

残り香が漂う空間

愛おしいタオル

「言葉たち、ありがとう」

「最後まで読んでいただき、ありがとうございました」