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女は男よりも学び続ける必要があるのよ。自分の居場所を確保するために。【20代OLが「イランの家めし、いただきます!」を読んで】

あ〜〜海外行きてえ〜と思うこの頃である。
あの海外旅行で感じる
「え?なんでこっち見てるの?私のこと殺すの?」とか
「え?これぼったくりだからお金払いたくないですって拒否したら殺される?」
とかあのなんともいえない緊張感が恋しい。(どんな旅だよ)
基本私はビビリかつ人をあまり信用しない性格(ただのインキャ)なので、観光客なんて金巻き上げときゃいいねんと思われていると思っている。
(現地の人は皆治安悪めのジャイアソだと思っている。)


しかし、今回読んだこの「イランの家めし、いただきます!」(常見藤代著)に書かれているイランの方々には、そんな様子が一切感じられないのである。
それどころか、どこまでも親切すぎる事この上無いのだ。
(著者の常見さんは「おせっかい」と表現していますが、本当にどこまでも親切です。裏があるのでは…と疑ってしまうくらい。)
ではどれくらい親切なのか。
本書は常見さんの20日間(くらい)の旅の記録が記されているのだが、この旅の中で常見さんはほぼ毎日見知らぬ誰かの家に泊まっている。
(何事!?)
イランでは、旅行客が一人で(しかも女性)いると、心配になって「うちに来なさい」と声をかけてくれるようなのである。
ほんまかいなと思うかもしれないが、家に招待しても、代金の1円も払わせることなく、100%好意で常見さんをもてなす人たちの様子が描かれている。
いやこえーよ!日本国内でもそんなの怖すぎるのに、違う文化圏の見知らぬ人に家おいでと言われてYESと言える常見さんもさすがすぎる…イランの方々は常見さんがYESと言えるだけの信頼のおける親切心があふれているのだろうか。


さらに、旅の要所要所で、何か困ったことが起きた際には途中で出会い、泊まらせてくれたイラン人の方が電話で助けてくれるのだ。
(どんだけ仲良くなれるねん…私のようなインキャには到底出来ない技です…(遠い目))
一番驚いたのが、タクシーのチャーターを頼むと、女性運転手のタクシーを手配してくれるという気遣いに加え、タクシー料金まで払ってくれるという。
「あなたは私のゲストだから」を合言葉に常見さんはイラン人の方々にとにかく奢られ、もてなされている。(羨ましみの山)
どうやらイランの方々には、助け合いの精神と、おもてなしの精神が豊富な優しい人が多いようである。


ところで私はイランという国の知識がほとんどなく、イスラム教圏で、資源大国の、アラブっぽい雰囲気の国なんだろうな〜くらいのイメージしかなかった。
また、性差別がまだまだ残っていて、きっと女性は若くして望まない結婚をさせられたり、不自由な思いをしてそうだな〜と勝手な印象を持っていた。

しかし、常見さんの旅で出会う女性はたくましく、優しく、美しく(写真が乗っているのですがまじで皆お美人)、そして自由でかしこい。
もしかしたら学校に通わせてもらえない女の子がいたりするのだろうか…などと勝手なイメージを持っていたが、(地域の考え方にもよるだろうが)イランの女の子達は普通に大学に通い、(常見さんの旅の最後の宿は大学の女子寮(!?うらやましい…)です)友達とのおしゃべりやおしゃれが大好きな、日本となんらかわりのないような女の子が多い。
ただ、地域によって風習は違うようで、10代で早々と結婚する子もいれば、(無理やりではなさそうです。本に出てくる子達は皆幸せそうでした。)恋人を作って自由に恋愛している子もいて(結婚時に処女でなければNGという風習がイランにはあるので表向きはタブーのようです)自分の幸せを謳歌しているイランの女の子達がたくましく、自由で、とても好感が持てたし、イランでは個人の自由が阻まれるのだろうかとか、勝手に偏見を持っていた自分を恥じた。
どの国に住んでいようと、生き方は自分で選択していくものだ。

また、常見さんが旅の最後に泊まった女子寮の女の子の言葉が非常に印象的だった。



「女は男よりも学び続ける必要があるのよ。イランだけでなく世界中でね。自分の居場所を確保するために。」


この言葉に心の底から感銘を受けるとともに、激しく共感した。
実際私は、女性は簡単に支配されやすい仕組みの中で生きていると実感している。
まだまだ結婚=嫁入りという認識の家庭は少なくないし、就活の待合室で男子生徒に「女なのに総合職受けるの?なんで?」とめちゃくちゃ時代遅れみたいなわけわからない事を言われたこともある。
(内心お前はどこにも就職出来ずに雑草食ってろと思いました。あのショックは今でも忘れません。)
まだまだ女性を所有物にしたがる人がいるのは、悲しいけれど否めない。
そのような風習に身を委ねて、幸せであればそれでいいけれど、別の場所に幸せを求めるのであれば、自分がどのような世界に生きていて、外にはどんな世界があって、どんな事を信じて生きていきたいかを選び取るために、学ぶことは必要不可欠だと、私も強く思う。
イランという、行ったこともないし、どんな人がいるかもわからない国の、私より年下の女の子の言葉に、はっとさせられ、より強く生きていこうと奮い立たされたのであった。

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