いかにして誕生した?マーケティング1.0から4.0まで、変遷を時代の潮流とともにたどる!
皆さんこんにちは。PLEN Roboticsのインターン生、鈴木です!
さて今日お届けするのは、マーケティング理論の総集編のようなもの。
マーケティングのフレームワークを一通り勉強した方にとってはきっと、知識をより強固なものにするに違いありません。
というのも、フレームワークの誕生を時代の流れと共に再確認していくことで、マーケティングの考え方をより深く体感することができます!
というわけで、マーケティングのフレームワークの歴史を追っていきましょう!!それではスタート!
「マーケティング」の概念はいつ誕生した?
誰か特定の人が発明したわけではないので、明確にこの日だ!というふうに時期を特定することはできません。
江戸の時代、平賀源内という発明家が、夏に売り上げが少なかったうなぎ屋に「本日 土用丑の日」という看板を出すようアドバイスしたら鰻が大売れしたというエピソードがあります。
これを史上初のコピーライティングと言ったりする人もいます。
まぁ伝説みたいなもんですね。
とは言っても、現代で言う「マーケティング」の概念が誕生したのは、人類が均質なものを大量に生産できるようになってからのこと。
じゃあ産業革命の時代から、ということでしょうか?
そういうわけでもありません。その時代に作っていたのは、布や鉄鋼といった原材料のみだったので、一生懸命売らないとさばけないような大変な状況でもなかったようです。
ですが、生産者が積極的に売りにいかないと買われなくなってきたのは、製品を作るようになった19世紀末から。大量生産の時代からだと言われています。
大量生産によって、1個当たりの製造コストを下げ、大勢の人に販売する必要性が生じたというわけですね。
この頃誕生したマーケティング理論が、「マーケティングファネル」です。
「マーケティングファネル」や「SWOT分析」がこの時期に誕生したワケ
どんなフレームワークだったか、しっかり理解していますか?せっかくなのでおさらいしておきましょう!
マーケティングファネルとは、プロダクトやサービスを購入してもらうためのユーザーの思考を把握し、施策を考えるためのフレームワークのこと。
第1段階の「認知」から「関心」「検討」、そして第4段階の「購入」と消費者がお金を出すまでのステップが4段階に分けられています。この各段階に合わせた有効的な施策を行うことが重要でしたね。
さらに詳しくおさらいしたい方はこちらから↓↓
この「マーケティングファネル」、原型となったフレームワークがあります。それが「AIDMAモデル」というもの。
1920年代にサミュエル・ローランドホールという学者が発表しました。
「AIDMA」とは、「Attention(注意)」、「Interest(関心)」、「Desire(欲求)」、「Memory(記憶)」、「Action(行動)」の頭文字をとったもの。先程のファネルの元となったことからも分かるように、消費者の購買決定プロセスを表しています。
ちょうどこの頃、かの有名な「SWOT分析」も誕生しました。
SWOT分析とは、自社の外部環境と内部環境を分析するフレームワークのこと。SWOTは、それぞれは「Strength(強み)」、「Weakness(弱み)」、「Opportunity(機会)」、「Threat(脅威)」の4つの要素を表していましたね。
覚えてなかった方はこちらから復習してくださいね。↓↓
なぜ同時期にこの2つの古典的なフレームワークが誕生したのか。それは、ラジオが一般化し、不特定多数に同じ情報を届けられるようになったという要因が大きいと言えます。
消費者や自社の分析が必要になったという訳ですね。
【マーケティング1.0】製品中心の時代
さて大量生産の次は「大量消費」の時代になります。
この頃、第二次世界大戦が終わり、人々が購買力を持つようになりました。
そして1956年、出現したのが「4P分析」です。ハーバード大学の教授エドモンド・ジェローム・マッカーシーが提唱しました。
知っている人も多いかと思いますが、4Pは「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販売促進)」この4つの視点から自社製品・サービスをどのように販売していくか、戦略を明確にするものでしたね。
1962年、「4P分析」に続くように、スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャースが提唱したのが「イノベーター理論」です。
無数の潜在顧客を5つに分類するものでしたね。(アーリーアダプターとかレイトマジョリティとか。)
さらに1964年には、ハーバード大学教授のニール・ボーデンが「マーケティングミックスの考え方を提唱したりもしました。
今も受け継がれる数々のフレームワークが続々と誕生したこの頃は、「マーケティング1.0」と呼ばれます。生産者・製品中心の時代とも言えますね。お客さんを説得して売るという手法であり、可能な限り広い地域、大きい人口をターゲットとするアプローチでした。
【マーケティング2.0】顧客志向の時代
では、大量生産の次はどんな時代が来たのでしょうか?
―モノがあふれかえりました。
というわけで、そう簡単にはモノが売れなくなり、パワーバランスが生産者から消費者に傾くように。そうなると、消費者を徹底的に分析しなくてはいけないというわけです。
1970年代に入ると、アルライズとジャック・トラウトが「ポジショニング」の概念を提唱しだし、マーケティング界に旋風を巻き起こします。
これを受け、「近代マーケティングの父」との呼び声高いフィリップ・コトラーが「STP理論」に発展させました。
STPは、それぞれ「Segmentation(セグメンテーション)」、「Targeting(ターゲティング)」、「Positioning(ポジショニング)」を表した、効果的に市場を開拓するためのフレームワークでしたね。
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が「PPM分析」を提唱したのもこの頃です!
どんどん出てきますよー。
続けて、19991年にジェフリー・ムーアが「キャズム理論」を発表しました。「イノベーター理論」で言うところの、「アーリーアダプター」と「アーリーマジョリティ」の間にキャズム(深い溝)があるという考え方でしたね。
はい。というわけで、この時代が「マーケティング2.0」と呼ばれています。
顧客志向のマーケティングになったと言えますね。
【マーケティング3.0】差別化の時代
ではこの次に来るのはどんな時代でしょうか?
ここまで、「モノ」の時代→「ヒト」の時代ときているので、次は「情報」の時代ですね!
19990年代から2000年代、インターネットが普及し、爆発的に情報の流通量が増え、消費者同士がお互いに繋がるようになりました。たとえば、口コミやレビューを自分で調べるようになったりなど。
このようにSNSが普及すると、それまで水面下で見えなかった社会問題が顕在化するようになりました。
そうなると、「この企業にはどんなビジョンがあるか」「この商品はどういう社会的価値があるのか」と消費者が考慮するポイントが徐々に変化してきました。ここで、ブランディングや差別化が重要になってきたというわけです。つまり、「マーケティング3.0」は価値の時代とも言えますね。
【マーケティング4.0】総発信者の時代
まだまだ時代は続きます。
2014年頃から、時代は「インターネット」から「SNS」に。つまり、消費者が自ら情報発信をするように。自己表現の時代ですね~。
(だんだん現代に近づくにつれ、身近に感じられるようになってきたのではないでしょうか?)
マーケティングを仕掛ける生産者側から見れば、消費者のことをリサーチして好まれるようにふるまわなくてはなりません。ということで最終的に行くつくところ、マーケティングは心理学や脳のハックといった部類になってきます。
そこで行動経済学や脳科学がマーケティングにふんだんに使われるようになりました。(まぁこれはこれで様々な議論を呼んだりしますが!)
マーケティング1.0から4.0までの流れの中で~
マーケティングの変遷を一から見てきて、最後に注目していただきたいのが、それぞれの期間。
マーケティング1.0は、1900年代~1960年代の60年間。
マーケティング2.0は、1970年代~1990年代前半の25年間。
マーケティング3.0は、1990年代前半~2010年の15年間。
マーケティング4.0は、2010年~現在。
と、どうしてこの間隔は短くなっているのでしょうか?
その答えは、「技術の進化のスピードが上がっているから」でしょう!これからも時代が物凄い速さで変わっていくなか、マーケティングにおける常識も凄まじいスピードで移り変わるに違いありません。
というわけで、いかがでしたでしょうか?
マーケティングの歴史を時代の流れとともに改めて復習することで、よりマーケティングを理解し、活かせるといいですね!
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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