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カナダで語学力よりもメンタルが鍛えられた話

カリフォルニアから、こんにちは!


東京都公立小学校→シンガポールを経て、現在はアメリカの私立小学校で、英語と日本語のバイリンガル教員として働くMeiです。

今でこそ、英語を使って仕事をしていますが、日本生まれの日本育ちの私は22歳の頃、語学を学ぶためにアルバイトで貯めたお金で、念願のカナダ語学留学に行きました。


いざ、カナダへ!

教育学部に通っていた私は22歳の夏、東京都教員採用試験を受験。

最終面接試験が終わった翌日から、結果がでるまでの約2ヶ月間、単身カナダ・トロントへ飛び立ちました。


一緒に日本で試験勉強していた友達には、「やっと一息ついてご飯にでも誘おうと思っていたのに、まさか日本にいないの?」

家族からは「まだ合格してもいないのに、そんなことして大丈夫?」と心配されましたが、

ずっと単身で海外に行きたかった私。

英語だけ使って、誰も知らない街で生活してみたかったのです。

「試験まで全力でやったんだから、カナダに行こうが行くまいが結果は変わらない!あとのことは戻ってきてから考える。」と言い残し、なんとも無謀に出発しました。


外国語として英語を話すということ

語学学校では、着いて早々クラス分けテストがありました。夏休みということもあり、ブラジル、ベネズエラ、アルゼンチン、チリなどの南米、ドイツ、スペイン、フランスなどのヨーロッパ、韓国、台湾、日本などのアジア、世界中から同世代の学生がトロントに集まっていていました。(ちなみにカナダでは、何故かカザフスタン人によく間違われました!笑)


ありがたいことに、すぐにたくさんの友達ができたのですが、何せスピーキング能力が足りない!クラスで話を聴いている分には問題ないのですが、ディスカッションになった途端に、自分の意見が言えずオドオド…。

一方で、文法が間違っていても、発音がスペイン語やロシア語訛りでも、堂々と話している友達たち。悲しくて、悔しくて、授業の後に、

「どうしてそんなに自信満々に話せるの?」

と友達に聞くと、

「だって私はいつも母国語じゃない英語を話してやってんよって思って話しているから。」

とのこと。文法や発音ばかりが気になっていた私は目から鱗が落ちた瞬間でした。

「母語じゃないから間違えるよ、でもいまできるベストを尽くすよ。」

という気持ちで臨むと、勝手に自分を縛っていた文法・発音呪縛から解き放たれ、英語を話すことへの抵抗がなくなってくるのを実感しました。



自分の問題か?それとも相手の問題か?

語学学校では、定期的にカウンセリングの先生と話す機会がありました。私はHigh-Intermediate、Pre-Advanced(中級と上級の間くらい)のクラスで学んでいて、宿題は大変でしたが、クラスメイトは優しいし、先生たちもユーモアがあって、たくさん褒めてくれる方が多かったので、すごく充実した日々でした。

「学校以外では、何か悩みとかありますか?」

とカウンセリングの先生から聞かれたので、

「カナダ英語は聞き取れるのですが、英語が母語ではないアクセントが強い人の英語が、聞き取れないことがあるので、どうしたらいいですか?」

と質問すると、

「それは、あなたの問題ではないです。相手に聞き取れるように発音していないのは、相手の問題ですから。」

と、1秒も待たないうちに真顔で返されました。

これまでは「どんなアクセントも、ちゃんと聞き取れない=私の問題!」と勝手にへりくだって思っていましたが、確かに同じ日本語でも知識不足だったり、聞いたことのない方言だったりすると「その言葉は、どういう意味ですか?」と聞かないと分からないことも、たくさんあります。

今では当たり前に思うことなのですが、第二言語だけで生活する経験を通して、何語であってもその都度「その言葉の意味が分からないので、もう一回教えてもらえますか?」と聞くコミュニケーション能力があればいいな、とストンと納得できました。

それ以降は、日本に帰ってきてからも仕事やプライベートでも何か悩みがあった時に「これは私の(私が解決できる)問題か、それとも違うのか」という線引きを上手にできるようになり、心が軽くなったような気がします。


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ちなみに、上の写真で仲良く肩を組むチリ人の友達は、いつも底抜けに明るいので、先日も久しぶりにテレビ電話で話して2人でくだらない事を言い合って大笑いしました!彼女はチリからシンガポールまで会いに来てくれたり、一緒にオンラインでウクレレ練習をしたり、気付けば長い付き合いになっています。


語学力だけではなく、心のもちようを教わったり、国境を越えて気兼ねなく話せる仲間ができたり、カナダに行く前には想像もしていませんでしたが、振り返ってみると、何事もやってみないと分からないなぁと感じています。


最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。今日も素敵な一日になりますように!



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