ちぐはぐ

ある日、職場のナースが『選挙でこの人に投票して欲しい。』と言って来たという話をここにも書いたことがあると思う。
前置きも何もなく唐突な出来事だった。

しかも後日ちらしを持って来たり、その候補者の動画を観て欲しいと強く薦めて来たりもしていた。さらには、そのまた後日『観た？』と確認して来ていたり。

ちょっと・・・いや、かなり変な行動、変な人だなと思っていたのだけど、その候補者が某宗教団体の人だったので「なるほど」と思った。昨年の夏あたりから勤務していると聞いたのに全然仕事を理解していない人だなと思っていたが、布教活動しに来ているらしい。

丁度一か月前に前の主任さんが退職したあたりから、うるさく言う人が居なくなったせいもあるのだろう。その奇行に拍車がかかって来たのが最近。

しかし私は『こういう人なのね。了解。』と思って、このことを誰にも言わなかった。いくら強要されてもキッパリ断る自信があったから。あと、もう一つの理由としては派遣としてやった来た私が知らないだけで、この施設や提携病院も同じ宗教、同じ党の人々かも知れないので黙っていたというのもある。

が、どうやら違っていたらしく、別の先輩ナースが激しく動揺。その変なナースが私に対して布教活動していた場面を見かけて全てを察したらしく『ここでそういうことはしちゃいけない。』と叱り出した。

すると『信仰の自由があります！あなたが言うべきことじゃない！』と逆ギレし出した。

今の職場がそういう団体でなくてホッとしたものの、逆ギレした人の奇行にさらなる疑問。

先輩もビックリして困り果てていたので、私は『就業規則を見せて下さい』と言った。『なるほど。』と先輩は、それを持って来てくれたのだが、そこには、そういうことはダメだと記されてあった。普通そうだよな。

が、瞳孔が開いた状態で「布教活動をさせてくれないなら、それは暴力です。」と言う。ダメだわ、これ。

聴いた話によると、どこの職場に行っても人間関係がうまくいかない、いつも否定されると言っていた。
何だか原因が丸見えのような。

信仰は自由というところまでは同意できるし、いつもの上から目線な態度が『私には○○会があるから。私はあなたたちと違って目覚めた人だから。』という言葉と結びつく。
どんな怪異にも理由はあるのだなと思う。（汗）

何だか課長まで出て来てちょっとした騒ぎになったのだけど、私は誰にも何も言っておらず、先輩の問いに答えただけなのだが、その問題の人は『ちくったな。地獄に落ちろ。』的な言葉と態度を取ってくる。

思うに、信仰は自由だ。でも、職場では仕事をすべき。出来ないなら出来るようになるべく努力すべき。
それは、例え同じ宗教の中でしか人間関係を作れない人であってもそうだ。

その人は、職場では宗教の話をして勧誘することだけを考え、宗教団体に行くと「私は看護師です。」と言っているのだろう。
どこにいても自分が無いから、瞳孔が開いていて、誰の話も聞けない。考えることも出来ない。

ちょっと危険な勢いで来られて困っていたのだが、思うに、自分を救えるのは自分しかいない。自分で考えられない人、考えようとしない人には宗教も心理学もどんなことでも効果ゼロ。それどころかドンドン悪化してしまうのだという話だった。