『これって、似合う？』

なんだろう

似合うものって

穴あきのパンツ

薄汚れたパジャマ

すり減った長靴

シワだらけのジャケット

泥や土、タバコのにおい

取れかけたボタン

ゴムが緩んだ短パン

色褪せたパーカー

傷ついたカバン

ほつれた糸

伸びきった袖口や襟元

黄ばんだシャツ

毛玉だらけのセーター

どれが似合うの

自分をどう見せるの

どんな風に見せたいの

穴の空いた靴下

指でつまんで

ぽかんと眺めながら

手垢のついた眼鏡を外して

静かに瞼を閉じる

綺麗に着飾ることを続けてきた

気づいたら、みんなボロボロになっていた

どれもこれも使い古されていた

穴なんて空いてなかった

シワもひとつもなかった

柔軟剤の良い香りがした

襤褸を着ても心は錦

そんなことはない

襤褸はボロだ！

今では、愛着という言葉が懐かしい

自分の周りの、ボロボロになったものたち

自分をよく見せることが、必要なくなった

どう見せたいの？　他人は、見たいようにしか見ない

穴あきのジーンズと、しわくちゃのジャケット

これが本当の自分、今の自分

そろそろ、自分自身を表現しようと思う

遅くなってしまったが、自分を見せよう

ちっぽけな悩みを抱えながら

毎日を生きるのは今日まで

明日から始まる

素っ裸の自分

ガハハ！

「言葉たち、ありがとう」

「最後まで読んでいただき、ありがとうございました」