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ヨガと、心の強さ、静けさ、そして謙虚さ

私の10代は苦しい時代だった。家族とは折り合いが悪かった。学校ではいじめられ、うまく自分を守れずにいた。両親が不幸な結婚生活を送り、ケンカが絶えなかったことも、自分の手に余ることだった。両親が離婚し、親自身が手いっぱいになっている間に、私は15歳で家から逃げ出した。

そうやって始まる、ある海外の方の言葉に共感した。たぶん、10代の頃は特に、そのころは「自分に嘘をつくことが一番つらい」ことを理解できずに、ただ生き延びようともがくのだとも思う。心の強さ、静けさ、そして謙虚さ、正直、そんな内省なんてものも、思いつかないのだ。

自分の生き方を追求していくこと

子どものころ、自分が必要としていた人達が、寄り添ってくれなかったら、きっと人は、「誰かを必要とするのを止める術を身に着ける」ものなんだとすら思えた。あらゆる意味で、強くなって、自分の力を証明しなければならない。あぁ、とてつもなく、孤独な果てなき旅路だな。

ヨガを通して気づいた。私はずっと自分から逃げていた。仕事に没頭することで、自分から隠れ続けていた。

苦しいけれど、大事なのは、疑問を持ち続けることなのかもしれない。世界の超エリート学生たちと話していて、私が常に驚かされるのは、独自の哲学、思考力、(肯定と否定の)自問、センス、美学、言葉。自分の基準を見つけるんだけれど、それに固執しすぎず、柔軟。変わるものと変わらないものの区別。

漠然としたことを疑問に思うには、センスが必要だ。またトレーニングが必要かもしれない。当たり前のことを、当たり前として捉えないというのは、ふつうはできないのだから。当たり前の日常に疑問を持ち、そこに視点を置くこの作業は大変なことだ。まるで、毎日歩いている道や、通いなれた駅までの道などから、古墳を発見したり、宝物を発見するような視点と作業だから。
気づきとは:さまざまな知識や経験を脳と心と体に蓄積していく中で、疑問という形で、明確に意識化されたことに対して、普遍性のある答えに気がついたことを言う。この気づきは、一人の人間の中での知識と経験を融合させるアレンジや創造するセンスも必要。気づきがあり、それを深めて見つめていくこと、思考していくことや、その気づきにたどり着こうと四苦八苦し、思考を巡らせることを哲学するという。

「哲学を感じる生き方」をしている人々がいる。あまりうまく言葉で説明できなかったけれど、まぁ、正直今もできないけれど、そういう人々といると感じる。思考、意識、行動、言動を通して、自問して、光だけじゃなくて、陰、信念を感じる人。常識を、勇気を持って疑い、考え直すことを止めない人。そういう人は、男性でも女性でも、年齢関係なく、やたらカッコ良い。

20代のころは、生き急ぐことに命をかけていた。100%の今を生きたかった。夢や希望もあった。目標がある人間は、問題がポンポン出てくる。無駄に苦悩に満ちている。禅問答のような会話を繰り返していた。 

ヨガの世界

インドで1920年代に着手されたヨーガの近代化運動では、まず、ハタ・ヨーガのアーサナを合理的な体操体系として再構築。パタンジャリの哲学体系が加えられる。ヨガ・スートラには、人間の幸せとは何か、ヨガとは何か、どうしたら幸せになれるのか、その幸せにヨガはどうかかわるのか、という哲学が網羅されている。

ヨガは、外の世界(他人)を変えようとは教えません。つまりベクトルは、いつも自分に向いているということなのです。気に入らない相手を変えるのではなく、相手を気に入らないと思う自分の心を変えるのです。自分の心がかわっていくことができれば、あらゆる人に対応できるから、いろいろなことに悩まなくなり、自分自身も楽になります。

自分を知る為には、コミュニケーションをとるのが一番。自分と、相手と。

「生命の化学」と言われる世界最古の伝統医学、アーユルヴェーダ。病気を診る西洋医学に対し、個を診る医療とも呼ばれる。

ウパニシャッド文献:ウパニシャッドとは、ヴェーダの最後を飾る文献の総称。一元論やヨーガの定義、オームの意味、プラーナや輪廻転生のことなど、インド哲学はもとより、ヨーガを学ぶ上で大事なことがたくさん説かれている。

二元論:この世のすべてのものは、プルシャ(真実の自己)とプラクリティ(根本原理)という二つの原理でできている。

禅語の日日是好日:嬉しいことも悲しいこともすべて「好日」と言えるか

アーサナは、肉体の健康を養い、精神の平和や平和な行動を支える肉体的な実践。日々の規則的実践により、肉体(筋肉骨格系、呼吸器系、神経系、免疫系ほか)が浄化、強化される。病気の予防、ストレス管理、深い睡眠にも貢献。規則的な生活や、食事習慣のサイクルにも効果的。運動・仕事・学習能力向上にも。

ヨガの世界は幅広い。今の自分に必要なことと、そうでないことを見極めて、自分の学びが一番はかどる道を探っていこう。

「子どもの夢を否定すること以上の暴力はない」
by カイラシュ・サティーアーティ(2014年「ノーベル平和賞」授賞式のスピーチ)

「発展は、幸福と対立するものであってはいけないのです」
by ホセ・ムヒカ元大統領 

「ヨガとは1%のセオリーと99%のプラクティスだ」
by パタビジョイス

「既知の世界から未知なる世界へ漕ぎ出でよ」
by アイアンガー

ヨガを続けるために求められる資質は、心の強さ、静けさ、そして謙虚さ。これらを忠実に実践しようとすればいかに大変なことかを知るので、何かを他人に要求する前に自分の不甲斐なさに気づき、謙虚になる。


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