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『一筋の汗がもたらすプロット』

首筋に汗

生暖かい風が

そっと触れる

その場に留まる

行き場のない汗

涙を目にためて

堪えているよう

これでもかと

言わんばかりに

そのままにして

歩き続ける

汗玉が小さくなって

消えてしまった

行き場のない汗

皆が知らない間に

そっと姿を消した


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汗をかく季節

風も生暖かく

いつもの散歩道

ハンカチをポケットに忍ばせて

人目を気にしつつ汗を拭う

今日はハンカチを忘れた

首筋には汗が

途端に生暖かい風が吹く

その場に留まった汗

そのまま歩き続ける

少しだけ冷たい風が

ビルの谷間から吹く

海からの風とクロスして

気持ちよく首筋へと

見えないが小さくなってしまった

汗玉が首筋にへばりつく

周りから見ると

静かに消えたかのように

汗玉はすっかり消えてしまった

行き場のなくなった汗が

静かに消えていなくなる瞬間

何も出来なかった自分がいることに気づいた

汗玉も涙も人も

消えてなくなる瞬間があるように思えた

その存在を見失わないように

汗、涙を流している人、人、人

決して目を逸らさないように



「言葉たち、ありがとう」



「最後まで読んでいただき、ありがとうございました」

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