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ZOKUDAM

"しかし、なによりも驚いたのは、部屋のことではない。正面にそれがあったのだ。大きな赤いロボットだ。"2007年発刊の本書は、Zシリーズ2作目、内容は全く無関係に同じメンバー達が今度はロボットに乗って"怪獣"と戦うまでの物語。

個人的には、いわゆる"お約束"をことごとく意図して外して書いているような前作の雰囲気が気に入ったのと、2作目はタイトルからずばり『機動戦士なアレ』をオマージュしている事もあって、世代として手にとりました。

さて、そんな本書は同じ登場人物たちが立場を変えて、前作ではまるで○イムボカンシリーズの○ロンジョ様ぽかったロミ・品川が、今度は仕事でパイロットとして選ばれ、同僚のケン・十河といつの日が襲ってくる(予定)の"怪獣"と戦うために、遊園地の地下に(無駄に)作られた秘密基地で【ロボットに乗るための訓練】に励むわけですが。

いわゆる正義の人型ロボットが悪と戦う様々な物語を【逆手にとるような本書】現実的にロボットを運用するとなると【どれだけのマニュアル、莫大な予算、幾多の許可申請などの手間がかかるか】を事細かに描いていてニヤニヤしてしまう。

また、前作でも感じましたが。このZシリーズは【著者自身が楽しんでるような】作中に漂うゆるい空気感が読み手は選びますが、なんともクセになりますね。本書では秘密基地の雨漏りや、ロボットコンテストなど他愛のない日々が続き【全くロボットvs怪獣は描かれないままで終わります】が、それはそれ的に楽しめました。

著者ファンはもちろん、○ンダムというより○トレイバー好きな誰かにオススメ。

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