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1日1冊オススメ本レビュー

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ブックコーディネーターが毎日1冊、サクッと読めるオススメ本ブックレビューを公開していきます。
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2020年10月の記事一覧

翻訳語成立過程

"日本語における漢字の持つこういう効果を、私は『カセット効果』と名づけている。カセットと…

占星術殺人事件

"私はたったニ、三時間だったが、極限的に疲れてしまった。何の因果であんな半狂人と友達にな…

青春と変態

"国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。とまあ、どうせエゲツナイ変態日記、せめて書き…

アリス殺し

"この一言で世界が崩壊しようが知ったこっちゃないわ。そもそも世界は最初からこうなっていた…

リアルタイム・オーロラ

"今、私の撮影表現のメインはリアルタイム動画に移行しつつあります。今回の写真集では、今後…

フェルマータ

"相手の女性が僕の存在に気づかないのでは意味がない。僕がやりたいのは、その女性が感知し得…

毛皮を着たヴィーナス

"私はふいに甘い恍惚感に襲われた。『女の、それも美しい女の奴隷になること、私が好きなのは、私が恋いこがれているのはそのことなのです!』1871年発刊の本書は著者の人生とも虚実いり乱れるマゾヒズムの由来となった長編小説。 個人的には既に周知の様に、単純な対立概念ではないものの、どちらかと言えばサディズムよりはマゾヒズム傾向を自覚していることから関心をもって手にとりました。  さて、そんな本書は一応は『性愛小説』に位置付けられるのでしょうか。でも、人によっては大切かもし

小僧の神様 他10篇

"彼は悲しい時、苦しい時に必ず『あの客』を思った。それは思うだけである慰めになった。彼は…

日本文学史 近代・現代篇六

"戦後日本に登場した作家の中で、三島は、その天賦の才においても、とげ得た業績においても、…

金閣寺

"しかし今までついぞ思いもしなかったこの考えは、生まれると同時に、忽ち力を増し、巨きさを…

コンビニ人間

"外から人が入ってくるチャイム音が、教会の鐘の音に聞こえる。ドアをあければ、光の箱が私を…

ZOKUDAM

"しかし、なによりも驚いたのは、部屋のことではない。正面にそれがあったのだ。大きな赤いロ…

日本夜景遺産

"本書では、これら241ヶ所の日本夜景遺産を収録。"一生のうちに何度でも楽しみたい夜景"を紹介…

迷路館の殺人

"肝心なのはまさにその、何か過剰なものにどれだけ私の心が共鳴するかということであるわけで"1988年発刊の本書は『十角館』から始まる館シリーズ3作目にして、作中作、叙述トリックで知られる奇抜な迷路館を舞台に連続殺人が起きる新本格ミステリ。 個人的には、ミステリ持ち寄り読書会ですすめられた事もあり手にとってみました。  さて、そんな本書は推理小説界の老大家、宮垣葉太郎が所有する『十角館』と同じ建築家、中村青司が手がけた地下に迷路が造られている奇妙な、『迷路館』に集めら