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日々の糧

料理がテーマに関係する映画やドラマが好きだ。

古くは深夜食堂とか。

最近は「舞子さんちのまかないさん」というドラマや、ちょっと古い映画だけど『南極料理人』を観て淡々と楽しんでいた。

上手い下手は別として、料理を提供する役割の人からは周辺の人間関係やドラマがよく見える。
会話しつつ出すメニューは偶然かのように見えてその人の何かを汲み取ったエッセンスが仕込まれている。

そう言えば昨日ここに書いた「ジョニー」という映画でも、不良青年だった主人公がシェフになるまでにいくつかの料理が出て来た。
ホスピス、つまりは病院では食べれないものを何とかして提供して差し出した主人公。
数々のドラマや映画の中で料理人は何かを作ることで相手を応援している。

でも、いつも料理は主役ではない。あくまでそれを食べる人、提供される人が主役。

これは介護や看護と似ているなあと思う。
昨日観た映画のヤン神父が言ったように自分の時間を提供すること。相手のことを考えること。

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夜、テーブルの隅っこにある錠剤のシートを改めて見つめて「これ、何の薬だっけ?」と相方に尋ねた私。

それは今日突然現れたものではなくて、いくつかの季節そこにあったもののような。

アレルギーの薬だと気が付いて「何で全然飲んでないの?」と叱り口調になったのだが。

「何言ってんの。もう何年も何年も飲んでないよ。」とのこと。「もう出会いたての頃みたいに咳も出ないし湿疹もできなくなったんだよ。体質が変わったの。この身体は、Ohzaちゃんの料理で出来てるんだから。」

ちょっと感動した。幼い頃から悩まされて来ていたアレルギーだと聞いていたから。

毎日たいしたものを作っているわけでもないし、健康的なものを作っているというわけでもない。

でも、私の時間が少しでも役に立っていると知れて凄く嬉しかった。

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