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「旅から生まれた豆本」が生まれたいきさつとは…

ハンドメイド作家のPlava Stabloです。

現在、minneでネット販売している自作の旅豆本「旅から生まれた豆本」について、何でこういうものを作ろうと思ったのか、振り返ってみたいと思います。

というのは、豆本イベントや一箱古本市などで、私の作った旅豆本の実物を見てくださった方は、大抵興味を持ってくださるのですが、対面販売ではなかなか時間がなく、お客様に詳しい説明が出来ないことが多かったので、ここでまとめておきたいと考えました。

そもそものきっかけは、2015年秋に行われた豆本の販売イベントでした。

私が通う手製本工房にも出展のお声がかかって、豆本を作る同志が集まって出展することになり、私も参加することになったのですが、さて、何の豆本を作ろうかと悩んだところから始まります。

元々海外旅行好きだったことから、今まで旅行した国の旅行記をZINEにして発表できないかと考えた時期があって、実際に作って発表したことがありました。

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このZINEはA5サイズで、写真はインクジェットプリンターを使い、結構作るのには手間と費用(主にインク代)がかかったのですが、取り上げた国がコーカサス地方のアルメニアという国だったためか、今一つ売れ行きは良くありませんでした。(ちなみに、まだ手元に在庫があります)

ただ、このZINEの特徴である、時系列順に写真を並べて短いコメントを入れるという形態を、豆本にも使えないかと考えたのです。

当時手製本工房で習ったことを復習するために、自宅でも手製本を作っていたこともあって、本の表紙に使うために、旅行先で現地製の生地を買い始めていたので、現地の写真と、現地の生地を組み合わせれば、ユニークな豆本が作れるのではないかと。

そこから、小さいながらも写真を楽しめるギリギリの大きさで本のサイズを決め(今の豆本はA8サイズです)、できるだけ薄く、しかし両面印刷しても透けない程度の厚さのインクジェット印刷可能な紙を探しました。

本に携わっている方はご存知だと思いますが、紙には「目」というものがあり、縦目と横目では、本の開きやすさに大きな違いが出てきます。

市販の紙でも、紙によって目が違ったりしているので、使えそうな紙だなあ…と思っても、豆本サイズにカットして、目が違っていると、せっかくなのに残念…ということもあったりして、結構苦労しました。

写真を収めた本文は麻糸を使って、一折り中綴じという綴じをして、角背本という、小さいながらも本格的な製本方法を用いて完成したのが、今の「旅から生まれた豆本」シリーズの元になる豆本でした。

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最初に作ったのは、バングラデシュ、ネパール、モンゴルの三か国でしたが、国選びについては、たまたま手元にある現地の写真と生地が揃っていたのが、この三か国だったというだけです。

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さて、豆本販売イベント当日、私が初めて作った海外旅豆本は数冊売れ、大半は知り合いの方が購入してくださったのですが、一冊だけ、一般のお客様が購入してくださり、とても嬉しかったことを覚えています。

それまでの海外旅行では、私は正直あまり写真を撮ることには関心がなく、(今から考えると)撮影する対象物も相当適当だったので、豆本の本文に使えそうな写真を選ぶのに苦労しました。

このイベント以降、海外旅行に行ったときには、あとあと本にすることも考えて写真を撮るようになり、生地も豆本に使えるような柄をできる限り選ぶようになりました。

そして新しく作ったのが、2016年6月に行ったバルト三国の旅豆本でした。

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バルト三国はセットで購入してくださるお客様も多くいらっしゃるかなあ…と思って作ってみたのですが、結構お客様によって好みが分かれて、バラで購入されるケースが多いなあ…と感じます。

その後も、毎年コンスタントに海外旅行に出かけ、その土地の写真を撮り、生地を買い求めて、イベント等のタイミングで新作の豆本を発表するようになりました。

だいぶ冊数も増えてきて、目下の悩みは、イベントなどで、作った豆本をすべて展示するスペースが確保できず、一部しかお客様にご覧いただけないことです。

minneおよびcreemaでは、「旅から生まれた豆本」シリーズとして、全作品を販売しておりますので、ぜひご覧いただけたらと思います。

表紙の布の質感など、国によってかなり違ってくるので、より作品の雰囲気がお客様に伝わるよう、写真や説明文も随時更新して参ります。

これはおことわりなのですが、旅行している国・地域の中で、生地屋さんに聞いても、自国で生地を生産していない、またはどうしても現地の生地が見つからない、ということもあります。

その国向けに作られた輸入生地である場合や、やむを得ず近隣諸国で作られた布地を使用している場合は、その旨を説明文に明記するようにしております。

まだまだ、豆本に出来る国・地域が目白押しですので、これからも、「旅から生まれた豆本」シリーズにご期待ください。

なお、今まで製作した「旅から生まれた豆本」について、個々の国のエピソードについては、別途マガジンにまとめております。随時更新しておりますので、ご興味ございましたら、こちらの方もどうぞご覧くださいませ。


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