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「受ける側と、掛ける側と」

大きな受け皿のような雲が、目の前に現れた。

すぐそばで聞こえてくる声、

「眉間に皺を寄せるのではなく、笑顔で」

誰に、電話で話しているのだろう。

最近、励ましの電話をよく耳にする。

御子息御令嬢お父さんお母さんご夫婦恋人大切な人

受験生や遠距離にいる人へのメッセージを、

届けているのだろう。



受ける側と掛ける側の関係だけなのだろうか。

時として、逆にもなる関係性。

時間の流れの中、境遇が目紛しく、移り変わっていく。

今日は、受ける側なのかな。

掛ける側に、憧れを感じて前を向うとしてみる。

受け皿のような雲、たっぷりと受けられるような大きなお皿。

明日は、掛ける側なのかな。



励ましの言葉が、あちらこちらで飛び交うのを聞くと、

自分も頑張らないと、と思ってしまう。

メディアで流れてくる、励ましの言葉や音楽もいいが、

生の声は全く違って聞こえてくる。

身近にいる人、大切な人から言われると、増し増しになって

心にぶち刺さる。


大きな受け皿のような雲が、自然と形を変えていった。

今日の気持ちを全て受け切ったかのように。


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