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「大人になる」ってどういうことだろう?

今年(2023年)の成人式に先立って、鴻上尚史さんがTwitterに投稿した文章が話題になりました。

この文章の中で鴻上さんは、大人になるということを ↓

親や先生や先輩や友達の意見にただ従うのではなく、「あなた自身の頭で考えること」だと思っています。

鴻上尚史さんTwitter投稿(2023年1月6日)より

と書かれています。そして、「中学生らしさ」「高校生らしさ」を押し付けられてきた若い人たちに、自分の頭で考える訓練をすることを推奨しています。
本当に素敵な文章だと思います。

実際、「自分の頭で考える」ということは、人生においてとても重要なことです。

でも、世の中は「たいして考えない大人たち」で溢れています。
嫌な言い方ですが、これは本当の話です。
僕自身、深く考えずに慣例や(自分の中の)常識に沿って「そういうものだから」と物事を決めつけてしまうことが多かったし、無駄に思える仕事でも「ずーっと続いてきたことだから」と理不尽も非効率も飲み込んできた経験があります。

こうした話が意外なほど多くの大人に共通することである証拠に、1月29日に掲載された毎日新聞の記事『「先生はコート着てるのに…」校則で着用を制限するワケ』の中で、某高校の教頭先生が ↓ のように言っています。

なぜ、校則でコートなどの着用を制限するのか。冒頭の男子生徒が通う高校に取材すると、教頭は「昔からある校則なので、目的は分からない」と話した。

毎日新聞 2023年1月29日掲載    先生はコート着てるのに…」校則で着用を制限するワケ より抜粋引用

雪降る寒波の中、学生たちのコート着用を阻む理由も目的も「分からない」のに取り締まる。
びっくりするほど理不尽ですが、こういう理由も目的も分からないけど続けているっていう作業が、世の中には沢山あるんです。

大企業に就職しても、零細企業に就職しても、どんな職場に入っても、大体どこでも、理由も目的も分からないけど続けているっていう細かな作業が結構沢山あるんです。

そういう時に、自分で考えて行動して、解決できるのかどうか。
これは、そんなに簡単じゃないですよ。

流されるままでも、「大人」にはなれる。でも、それでいいのかい? という話

大人になるって、本当にどういうことなんでしょうね。

身体が、生物として成熟するから大人なのか?
仕事をして、税金を納めるようになるから大人なのか?
お金を稼いで独り立ちするから大人なのか?
学生時代の自由な気分を手放して、自分を押し殺して仕事するから大人なのか?

どれも面白くないでしょ、そんなの。
夢がないでしょ。
つまんないよ。

成人式で飾り立てたり、騒ぎ立てたりする人は、「これが馬鹿騒ぎできる最後のチャンス」と思ってない?
「気軽に振る舞える、最後のチャンス」と思ってない?
でも、違うんだよ。「大人」と呼ばれるようになっても、自由はあるんだよ。
むしろ、「大人」になってからの方が自由になれる。

藤井風の「青春病」で歌われているように、青春に囚われる必要はないんだよね。だって、人生はずっと「発展途上」なんだから。

きっと、「大人になる」っていうことは「自分自身を、自分が納得できるまで成長させていくこと」なんだと今は思う。
だから、学びには終わりがないんだよね。
「大人になる」っていうことは、常に学んで、成長し続けられる人になるってことだと思う。

学んで成長するには、自分の頭を使うしかない。
自分の心を育むしかない。

でもさ、子供の頃から学校の中で、目立ちすぎないように過ごしてきて、
先生たちに教わるままに暗記してきて、
就職活動では、よく分からない大人たちによく分からないまま値踏みされて、
企業に入ったら……突然、自分の頭で考えて、自分で責任を持って仕事していけると思う?

僕は、18歳でフリーライターの仕事を始めたから、自分の頭で考えているつもりだった。
けれど、よくよく考えると、読んだ本、観た映画、尊敬する人たちの言葉に影響されっぱなしだったな。

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