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自分が一番恐ろしい

先日、偶然にもKちゃんと同じ施設へ単発派遣へ行くことになった。

それで帰りは一緒に帰っていたのだが、その駅の近くに小さなイタリアンの店を見つけた。線路沿い、遠くの方に灯る丸い小さな看板がとても素敵に見えたので。

しかし、ワインを売りにしている店だったので、しまった!と思う。ワインは美味しいけれど、どうも体質に合わないらしく少量でも悪酔いをする。

それなら大好きなビールにしておけば良いじゃないか?という話なのだけど、ワインを売りにしている場所で何だかそれは悪い気がする。←誰も何も言っていないのだが。

実は持参して行ったお昼のお弁当のボリュームがあり過ぎて、自分で作っておきながら後悔していたところだったが、イタ飯を自慢しているお店でつまみだけと言うのも悪い気がする。←誰もそんなことは言っていないのだが。

勝手に気ぃ使いの私だが、その店があまりに美味しくて気に入った。しかも味の割には高くない。普通の居酒屋さんくらい。下手するとファミレスの方がもっと取られる。

Kちゃんも大絶賛。

だからというわけではないが、今度は故意にKちゃんが単発派遣で行く日に申し込んで仕事をした。いやいや、帰りにそのビストロに行くためじゃないよ。
もうすぐ、それぞれメインの職場へ通い出すから、これが最後になるかな?と思い、一緒の場所で働くという思い出を一日でも増やしたかった。
いや、でも、この店のせいでもあるかな。
そうでなければ、なかなかこの駅には用事がない。

お気に入りの店で夜な夜な二人で杯を傾けつつ、あの施設へ行くのも今日で最後かな?と思っていた。

ところが、Kちゃんの話を聴いていると、施設のいい加減な部分にいちいち傷ついている彼女を発見。まあ、私もビックリしているものの、他所のことだしなあ~・・・というのがある。
何せ高齢者や命というものに対しての無礼者が多いところだったのだ。

「私、今月、あと二日も申し込んでいるよ~・・・」と意気消沈しているKちゃん。やっぱり酷いもの、歪んだものは見たくないものだ。良いものを知っていれば猶更のこと。

Kちゃんの言う二日のうちの片方は新しい場所への初出勤日だったので無理だが、もう片方の方はお供しますよと約束してしまった。

「えー?ほんと?悪いなあ。でも、心強いよ!」

でも、今度こそ、あの場所へはもう行かないぞ。

さて、浮彫になるこの問題。嫌なものを見たときにどう折り合いをつけるか?だ。

私は「いやいや、派遣先だから。」と言えてしまうほどの冷酷さを持っている。しかし、Kちゃんはやはり私の何倍も厳しく、何倍も優しいのだろう。

さらには、多少辛いことがあっても美味しいビールを飲めれば良いという私が短絡的な人間だと言う話でもある。
しかし、これが馬鹿にならない。美味しいビールを飲める日を作るというのは、かなり難しいのだ。
いや、ビールはいつ飲んでも美味しいのだが。って、何を言っているんだ、私は。
良い動きが出来て、その日なりの力を出し切って仕事をした日のビールは美味しい。一番怖い敵である自分をその状態に持っていくのは、なかなか難しいという話でもあった。

でも、もうちょっとだけ、Kちゃんのように優しい人間になれたらなとも思う今日この頃。

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