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#15 PLASで学んだ”耳を傾けること”の大切さ 谷野理星さん

ーーグローバルに、ローカルに、社会で活躍するPLASインターン卒業生。彼らの想い、現在の活動、そしてPLASでのインターン経験が彼らの「いま」にどうつながっているのかを聴きました。 

今回は、現在南アフリカで研究に励むPLASの元インターン生、谷野理星さんにお話を伺いました!

◆国際協力への興味

ドイツの高校へ留学中、シリアからの難民家族に出会ったことがきっかけで、高校生の頃から私は国際協力に携わりたいという思いを抱いていました。現場を見たり、事業について話を聞いたりする中で、支援する側とされる側の不均衡な力関係と、それに基づいた支援に疑問を持ち始め、相手とともに創り上げていく支援について考えるようになりました。大学では文化人類学を学び、土地の習慣や自然環境を活かしながらの支援に興味を持っていました。大学四年生の夏、日本のNGOがどのような活動をしているのか内側から見てみたい!という思いで、インターンとして働くことを考えました。数ある団体の中で、プラスの活動紹介記事やイベントから、とてつもない包容力を感じ、吸い込まれるように応募していました。
 

◆イベント業務を通して学んだ「伝える」こと

私は、イベント担当として、オンラインイベントの企画・運営に携わらせてもらいました。オンラインイベントは、参加者の学びになるようなコンテンツを届けつつ、プラスの魅力も伝え、活動を応援してくれる人の輪を広げる、そんな役割でした。コロナ禍で主流になりつつあった他団体のオンラインイベントに参加しながら、「プラスが提供できること」、「プラスらしさ」を認識し、それらをもとにイベントを0から企画しました。スタッフの方が業務のほとんどを任せてくださったお陰で、かなり多くのことを学ばせてもらいました。
 
その中でも特に、魅力を出すような「伝え方」を磨きました。プラスならではの、「人を包み込むようなあたたかさ」を伝えつつ、プラスや国際協力についてまだあまり知見のない人の興味をそそるにはどうしたらいいだろう?と、説明文の言い回しやイベントページのデザインを慎重に考えました。試行錯誤した分、集客やイベントの盛り上がりに貢献できた時はとても嬉しかったです。ここでは、絞ったターゲット層に伝わるような表現を模索していましたが、今でも、自分の背景を知らない人にどうしたらうまく伝えたいことを伝えられるか、という日常レベルのやりとりに落とし込めている気がします。

また、イベント登壇が決定したゲストスピーカーさんとの打ち合わせを任せてもらうことがあり、「コミュニケーション力」もかなり鍛えられました。イベントの趣旨を説明し、段取りを決めていく、という一見単純なやりとりでしたが、もともと簡潔に物事を言い切ることが苦手な上に、多忙な中協力してくれている偉大な方々に対して引け目を感じてしまうことが多く、初めはかなり苦労しました。ゲストさんは同じ視線で向き合ってくれ、スタッフさんは優しく見守ってくれたので、自分がどう見られるか、というより、何を伝えるべきか、ということにフォーカスしながら会話ができるようになりました。


◆一人一人が大切にされるチーム

イベント企画・運営から学んだことに加え、プラスの一員であったことによって、私は人として成長することができました。毎日作業前に自分の状態と作業内容を共有するチェックインでは、一人一人のトークに皆が耳を傾け、「流すように受け入れる」感じがとても心地よかったのを覚えています。業務中も、立場に関わらず誰もが発言しやすい環境がありました。国際協力NGOは、時に少し無理をしてでもプロジェクトを成功させる、というイメージが強かったのですが、プラスでは職員の方もインターン生も、それぞれ伸び伸びと仕事をして、それがうまく組み合わさって全体が機能している印象がありました。「相手に心を開いて耳を傾けること」が人にとって当たり前に必要なことであるのに、簡単に省かれてしまっている、と感じる日々。国際協力においては特に大切なこの姿勢が、現場においてだけではなく、チームの中でしっかりと実現されていることに、そしてそんなチームにいられることに、日々感謝していました。これからどんなコミュニティに所属することになっても、プラスで自分が感じていた安心感や一体感を、率先して他のメンバーにも感じてもらえるような人になりたいと思えました。
 

◆今後について

プラス卒業後は進路に迷いましたが、学部時代交換留学をしていた南アフリカの大学で文化人類学を極めることに決めました。過去の政策や近代化によって様々な問題が蔓延するスラムで、「伝統ダンスを踊るダンサーがどう価値観を形勢していくか」について研究をしています。時代に沿って形を変えてきた伝統ダンスが、現在の文脈でどのような役割を果たしているのか徹底的に調べ、似たような活動の維持や発展に活かしていきたいと思っています。南アフリカは、人種によって権利を分ける政治体制が何十年も続いていた過去があり、その影響による格差や緊張感がまだまだあります。プラスで学んだ「耳を傾けること」の大切さをいつも心に持ちながら多様な人と価値観を共有していきたいと思います。 

PLASでは現在クラウドファンディングを募集しています。
子どもたちの未来のため、ご支援・ご協力をお願いいたします。

https://camp-fire.jp/projects/view/609577

いただいたご支援(サポート)は、PLASの活動を通じてケニアとウガンダのエイズ孤児支援のために使わせていただきます。